QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




早稲田のゼミをのぞいてみよう ~早稲田大学ゼミ紹介~

2012年8月10日 11:00

サッカーでも、自動車でも、スパイでも!? 好きなテーマからドイツを探る「ネットに見る現代ドイツ」

研究室DATA
荒井 訓 教授
「ネットに見る現代ドイツ」
(商学部 総合教育科目演習)
所在地:早稲田キャンパス11号館
どんなゼミ?
 テーマは「ネットに見る現代ドイツ」です。自分が興味を持った話題を掘り下げていくことで、ドイツの今を考え、さらに「モノの見方」「考え方」といった「大学での学び方」を身につけます。しかし、1年生はまだまだドイツ語ができなくて当然。前期は、主に日本語のサイトや資料を使った調査をします。後期には、少し背伸びしてドイツ語サイトの原文にも皆でチャレンジします。
どんなテーマも勉強につながる
どんなテーマもおもしろがる
 「ネットに見る現代ドイツ」とは、実際には何を勉強するのでしょうか。そして、この授業のモットー「知的に遊ぶ」とは?
 今年受講している3人の学生の中間発表によると、そのテーマは「ドイツのマイスター制度」「ドイツの人名について」「シュタージとスパイ活動」・・・え! スパイ活動!? 荒井先生によれば「選んではいけないテーマはない」とのこと。ドイツに関係することで興味のあることなら何でもOKなのだそうです。そして、テーマを決めたり、調査をスタートするために活用しているのがインターネット。本格的な論文などでは根拠にはできない「ウィキペディア」だってここでは使っていいそう。まずは気軽に、自分がおもしろがれるツボを探すってことですね。
 例えば去年はドイツのプロサッカーについて調べた学生もいたそうです。で、ここから、このゼミならではの流れが始まります。
「ドイツのブンデスリーガに外国人選手はどれくらいいるのだろう?」
 ↓
「各チームのサイトで外国人登録選手の数と出身地をチェック」
 ↓
「日本では外国人選手の数が制限されているのに対して、ドイツでは『少なくとも12名のドイツ国籍をもつ選手と契約しなければならない』と決められていることが判明」
 ↓
「なぜならドイツでは外国人がいるのが大前提だから」
 ↓
「背景に移民問題あり」
と、最後には、ドイツの社会問題を調べることになったのです。
 ひとつわかると、次の疑問がわいてきて、また次の調査が始まる、という繰り返しがこのゼミならではの授業の流れ。しかも、この流れに乗っていくと、どんどん脳みそが気持ちよくなるのです。あ! この快感こそが「おもしろい」ってことなんじゃないんですか! 「そう。『知的に遊ぶ』というのは、ただ知識を増やすことではありません。もちろん調査の道順はちゃんとサポートするし、知識や情報のつながりを一緒に見つけていくことなんです」と荒井先生。確かに、中間発表の間も、「このテーマ、おもしろいねー」「ここからもっとデータを集めるとおもしろくなってくるよ」と、とにかく先生は「おもしろいっ!」と連発しているのです。こちらにもあっという間にその空気が伝染してくる感じです。
ひとり1台のパソコンを使った授業。先生は学生のパソコンを覗きこみながら、「読めないドイツ語があったら、その場で聞いてくれたらいいから」とサポートしてくれます。
中間発表の様子。荒井先生は発表するときの話し方やシートの作り方のアドバイスも。そして、ビジネスの現場で必須のパソコンソフト「パワーポイント」の使い方も覚えていきます。最終発表までにはビジュアルもたくさん盛り込んだシートに仕上げるそう。
アニキみたいな、チームメイトみたいな
先生の魅力にひきこまれる
 さて、この日は、このゼミのOB・滝澤さん(4年生)も顔を出してくれました。1年生のドイツ語の授業で荒井先生に出会い、「ドイツ語というより、先生に興味がわいたんです。先生の雑談がおもしろくて! こんなふうに多面的に物事を見られる人になりたい」とすっかり荒井先生に惚れこんでしまったのだとか。「2年生のときは時間割の都合で、このゼミは履修できなかったんです。でもあきらめきれなくて、先生にお願いして去年ようやく参加できました」。
 1年間の流れを滝澤さんが教えてくれました。まず前期は、興味のあることをそれぞれ調査。これは日本語の参考資料やサイトを使えばよいので、ドイツ語のサイトばかりをみているわけではないとのこと。滝澤さんの場合は、「メルセデス・ベンツとトヨタの違い」を調査のテーマにしたそうです。「クルマが好きなので」。その大好きなクルマの話から調査内容は環境問題へ発展。「後期は、ドイツの新聞サイトを題材にして、クルマに限らず、記事でとりあげられている環境問題を読んでいきました」。というように、後期になると、ドイツ語を使って読んだり調べたりするそうです。
 「僕たちのときは、後期の題材がちょっと難しかったんじゃないかな」と滝澤さん。すると荒井先生は「それをキミたちがやりたいって言うから。自分たちで選んだんだよ」。そんな話をしているおふたりの表情は完全に笑顔。充実した試合を終えたあとのチームメイトのような雰囲気です。
 ところで、「商学部でなぜこういう授業なの?」という疑問もあったのですが、その答えのひとつがわかった気がします。商学部を卒業すると、多くの人がビジネスの現場に入っていきます。そこではいろんな問題や課題があるでしょう。例えば、開発途中の商品に問題が起こったとか、大ヒット商品が生まれないとか、社内の人間関係をよくしていきたいとか・・・。そのどれをとっても、「物を見る力」「考える力」そして「おもしろがれる力」があれば乗り越えられるんじゃないか、っていうこと。そして、ビジネスに限らず、人が生きていくときに、とても大事な力になる。このゼミで身につけているのは、そんな、「社会を生きていくための力」でもあるんですね。
後期になるとドイツ語に本格的に触れるので、予習も必要になってきます。「ノートの書き方は荒井先生に教わった方式です」(滝澤さん)。
先生からのメッセージ
 自分で課題を見つけて、それをさまざまな視点から見て、考える。この授業を通して、そういう大学生としての勉強の仕方、勉強することのおもしろさを経験できます。それに、今後必要になってくるプレゼンテーションの技術も習得します。でも、このプロゼミの第一のメリットはやはり、少人数で私とつき合うなかで、知らず知らずのうちに大学生としての「構え」が身につくことでしょう。入り口は、自分が興味のあることでいい。どんなテーマでも受けて立ちます。私にもわからないことが出てきたら、それもおもしろい。一緒にあれこれ調べてみましょう。
先輩からのメッセージ
 ドイツを知ることができるのはもちろんですが、この授業をやっていくと、不思議と他の授業もできるようになって、学生生活が楽しくなります。それに何より、荒井先生の魅力にやられます。おかげで僕は、この授業で1週間に一度、リフレッシュしてた感じですから。できることならもう一回受講したいくらい!

4年・滝澤 真輝さん
先輩からのメッセージ
 今、私は、スパイについて調べていますが、もともとは『エロイカより愛をこめて』というスパイ漫画にハマったことから始まっています。こんなふうに、ドイツのことに興味さえあれば、最初はドイツ語があまりできなくても大丈夫ですよ。

1年・市原 菜穂子さん
このゼミを目指すキミに
先生おすすめの本
白物家電の神話』原 克著(青土社)
ポピュラーサイエンスの時代』原 克著(柏書房)
流線形シンドローム』原 克著(紀伊國屋書店)
モードの迷宮』鷲田 清一著(筑摩書房)
現代思想の冒険』竹田 青嗣著(筑摩書房)
寝ながら学べる構造主義』内田 樹著(文藝春秋)

物事を単に一方向から見るのではなく、タテヨコに広げたり、深めたりする複眼的な見方を身に着けてほしいと思っています。これらの本がそういうモノの見方の参考になります。身近にあるモノから文化や経済、思想が見えてきて、今の私たちの「立ち位置」みたいなものがわかってきますよ。
(取材・文/米田裕子 撮影/早稲田大学体験webサイト)

ページトップへ

「早稲田大学体験webサイト」事務局
「早稲田大学体験webサイト」事務局

受験生だけでなく、広くみなさんに早稲田大学の今をお伝えします!
早稲田大学のゼミでは、どんな学問研究が行われているのでしょうか。とことん考え、議論し、発表する学生たちの姿を見てください。

早稲田大学体験Webサイト
カテゴリーアーカイブ
01 政治経済学部 (4)
02 法学部 (6)
03 文化構想学部 (2)
04 文学部 (3)
05 教育学部 (11)
06 商学部 (15)
07 基幹理工学部 (3)
08 創造理工学部 (6)
09 先進理工学部 (8)
10 社会科学部 (12)
11 人間科学部 (6)
12 スポーツ科学部 (4)
13 国際教養学部 (8)
14 政治学研究科
15 経済学研究科
16 法学研究科
17 基幹理工学研究科 (3)
18 創造理工学研究科 (2)
19 先進理工学研究科 (7)
20 教育学研究科 (5)
21 人間科学研究科
22 社会科学研究科 (5)
23 スポーツ科学研究科
24 商学研究科 (1)
25 ファイナンス研究科
26 会計研究科
27 教職研究科 (1)
28 アジア太平洋研究科
29 国際情報通信研究科
30 日本語教育研究科
31 情報生産システム研究科
32 環境・エネルギー研究科 (2)
最新記事
Pursue Your Own Interest in the Advanced Seminar on Mind and Body
新しいテクノロジーを活用して教育の問題解決を検討する森田研究室
「会計」の視点から、企業の経営問題を幅広く考える 現代管理会計論I B、II B(長谷川ゼミ)
民法が関わる事例を、過去の判例や学説をもとに考察していく大場ゼミ
数学を使って経済の変化や社会制度が生まれる理由を紐解く佐々木ゼミ
カレンダー
<< 2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
  • Blackboard Mobile Central
  • QuonNet活用のヒント
  • 早稲田大学校友会