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早稲田のゼミをのぞいてみよう ~早稲田大学ゼミ紹介~

2009年4月 1日 00:00

キーワードは「飛び込む!」取材による調査が血となり肉となる井上研究室

研究室DATA
井上 達彦 教授 [博士(経営学)]
井上達彦ゼミナール(商学部 経営コース)
所在地:西早稲田キャンパス11号館
どんなゼミ?
 企業が長期的に競争で勝ち続けるためには、いい商品、サービスだけでなく他社には真似のできない仕組みを考え出すことが必要。その事業の仕組みをフィールドワーク(飛び込み調査!)によって解き明かし、事業提案も行っていくのが井上ゼミの研究テーマです。研究対象は超有名企業から「うちの町内会」まで幅広く、実際に会って話を聞くインタビュー調査をベースに、新商品・サービスの提案も。「外に飛び出し、行動しながら学ぶこと」が基本です。
「問いを自分で立てる」のが大学の勉強
●大型バイクメーカー、ハーレーダビッドソンは、不況の中でなぜ業績を上げ続けることができる?
 →ハーレーマニアのコミュニティで、単なる「モノ」に留まらない
  「ハーレーの世界」の魅力を探ろう!
●若者も住んでいるはずなのに、町内会は年寄りばかりで運営が大変!
 →存在するのに出会えない人たちの接点となる場所を作ろう!

 事業システムの研究と聞くと、巨大企業の構造やケタ数もわからないぐらいの巨額のお金の流れ・・・なんてことを想像してしまいますが、井上ゼミでの研究は、自分たちが興味を持った対象に、まず「飛び込む」ことから始まります。あるときは公文式の教室の片隅に座り、あるときは温泉街の旅館に住み込み、そのコミュニティで実際に過ごしている人に密着。書籍やニュース番組などの二次情報からは得られない「生の声」をつかみ、それをもとに新しい事業やサービス、企業のあり方を提案するという体当たり研究室なのです!

 「受け身だった、高校までの勉強と違って『問いを立てる』ことこそが勉強ですね。問いが見つかれば、研究は半分完成したと言えるくらいです(3年・壺谷 篤さん)」。
ハーレーファンのコミュニティで、20年にわたる増収増益のヒミツを探る。ハーレー好きのおじさんは一見怖そうだけど実はやさしい!のだそう。
チームで考えて、知的な創造物を作る
 「自主的に動き、学べるようになったのは井上ゼミに入ってからですよ」と、受験生のみなさんをほっとさせる(?)発言をくれたのは3年生の渡辺みなみさん。「自分のやりたい研究をしているので、本も読まずにいられないし、とことん考えるようになりました。先輩に『なんでそう思うの?』『なんで?』って追及されるし(笑)」。自分で行動し、考えて、また次の行動につなげるという文化が研究室に根付いているので、その雰囲気が刺激となって、新入生の自主性も発達するのでしょう。

 具体的には、ゼミに入ったらまずチームごとに、事業コンセプト分析を行います。しょっぱなから実際の企業を調査! 「数か月間、みんなでひとつのことを考えていると衝突も起こります。でも、一緒にやってきた仲間だからこそ、思いっきりぶつかれるんです(壺谷さん)」「長い時間をかけてやってたら、自分たちで納得のいく発表をしたいという気持ちが強くなりますから!(渡辺さん)」と、課題に対する真剣さが伝わってきます。

 その後はロレアル社のプレゼンコンテストに出場するなど、外部の大会にもチャレンジしていきます(井上研究室は、受賞歴もすごい!)。「商品開発者はどんなことを考えて、どんな知識がほしいと思っているのか。それを疑似体験することで、マーケティングの手法などのビジネスの知識が吸収できるようになるんです」。これが井上研究室の学習スタイルの理由。いろんな場所に飛び込んで、社会を動かすビジネスを実現する基礎体力を鍛えてみませんか。
慶応大学三橋ゼミとの合同ゼミ。練習を重ねたプレゼンに、鋭い質問が飛び出す真剣勝負の場だ。
世界一の卒論を書く!
 井上ゼミの研究テーマは多岐にわたります。「落語班もおもしろいですよ!」と紹介されたのが、4年生の馬上 紗織さん、一山 彩香さん。「落語が400年も続いているのはなぜか?」という疑問から始まった、落語コミュニティ研究を行っています。ひとつの組織が400年も継続している(100年続いている会社でも、割合からすれば相当少ない!)ということは、制度的叡智が隠されているに違いない! そう考えた二人は寄席に通い詰め、演目の終了まで待って噺家に協力を仰ぐという飛び込み調査でヒアリングを重ねました。これから卒論としてまとめあげていく段階なのですが、「部屋の壁が、アイディアを書きとめたポストイットだらけになってます」「話してくれた人の温かさを、感じたままの温度で文章に表したいけど難しい」と、調査で得られた内容をまとめる作業に苦労しているところだそうです。「大変だけど、楽しいのでつらくはないです! この卒論を世界一の卒論にします!」と、充実した表情で語ってくれました。
 二人の卒論用ノート。あらゆる思考が書きとめられるとともに、決意表明や今日食べたもののメモも! 学生生活の集大成だ。
先生からのメッセージ
 日本では「ビジネス」のイメージはあまりいいものではありません。ですが、ビジネスの力、マーケットの力が社会を変えることも多いし、社会問題をビジネスで解決するのが企業なんです。「こっちの学部の方がかっこいい」なんて理由で志望学部を選ぶのはつまらないこと。自分が興味を持っていること、やりたいことを第一に考えよう!
先輩からのメッセージ
 大学に入ったら、高校のときに比べて格段に行動範囲が広がります。サークルやゼミだけでもいろんな人に出会います。チャンスを生かしていろんな世界にどんどん飛び込め!

3年・渡辺 みなみさん
先輩からのメッセージ
 井上ゼミの先輩に、感銘を受けた本の著者に実際に会いに行くという人がいるんです。僕はそんなことを考えたこともなかったので、その行動力に驚きました。みなさんにも、大学でそんな「目的を持っている人」に出会って刺激を受け、自分の行動の軸を見つけてほしいと思います。

3年・壺谷 篤さん
このゼミを目指すキミに
先生おすすめの本
iモード事件』松永 真理著(角川文庫)

 これは、ドラマよりも劇的な現実の物語です。みなさんが普段何気なく利用しているケータイコンテンツがどのように生まれたのか、キャラ立ちした登場人物達のプロ根性を、その舞台裏から観ることができます。
 1~2日で受験勉強の片手間に読める本です。ビジネスとは単なるお金儲けではない。仕事というのは、ドキドキ、ワクワク、愉しみながらするものだ。一生に一度はこんな仕事をしてみたい。そんなことを感じさせてくれます。
 この物語の主人公であり、著者である松永 真理さんは、米国フォーチュン誌の「モースト・パワフル・ウーマン・イン・ビジネス(アジア地域)」に選ばれた凄い方ですが、とてもしなやかで軽快にビジネスをこなしておられます。商学に興味が無い方でも、働く事に夢をもっていただける、そんな一冊です。

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