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“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2014年7月

2014年7月28日 21:52

過渡期をEnjoyする

ある社長が私に尋ねました。

「当社はなぜ負け組みになってしまったのかね?」

私はこう答えました。

「それはどの企業にもある事業変化の過渡期をEnjoyできなかったからですよ」

 この本=弁護士の仕事術(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4415073891/mixi02-22/)には、「見方を変えればまったく違ったものになる」という項があります。要約すると、

「海賊版の取り締まり関わる訴訟では、不正品を輸入する企業の立場に立てば、"大資本が弱小企業に不当な圧力をかけている"となるが、正規品のメーカーからみれば、"先行投資して作り上げた著作物の回収利益を、ただ乗りして権利を侵害している"」と。

一つの事柄、事象を見るのにどの側面で見るかでまったく違った風景が見えてくるのはよくあること。マーケッティングの教科書で、未開の島に水虫薬を売りに行った二人のセールスマンのエピソードは聞いたことがあるのではないでしょうか(一人は、"ダメです。この島に水虫の人はいません。"と嘆き、もう一人は、"スゴい市場です。なぜなら誰も靴を履いていないんです。靴を売るビジネスもできますよ!"と歓喜した。)



企業の事業転換期におこる過渡期の足踏みを、失敗としてみるか、Enjoyすべき試練として捉えるか。TOPは、失敗の責任者を探すPenaltyに走るのではなく、人材を育成する好機としてEnjoyする姿勢を持ってほしいもの。

どんなにうまくいった事業でも、いや、うまくいけばいくほど、競争者が出てきて価格競争や技術競争、サービス競争になり、同じところにとどまってはいられなくなるでしょう。そして改良や改善にも限界があり、市場も飽和し、技術も陳腐化し、なによりもニーズが変われば、企業も変化していかざるを得ません。そして、この変化は魔法のようにドロロンといくわけがなく、必ず過渡期を経て新しい構造に転換していくしかないのです。そこには、変化をきらったり、恐れたり、将来への不安から無意識にブレーキをかける力も働き、また、新しいことであれば必然的に、試行錯誤も伴う。そして踊り場で足踏みをすることになります。

このとき。

つまり、思ったように事業転換がはかれないとき、事業がうまくいかないとき、「過渡期をEnjoy」することができれば、事業構造の転換を図れるのです。

企業は人。人はねたみやっかみ、あるいは返り咲こうとするものです。過渡期の踊り場では、こうした策略もよく起きること。そして、責任追及合戦になり、かつて冷や飯を食った人々が返り咲きを狙って、「改革の改革」を提案したりします。企業TOPも株主からのプレッシャーで、過渡期をEnjoyできず、失敗者にPenaltyを課し、再改革に同意してしまう場合も多いのです。

2014年7月14日 23:54

移動時間は労働時間じゃない

出張の移動時間に何をしようか?

いつもあれこれと思いを巡らせます。
じっくりと寝ようか。機内の映画を見まくろうか。それとも、日頃読む時間がない文庫本を買い込んでシリーズものでも読破しようか。いや!!!やっぱり仕事の予習復習だ!!
結局。。。断片的にあれこれとやって最後は熟睡。。。

移動時間は労働時間ではない http://blogos.com/article/90422/ という記事によれば、「会社の業務遂行のために必然的に出張した場合でも、会社の指示を受けて遠方へ出張する場合でも、出張中の移動時間は、原則として労働時間に該当しません。」と弁護士さんの見解が述べられています。

そもそも日常の業務で、労働時間とはどの部分を言っているのでしょうか。

労働基準法 http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/HO0049-S22.htm#H-04sho では、労働時間そのものの定義は明確ではなく、労働時間は週40時間を超えないこと、休憩時間を除くことなどが定義されていますが、「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間であるとする見解(指揮命令下説)」(労働政策研究・研修機構 http://www.jil.go.jp/rodoqa/01_jikan/01-Q02.html)判例・通説的な見解とされています。


つまり、前述の判例通説の定義でいえば、「使用者の指揮命令の下に置かれている時間」かどうかということで、出張時の移動時間は、いわば何をしているかわからない時間です。例えば、自分自身で考えるならば、先日Palo AltoでのODR FORUMに出張した際、現地までの間に何をしていたでしょう。。。空港への高速バスでは、新聞を読み、音楽を聴いて、景色を眺めて、居眠りをし、チェックイン後は、PCでfacebookを更新し、機中では映画を見て、雑誌を見て、ぐっすり仮眠、現地では、他の参加者と談笑しながら移動。。。リラックスしまくりで、「指揮命令の下」に置かれているとはいえません。ハイ。

しかし、そうなると移動中の事故は労災にならないのでしょうか?

結論から言うと労災になるようです。
http://www.rousai-ric.or.jp/faq/tabid/270/Default.aspx#43

仕事の目的で出張に行って、還ってくるまでは事業主の支配下にあるので、「積極的な私用・私的行為・恣意行為等にわたるものを除き」労災の対象となるのですね。

ん?

「積極的な私用・私的行為・恣意行為等にわたるものを除き」?

つまり、居眠りしていても、出張の目的地へ行く為の経路上であれば、労働時間ではないけれど、労働災害の対象となるということか。。。

現地の友人に迎えられて、ディナーに言った時に事故になったら、労災でないのですね。通常の移動経路を外れているのですから。

最近話題の若手ベンチャー社長のフレーズ流にいえば、

移動時間は労働時間じゃねーんだよ(オリジナルは、"会社は学校じゃねーんだよ")

になるのでしょうか。

2014年7月 4日 23:00

ビジネスの息吹 恒例ODR FORUM−2

前回のブログ更新時には、米国のスタンフォード大学で、恒例のODR FORUMに出席していました。http://odr-room.hatenablog.com/entry/2014/06/26/140929 

※そのため、メールや電話のレスポンスが悪くなってしまい、ご迷惑を御かけしたかもしれません。ご容赦ください。。。

 サンフランシスコ国際空港へは朝8時過ぎ到着で、そのままBARTに乗って、CITY CENTER駅へ。スーツケースをがらごろ押して、併催イベントのハッカソンと消費者関連の法律に関するイベント「Breaking Mad」の会場 UC Hastings Collegeへ。一度入り口を間違えてうろついていると、同じくスーツケースを持った一段がいるので近寄ると、なんとIBO(Internet Bar Organization)のJeffry Arestyさん。私が、この分野に入って最初に米国で尋ねた相手です。数年前には、奥様と息子さん夫婦、娘さんを交えて日本でのディナーに招待したこともある間柄。なんと奇遇。


さて。
今回のODR FORUMは、実はこれまでで一番の変化を感じたものでした。変化とは、内容・論点より寧ろ、「ビジネスが始まる予感」です。

これまでもODRと法廷について、あるいは、国連のODR RULEに関する議論は毎回取り上げられていましたが、今年は欧州で承認されたADR指令やODR規則の組込みが義務づけられ、各国の各ベンダーが具体的な取組みを始めており、 このあたりが次に述べる具体的なビジネス的動きに繋がっています。
大きな違いは、これまで乗り気でなかった法曹の組織が腰を上げたこと。ITと法律界は意外にもこれまであまりコラボレーションがなかったと立ち話した参加者の誰かが言っていましたが、どうしてどうして。

まず、Breaking Madの基調講演に登壇したのは、ABA(American Bar Association)のチェアマンRuth Glick氏、2日目には、同PresidentのJim Silkenat氏。2008年に、私が初めてボストンのマサチューセッツ弁護士協会を尋ねたころには、弁護士界隈では「ODR?ありえん」のような反応だったのですが、弁護士協会の重鎮が自ら基調講演とは大きな変り様です。AAA(American Arbitrators Association)のWebサイトが全てWebで申請(AAA Webfile http://bit.ly/1sWotHn)ができるようになり、そのやりとりにメールは使用しないようになってきています。

次に、新しいツールベンダーが多く名乗りをあげていることです。
過去のFORUMでは、ODRツールとしては老舗のSmartSettle http://www.smartsettle.com/や、Mediate.comくらいがツールのプレゼンをしていただけだったのですが、 今年は、パワーアップしたSmartSettleを始め, Mediate.comの新ツール CaseLoadManager http://www.caseloadmanager.com/ は勿論、eBayのODR責任者だったColin Rule氏が立ち上げたMODRIA社 http://www.modria.com/ 、国連のUNCITRALにも参加するスロバキア国担当者の新会社 Youstice https://www.youstice.com/en/、アルゼンチンのベンチャー Pactanda http://www.pactanda.com/#/ 等々。。。デモ時間はランチタイムにもかかってしまうほどになりました。

次に最初から顧客対応としてODRに着目して組み込んであるサービスが出てきています。
オークションのeBayは勿論のこと、フリーランスの仕事紹介サイトeLanceに組み込まれたoDesk、車のトラブル専門のNetNeutrals、ネット取引のトラブル専門のPoshmark、日本版サービスサイトもあるAirBnB https://www.airbnb.jp/ は、現地のB&Bを簡単に探して借りられるサイトです。これらのサイトには、予め組み込まれた金銭の支払い/受領をコントロールするエスクローシステムなどで、トラブルを防止しつつ、トラブルの場合のルールがODRの仕組みとして組み込まれています。
ハラスメントの相談、解決にODRを適用する検討しているのは、facebookのポリシー担当チーム。こちらに関連して、オランダのHillグループは、離婚調停に特化したサービスを展開し始めました。ニュースレターなども発行され、非常にサービスが充実しているように見えました。

既に述べたようにカナダ、米国、英国以外にも、多くの国が登場していますが、当社が登壇したのは、最終日の最終セッション  The State of International ODR。
http://www.ustream.tv/recorded/49273323 (8分過ぎくらいから)

司会者は、インドのODR開発者、アルゼンチン、ロシア、ナイジェリア、ポーランド、日本、そして、当日飛び入りで中国。欧州の動き、更に先を見据えた先行国(カナダ、米国、英国)の動きに関連して、非常に多くの新しいODRに対する取組みが垣間みられ、最終セッションということもあり、ほぼ満席状態でした。

そして何よりも息吹と言えるのは、資金が動き始めたこと。
Yousticeは欧州、スロバキアなどの投資家からの資金がはいり、MODRIAもVCから調達した資金で、オランダのJuripaxや英国のMediationRoomを傘下にして、越境紛争にも備えています。アルゼンチンのPactandaもVCから資金調達に成功したものです。


   *   *   *

来年は、同じく6月にニューヨークで開催されることも決定しました。UNICITRALの会合も頻繁に開かれており、2015年は、ビジネスとしてのODRが花開くかもしれません。

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