QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2013年2月

2013年2月22日 23:59

持続と断絶

2008年に、それまで27年間勤務していた中堅のIT企業を退職して、現在の会社を始めたのですが、気がつけば既に、5期目が終わりに近づき、6期目が目の前。ずっとお仕事をさせていただいているお客様、一緒にビジネスを維持してくれたパートナー、技術面で支えていただいている各社さんはじめ、愚痴にまで付き合ってくれる友人たち、生活、健康全てを支えてくれる家族のお陰と感謝しています。


先日、 IT企業勤務時代に、新入社員で配属されてきた人物から、何年ぶりかで電話がありました。配属は、1994年くらいだったと記憶していますので、彼も既にアラフォー世代。しかも、私より随分前に退職して自分で会社を立ち上げましたので、経営者としては、先輩です。その彼が電話口でいうのは、「会社の経営について相談に乗ってほしい」ということでしたので、一先ずミーティングを設定。雑談も含めて色々とお話をしているところです。人に頼られる、相談されるのは嬉しいものです。

さて、頼られて喜んで、話し込んでいる時にふと気づきました。

(そういえば、あの頃は、いつも部下に相談され、どうすべきか指示したり、考えたりしていたな。)

"コンテンツ"という分野が言葉としてもIT業界では新しかったことから、外部からも"なにやってんの"と揶揄されたり、自分たちも立ち位置を見つけられなかったころでした。日常業務の指示の他に、未来の自分たちの仕事ぶりを小説風にして配布してみたりもしました。(多分ウザかった。。。ウザイという言葉もなかったかも)

特に強調していたのは、「貴方の名前で仕事をしなさい」ということでした。

勿論企業人ですから、会社の名前を背負って、会社の名前を利用して、組織としての仕事が基本でしたが、お客様から「貴方に頼んでいるんだよ」と言わせるくらいになろうということです。これは、個性を押し出して勝手にやれという意味ではなく、"この人に頼もう"と思ってもらえる"貴方品質"を確立しなさいということ。

これは、組織から見ると、人材が離反してしまうリスクとなるように思われるかもしれませんが、付け加えていたのは、「つまり、貴方品質の仕事をする限り、どの組織でも同じだということ」。個性的な人材が揃っていたせいもありますが、結果として、"その人"がいるから継続的に仕事が依頼される状態にまでなったと思います。同社は、私が退職した今でも、その当時のお客様と20年近い御付き合いとなっていると聞いています。これは、継続できる関係を築けたということ。流行の言葉でいうと、"持続可能な関係"です。

独立して6年目。

一緒に仕事をする人々は、基本的に一国一城の主たち。ほぼ完成された人々です。勿論仕事に絡んで夜の街にも繰り出したりすることはありますが、基本的には精神的な懐は開くまでにはなりませんし、踏み込んで行くこともありません。悩み相談や指導するような場面もない。

経営は一時の事ではありません。お客様のビジネスがそうであるように、サービスを提供する側も継続していくことが重要で、それはサービスを提供する限りついて回る責任です。

"継続"は、いつまで?少なくとも必要とされていて、ビジネスが続いている間。。5年?10年。。いや創業100年の企業だってあります。今のサービスや製品を明日提供することと同時に、ずっと改良、提供し続けることも責任となれば、1世代ではなく後継する人材を育てることも責任といえます。

そう。

自分で経営し始めてから、"誰も育てていない"のです。困ったことに。

そして寂しさを抱く。


ただ、もしかすると、育てる必要はなくなっているのかもしれません。

ベテランだらけになってきたIT業界に対する一抹の不安
http://ascii.jp/elem/000/000/766/766619/

みんなまったく違う分野のスキル、勝負になってきているのかもしれません。

2013年2月18日 23:29

法律では守れない

先日のロシア隕石落下は驚きました。Youtube等で公開された映像は、終末系映画かと思えるような強力な光と爆音、衝撃波による建造物などの崩壊。。。怖いです。

一説によれば、国よっては隕石による死亡率が落雷は津波より高いというのは、さらに衝撃的です。http://wired.jp/2013/02/18/asteroid-odds/ 「LiveScinceによると、米国では、あるひとりの人生における死亡確率は、落雷が83,930分の1、隕石小惑星が200,000分の1、津波が500,000分の1 (同記事より引用)」ますます怖い。

そして、今回の隕石で世界に知らしめられたのが、ロシアの車の車載カメラの搭載率の高さ。やたらと多い車からの映像が公開されました。
http://wired.jp/2013/02/18/russian-dash-cams/
"ほとんど全ての車に"こうした車載カメラが搭載されている理由は、

「広大な国土に加え、職務怠慢な警察や腐敗が横行し、衝突事故で目撃証言が有利に働くことがほとんどない法制度のために、同国のドライヴァーにとって車載カメラは必要不可欠」(同サイトより引用)

なのだそうです。加えて、ロシアは日本の5倍交通事故による死亡者が多いそうです。

そういえば、イスラエルの車へのキーレス(リモート)エントリーシステム導入率も高かったと記憶しています。1996年時点で、ドアミラーがとれているようなボロ車にもリモートキーがついていました。これは、テロに利用されて、車を開けると爆発することに対する命を守る対策だったそうです。

これらは、知る人ぞ知る理由ですよね。そして、そうしないと身が守れない、あるいは、受け入れられない。法律等で規制しなくても、そうしたほうが社会が円滑に進むため知恵、自主的な工夫です。

車載カメラも、リモートエントリーも、法律だけでは守れないことを、別の方法で予防するために、編み出された暗黙値。必要に応じて生み出された自助努力あるいは自己規制。言い換えると裏の規制、あるいは裏ルール。

こうした自己規制は、法律が起きた後の対策とすれば、何か起こった後のことより、起こる前の予防の手法ということ。一種の抑止力です。

   *  *  *

自主規制とは異なりますが、最近、学校の裏ルールに関する記事が話題となりました。

「『学校裏ルール撤廃を』と生徒会...」
http://blogos.com/discussion/2013-02-17/school_rule/
私の高校時代は、これを「伝統」といっていました。
あるものは、上級生と下級生のトラブルを防止しているかもしれません。あることは、下級生の節度のためのようにも思います。時に伝統を破る猛者も現れたものの、特に反発する感情もなく、猛者が卒業すればまた「そうか」と受け入れていましたが、時代はやはり変るのですね。

ところで我が"実家"の裏ルールは、

 −お父さんの席はTVがよく見える場所。。。
 −お風呂は年頃の娘が最初で、お父さんは最後。。。
 −朝のトイレはお母さんが最初。。。

でした。それぞれに、秘密の根拠がありましたね。

2013年2月15日 23:36

選挙とインターネット

随分長く掛かりましたが選挙でのインターネット利用が解禁の見込みとなりました。夏の参議院選挙から利用が認められるように公職選挙法改正案がまとめられたと報道されています。

現行選挙法では、候補者の顔写真や政党の主張を伝える為に使用する「文書図画」は、はがきやビラに限定されています。公示(衆議院選挙、参議院選挙)あるいは告示(首長選挙、補欠選挙)で、立候補が受理されて投票日に向けた選挙運動が開始されると、ネットを使った選挙運動は禁止となり、例えば、それまでTwitterやfacebookあるいはHPで情報発信していた候補者や政党あるいは支援者も選挙運動と見なされそうな情報発信はピタっと停まっています。

すると、選挙運動はどうなるかというと、ご存知の通り、選挙カーによる大きな声でのお願い、新聞等と一緒に配布される選挙用のチラシ、駅前や人の集まる場所での街頭演説、TVでの政見放送などに限定され、そうした媒体を見ない人、見る習慣のない人々には、殆ど届きません。街頭演説がどこで行なわれるか?という情報も、許可された媒体=「文書図画」を見なければわからない。特に、ニュース等を携帯電話やスマートフォンで閲覧する若年層には、"投票日に向けた大事な期間になると情報が届かない"ということになるのが現実です。

実際、娘達の世代は、あまり新聞を見ていません。親としては、「新聞くらい見ろよ」といいますが、SNSやそこからリンクで導かれる電子版サイトで情報を仕入れることが殆どのようです。情報を届ける手段としてインターネットは太いパイプとなっています。選挙での利用解禁も必然的な流れといえるでしょう。今の時点で未来にどうなるか善し悪しはわかりません。

今度の改正により、どのように変わるのか。

まず候補者と政党。
公示・告示以降、投票期日まで、電子メール、短文情報発信(ツイッターなど)、交流サイト(フェイスブックなど)、ホームページなどのウェブサイトで、主義主張や街頭演説会の告知、選挙運動の活動報告など情報発信を行なうことができます。また、政党は、バナー広告を行なうことができるようになりますが、有料のネット広告は禁止とされています。

電子メールは遅れますが、送信者側のアドレス表示及び事前に送信への同意を求める通知を送る事を義務付けました。

そして、我々一般有権者ら=「第三者」は、ツイッター、交流サイトのフェイスブック、ホームページなどのウェブサイトで、特定候補・政党の応援はできますが、選挙運動のメール送信はできません。友達や仕事関係者などに、選挙運動のためのメール送信は禁止されました。

こうした制限が残されたのは、誹謗中傷が横行する懸念、候補者の「なりすまし」などの虚偽表示対策のためで、罰則も設けられます。

なりすましは、禁錮2年以下、罰金30万円以下の罰金。
送信側のメールアドレス表示を怠った場合は、禁錮1年以下、罰金30万円以下。

第三者のメール送信や、候補者や政党がメール利用規定違反
禁錮2年以下、罰金50万円以下

いずれの場合も、公民権の停止処分も課せられます。

隣の韓国ではインターネット選挙が進んでおり、なりすましについては、 書き込み者の"実名を確認した後に掲示を許す技術的措置を講じなければならない(実名認証制)"を義務づけるなど法整備が進められています。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0518.pdf

期待されるのは、メールやSNS世代の若年層への選挙情報が届き易くなることにより、関心が高まり投票率アップなどが期待されています。あらゆる場所で携帯やスマートフォンを見ている人が多いのですが、これまでの選挙中の利用制限だと、少なくともそうした人には選挙情報は届いていない筈でしたから、解禁によって電車の中で画面に目を落としている人にも、選挙関連情報が届くとすれば、相当大きな情報の到達度になる"可能性"があります。

「文書図画」では、例えば電車内で政党や候補者の主張や公約を比較しようと思っても、見ている内容で主義、主張、支持政党を判断されたりするのは、気持ちのいいものではないですし、場合によっては、なんらかのトラブルに巻き込まれないとも限りません。子供のころ先生から、親の投票内容をむやみに言ってはいけないと言われて育ったように記憶しています。
当時は法的に禁止されていると理解していましたが、「聞いてはいけない義務」(第138条の3)はあれど、秘匿の義務はありません。
「秘匿にできる権利」はあるのですが。
もしかすると、これはかつての政治的に不安定な時代の名残かと思います。
政党同士が衝突をくり返した時代の。。。。

参考:ネット選挙解禁、規制は海外に参考事例(Wall Street Journal)

2013年2月 8日 23:50

仮定質問・複合質問

「12日の午後空いてる?」

いつからか、この手の質問がキライなのです。空いてるかどうか答える前に、「どうしたの?」と聞いてしまいます。ところが、質問者も、「いや。空いているかどうか教えて」とくる。

無防備に、「空いているよ」と答えたら、気の進まないことを頼まれるかもしれません。でも、「空いていない」と答えて、「なんだ〜残念。。。」と何かの楽しいことや大事なチャンスを逃すのももったいない。

質問者は、こう聞いてもいい筈なのです。
「12日の午後、空いてるなら、一緒に映画にいこうと思うんだけど」
「12日の午後、空いてるなら、一緒に買い物につきあってもらいたいんだけど」
「12日の午後、空いてるなら、留守番をしてもらいたいんだけど」

空いているか聞くのは、何かを頼みたいからだというのは明白です。上のように、同時に聞いてくれればいいのですが、

「12日の午後、空いてる?」と聞かれると、空いてると答えた場合の、XXXの部分に、何か楽しくないこと、やりたくないことがくるのではという警戒をしてしまいます。 掃除とか留守番とか、苦手な人に会ってくれ、とか。

実は、訴訟の証人喚問では、単一質問されることが多いのです。裁判シーンのあるドラマでも聞き覚えがありませんか?

「あなたはX月X日X時頃、どこにいましたか?」
「誰といましたか?」
「これに見覚えは?」
「これはその時刻の監視カメラ映像です。ここはどこですか?」
「ここに写っているのは誰ですか?」
「先ほどあなたはその時刻、家に家族といたといいましたね?」。。。

追いつめられる感じがいやでしょ。

〜ならば、〜ですね?という質問も出てきます。
「あなたが上司に報告したなら、上司は認めたと思いませんか?」
これは、"上司に報告したら"という仮定のもとに、上司が何かを認めたという証言を引き出そうとしている質問ですが、これに対しては、
"仮定の質問には答えられません"ということができます。

それから複数の質問を含んだ質問。
「あなたが約束をやぶったのは、相手が約束を守らないと思ったからですね?"はい"か"いいえ"で答えてください。」

これには二つの質問が含まれています。
"あなたが約束をやぶった"という質問と、"相手が約束を守らないと思ったからですね"という質問です。"はい"と答えると、両方とも肯定したことになります。
訴訟では、これに対しても、"質問を分けてください"と言えます。
ただし、認められない可能性もあります。

  *   *   *

以前、家族に、
"あなたの聞き方は質問調だからキライ。"と言われていました。確かに、仕事でも言い訳めいた回答に対しては、単一質問で追いつめてしまう癖があります。質問されるほうは気分よくないですよね。気を付けてはいるんですが。

  *   *   *

「お姉ちゃん、月曜日忙しい?」
「忙しいよ。就活の説明会。」
「夜も?」
「なんでよ?」
「ライブに来て欲しいんだ。」
「何時から?」
「やった!来てくれるの!?」

姉妹のLINEでの会話です。
妹のライブを姉が初めて見に行くようです。嬉しそうな次女の顔が見えます。

2013年2月 1日 23:29

個人情報とプライバシー

あの日。2011年3月11日。
許可を得た人々の携帯から5分間隔で発信されていた位置情報がありました。

例えば、私の場合なら、自宅のある横浜市の家、最寄り駅、田園都市線、会社事務所のある半蔵門、昼間移動した渋谷、そして、地震に遭遇、動きがとれず渋谷で滞留、歩いて半蔵門事務所まで。。。こうした移動を5分おきに座標で発信し記録されていたのですが。。。。

当時はそれどころではなかったでしょうが、それらの位置情報を時間を追って地図上に表示し、24時間の人の流れを示す動画が示されました。1月23日経団連ホールで開催された日本経済新聞電子版カンファレンス2013 「新時代の課題~今改めて見直すプライバシーの定義~」http://esf.nikkei.co.jp/e/event.asp?e=00954 で、東京大学 空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授による冒頭のプレゼンテーションです。

以下、同カンファレンスで得た情報をまとめております。

この動画では、首都圏の朝、ゆっくりと動き始めた座標の数が徐々に増加し、昼にかけて活発な流れとなり、あの2時46分にピタリととまり、そして徒歩によるゆっくりな移動、交通機関の再開でまた速度が戻る様が再現されていました。

もしこれが当時利用できていたなら、人々がどうすればいいかの判断や交通機関の対策などに活用して、より早期の復旧と混乱・混沌の回避に役立てることができたかもしれません。

位置情報("緯度経度")単独だと、"何かが(誰かが)そこにいた"情報に過ぎませんが、"誰が"、"何時"の情報が加わると、"プライバシー"に変る可能性があります。"誰が"の情報は、氏名、住所、性別、場合によっては職業などですが、これは現在は"個人情報"と定義されています。
個人情報+どこに(位置情報)+何時+何を+どうした+なぜ?などが加わるとプライバシー情報になるのですが、それも一概に一括りにすると、別の不自由が出てくる場合もあり、「"プライバシー"の保護は、その課題に併せて考えて行く必要があるのではないか(前述セミナーの基調講演:ジョージワシントン大学 Daniel J. Solove教授)」と思えます。
同じデータの組み合わせでも、ある場合には、読み取って活用し役立てて欲しい情報になり、別の場合には、プライバシー情報として扱ってもらいたい場合があるのです。

実際我々も含めて企業の現場では、「個人情報とプライバシーが錯綜し、どうも欧州型の考え方の議論に引っ張られる(ヤフー株式会社 政策企画本部長 別所氏)」とも感じます。「まず、日本としてのプライバシーの考え方をしっかりと考え(同氏)」ていくことを先行すべきだと思います。

これらに関わる法律については、日本では個人情報保護法が認知されています。しかし、過敏に対応されているのではないかという意見も多く、「産業動向も踏まえたパーソナルデータの流通促進、活用と保護のバランス、グローバルな整合性(総務省 大臣官房審議官 谷脇氏)」を考慮した今後の見直しが進められています。

   *   *   *

プライバシーは、データ的側面からの一律な定義はそぐわないのではないかと感じています。あるデータのある組み合わせが一律にプライバシーにはならないということ。 例えば、"私"が、"家族"と、"今日"、"東京ディズニーランド"内に"いた" というデータ。 施設内では、近くのトイレや待ち時間の短いアトラクション、空いているレストラン、サプライズイベントの情報などを、教えて欲しい。そのためには、データをフル活用してもらいたい。

でも、同じデータを、仕事の関係者には知られたくない。プライバシーだから。。。

データそのものが、"プライバシー"になる場合と、そうでない場合とある。これが、プライバシーの最大の特徴であり、扱いや法制度にする場合に難しいところです。

ページトップへ

カレンダー
<< 2015年03月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28    
最新記事
20150331 法務はHOMEにやってきたのか?(最終回)
国が変れば法律も変る − 海外支店の税金計算(1)
偽ブランドを差し止めろ
仮想病院は近いか
領空の上の雲(クラウド)
最新コメント
自分はコスプレ許せな...
Posted by あまとう
Marinonさん 友人でた...
Posted by 万代
「今丁度タイミングが...
Posted by Marinon
hinataさんご無沙汰で...
Posted by 万代
お元気ですか?いつも...
Posted by hinata
最新トラックバック
[講演活動]全国WEBカウンセリング協議会
from 握一点開無限
他行宛振込手数料無料でセコロジー
from がっちりお得なセコロジー
思わずクリックしちゃうタイトル
from QuonNet研究所