
2010年1月14日 11:07
早明戦の翌日、大学選手権の組み合わせが決定する。ワセダは初戦で立命館、勝ち上がれば2回戦で関東と帝京の勝者と対戦・・・という組み合わせ。道のり険しいトーナメントとなるが、「ワセダは『荒ぶる』しか見ていない」(WTB早田健二主将)。早田組最後の挑戦へ、その景気づけとなったJr.選手権決勝から立命館戦まで。
Jr.決勝戦、「勇気」
Bチームが、「荒ぶる」を目指すAチームのメンバーに大きな勇気を与えた。
12月13日、東京・秩父宮ラグビー場。ワセダBは日本一の座を懸けて、帝京大BとJr.選手権決勝を争った。「ジュニアを制したチームがその年の大学選手権も制す」というジンクスがあるほどに、この大会の持つ意味合いは大きい。今季、総じて不調だったワセダBは予選リーグから苦しみながら、死に物狂いでこの日のステージまで上がってきた。
試合は前半、帝京のキック主体のエリア勝負に翻弄され、ボールが全く動かない展開。9分にPGによる3点を失い、0-3のまま前半を折り返す。
後半に入っても流れは変わらず。スローテンポのゲームはむしろ帝京ペースだったといえるだろう。ワセダとしては地上戦に持ち込み、密集戦を制しながら展開ラグビーに繋げていきたいところである。10分、ワセダはWTBに井口剛志(2年)を投入。ここから俄に流れが変わり出す。井口は持ち前のカウンターアタックで帝京のDF網を切り裂いていく。「井口さんが入ったことで敵陣に入れるようになった」(SO吉井耕平、1年)との言葉通り、敵陣で攻める時間が爆発的に増えた。さらには、20分過ぎからリザーブの4年生を次々とゲームに送り出す。
「4年生達には、終盤の勝負所でチームを支えてもらいたかった。苦しい所でぶれない力を発揮できるのは、やはり4年生でしょう」(中竹監督)
試合は、指揮官の言葉通りのものとなった。まずはこの試合唯一の被トライのピンチを、SH櫻井朋広が決死のタックルで阻止。その後は、ゲームキャプテンのPR和田卓也ら途中出場組が、ミッドフィールドの攻防をことごとく制圧。ワセダは25分にLO岩井哲史(3年)のトライで逆転しているが、点数を取られそうな気配は見当たらなかった。そして、ついに歓喜の瞬間が訪れる。
「ジンクスのこともあるので、ものすごいプレッシャーを感じてました。今はもう、最高です」(和田)
表彰式後は全ての4年生も混じって喜びを爆発。心強いジンクスを得て、1週間後、ワセダは大学選手権へ乗り込むこととなる。
ワセダB、涙と笑顔の日本一
対立命館、試練の時
Jr.選手権1週間後の20日、いよいよ大学選手権が幕を開ける。Bチームの奮闘により、最高の形で大会を迎えられそうなところではあったが、明るいニュースだけでもなかった。早明戦で負傷したHO有田隆平、LO中田英里(ともに3年)の長期離脱が、この時期明らかになる。1回戦はおろか2回戦に間に合うかも微妙なところで、この先の戦いでFWの力に陰りが見られることが予想される。さらには18日、BKの要であるFB田邊秀樹(4年)が負傷。ワセダはますます窮地に追いやられる。
そうした中行われた立命館戦は、ワセダの停滞が著しいゲームとなってしまった。格下相手にも圧倒されたFW、度重なるミス・・・。「何も成果を得られないまま終わってしまった」(中竹監督)と、2回戦へ向けて不安ばかりが浮かび上がるゲーム。怪我人の続出がその一因となったことは確かだが、この試合ではPR瀧澤直(4年)までも怪我で途中交代してしまう。2回戦では復帰したものの、ワセダに暗い影が忍び寄っていることを誰もが実感したことだろう。「1試合1試合をベストゲームにする」(早田)ことで初めて「荒ぶる」を獲れると言い続けてきた早田組にとって、あまりにも痛い停滞だった。
同日同時刻の別会場では、帝京が激闘の末に関東を破り2回戦進出を決めている。勢いに乗る帝京と、「Explosion」に全てを懸けるワセダ。「荒ぶる」への道のりは険しく困難だ。
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試合終了間際、50mの独走トライで多少もやもやを晴らしたWTB早田(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)
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