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“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2011年8月

2011年8月29日 23:11

平等公平のグローバル

前回、台湾との租税条約がないので、利益に対して二重に課税される可能性があることを書きましたが、ビジネスにしても個人間にしても、国と国をまたいで行動することになると、様々な取り決めを整備する必要があると思います。

勿論、これまでも、旅券から始まって、査証、お金の持ち込み、持ち出し、物品ごとの関税、生態系保護のための検疫などなどの取り決めがあります。あるいは、事件を起こした犯罪者の引き渡しに関する条約、"犯人が高飛びする"という表現がドラマでも出てくるので、よく耳にしています。

こうした国際間の取り決めは、時に不平等な状態にもなります。
例えば、我々日本人は、どこの国にも比較的簡単に入れてもらえますが、他国から日本へ入るには保証人が必要だったり、招待状がないと入れない場合もあります。
あるいは、A国からB国への投資はやり易いが、B国からA国への投資は、事実上できないとか。

ただ、こうした一部の不平等には、それぞれの現実的な背景と事情もあります。
入国については、例えば、日本人は沢山お金を使ってくれるし、騒ぎを起こさないから安心なので、どこにでも入れるようになっていますし、反対に、国交のある某国からの入国は、不法滞在の実体があるために、厳しくなっている場合もあります。
関税についても、例えば、日本では米の輸入は、国内の農業保護政策と関連していますし、台湾と中国間で締結された両岸経済協力枠組み協定(ECFA) は、国家レベルの統一と独立という相反する目的への駆け引きの要素を持つ場合もあります。

最近よく耳にするのは、FTAやハーグ条約。
ハーグ条約は、国境を超えた子供の強制的な奪取連れ去りに関する条約で、日本は未加盟。(現在は国内法との整合性を調整し加盟準備中)
特に問題になっているのは、例えば、母親とともに、DVから逃げて来た場合にも、引き渡さなければいけない場合。感情的にも、子供の保護的にも、大きな問題があります。

韓国は、EUとの自由貿易協定を締結し、発効済みの各地域との貿易が7割増加したそうです。相手国によっては、貿易赤字が拡大したそうですが、"「チリとの赤字は拡大しても、韓国の消費者はワインを安く飲めるようになった。そういう消費者の損得と生産者の損得を足し引きしてプラスになればいい」"という味方も重要です。FTAによって、自動車の部品関税も撤廃されれば、他の輸入車例えば日本車より遥かに優位になります。

肉を切らせて骨を断つ。。。グローバルは、そういうことです。

2011年8月20日 08:45

国交

台湾には、親日の方が多く、現に、どこへいっても非常に親切に、接していただけます。 先の大震災では、なんと台湾一国から150億円を超える支援金を送っていただきました。これは、世界中から集められた中でも最高額。

ところで、最近、台湾での新しいビジネスのお話が進んできました。
内容はさておき、現地でなんらかのビジネスを進めよう、先行投資しよう、提携して進めよう。。。などと進んでいます。景気の悪い昨今の日本なので、少しワクワクできる話です。税理士さんに相談したところ。。。

「租税条約が存在しないので、みなし外国税額控除の適用はありません。日本側では、税法上、外国税額控除が適用される税目であっても、2重に課税されます。」


たとえば、台湾の誰かにビジネスを行うために出資して(この場合、金銭消費貸借契約)、以下のような名目で収益を挙げたとすると、それぞれ台湾の税率で課税されますが、さらに、日本での税率での課税もされるということになります。

【恒久的施設を設けていない営利事業に支払う場合の源泉徴収】
・配当 35%(外国人投資条例にもとづいて投資を行った場合20%)
・コミッション 20%
・利子 20%
・賃借料 20%
・給与 20%
・業務執行報酬 20%

仮に、利子名目で収益を挙げると、台湾での20%に加えて、日本での15%が課税されるので、合計35%の税金を両国に支払うことになります。
(因に、台湾側では、「国外において生じた所得について、その国で法人税を納付して いる場合には、納付内容の証憑を提出し認証を受ければ税額控除方式により国際二重課税が調整される」そうです。)


そう。
こんなによい関係なのに、同国と日本には、政治的には「国交」がありません。(背景については、政治的な理由ですので、ここでの言及はさけておきます)
国交がないので、前述の条約も締結されておらず、大使館もありません。大使館がないということは、外交官"黒田康作"がいないということですから、「邦人を守るのが使命」の人がいない状態。
以下のようなサポートを受けられる駆け込むところがないということになります。
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/1.html

これはこまった。。
が、実際には、民間の立場で支援をしてくれる組織があります。
交流協会http://www.koryu.or.jp/center/ez3_contents.nsf/Top
台北事務所(http://www.koryu.or.jp/taipei/ez3_contents.nsf/Top)では、パスポートや各種証明事務、安全情報などを提供しています。これがいわば大使館の一部の役割を行なってくれています。


台湾までは、羽田空港から台北市内への直行便が就航し、約3時間。安いチケットならば往復3万円。大阪にのぞみでいくのと変わりありません。ホテルも10000円出せばいいところに泊まれますので、息抜きにも、ビジネスにも、非常に身近なのです。

2011年8月14日 23:04

水辺の法律




2012年ロンドン五輪まで1年。「プレ大会」のトライアスロン会場「サーペンタイン湖」は、白鳥やカモなどの水鳥が多数生息していますが、「飛び込んだらドブの臭い」がしたと報じられています。

白鳥やカモが生息するということは、餌になる藻や小魚がいるということで、それなりに水質がいいのではないか?と思いましたが、実際には、これらの鳥たちと糞や藻による生臭さは避けられないようです。オリンピックに向けた水質浄化作戦で、泳ぎ易くなったという選手の声も紹介されてはいますが、蓄積した泥などもあるでしょうから、簡単に臭いを除去するまでには、まだまだ課題がありそうです。

   *   *   *

運動不足解消のため、早朝に近所の川縁の道を家内と散歩しています。
数年前まで、なんだか汚い川という印象でしたが、地元の努力もあり、随分と改善されてきました。

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約7000歩の道のりを歩くと、様々な生物に出会います。

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水面に影を映してたたずむのは、大型の河鷺(かわさぎ)。餌を待っているのでしょうか。約1時間の散歩で往復で2度同じ場所で出会いますが、堂々としている姿は、なかなか紳士然としていて見習うべきものありです。周囲には、少し小型の白鷺(しらさぎ)がいます。こちらは、水中を歩き回り、時には飛行して、周囲の民家の屋根までも遠征。全体に渡って生息しているのは、カモの一団。季節には、小ガモを引き連れた隊列がいくつもみられます。真っ黒い羽を持った、川鵜は、水中に潜って小魚を捕食しているようです。大きな鯉の群れは、あまりキレイでない水質にも住めるそうですので、川鵜が食べる小魚も、河がキレイになってきたことを示しています。
時折、視界に入ってくるのは、美しいエメラルドグリーンの羽を持ったカワセミ。飛ぶのが速いので目で追うのが大変ですが、「こんなキレイな鳥がいるのだから、水もキレイなのだろう」と思わせてくれます。

しかし、実際は、ロンドンの「サーペンタイン湖」と同じように、ドブの臭いがしています。あちこちから合流してくる"支流"からは、洗剤のような泡が混じり、紙くずやビニール、ペットボトルやガラス瓶、果ては自転車まで。そして流れは滞り、ヘドロが沈殿して"ドブ"の臭いがしています。

下水道法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33HO079.html)河川法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S39/S39HO167.html)では、河川保全区域をもうけ、河川に影響する可能性のある区域では、建築物の建設や土地の造成を制限し、排水等を流す場合には、一定の基準をクリアしなければいけないとしています。しかし、やっぱり積もり積もれば。。。。

それでも生物の生命力はすばらしく、散歩の帰りには、石の上で甲羅干をする亀の姿が、「このくらいの汚れは気にしてないよ」とでも、言っているようです。

   *   *   *

トライアスロンのスイムは、約1.5km。息継ぎする度にドブの臭いでは、好記録は期待できません。いや。。。早く終わろうと、逆に好記録が?

なんていっては不謹慎。
失礼。

2011年8月 8日 23:17

田舎からの小包

ピンポーン!「宅配便で〜す。」

実家の母から荷物だ。また季節の野菜や即席麺、歯磨き粉や米など、日用品を送ってくれたようだ。。。
まったく、いつまでも子供だと思っているんだな。。。おや?
荷物の間から、フウトウが落ちてきた。
短い文面の手紙。
そして、3万円の現金。。
「オフクロ。。。」

と、よくあるドラマの1シーン。



とある郵便局。

海外の友人へ頼まれて日本の雑誌を送ろうとしたところ、
「中に手紙等は入っていませんか?」
と聞かれました。

郵便法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO165.html)によれば、手紙(信書)は、"第七条 (検閲の禁止)  郵便物の検閲は、これをしてはならない。"によって、信書の秘密を守る扱いをされます。そのことも含めて料金が設定されていますので、小包に手紙を入れるということは、料金逃れになってしまいます。では、ドラマのシーンにあるような"短い文面の手紙"はどうなのでしょうか。

小包については、"簡単なあいさつ状"などを入れる事ができるようです。
http://www.post.japanpost.jp/int/question/54.html
これは、すなわち手紙(信書)をいれることはできないということになります。お母さんからのフウトウが手紙がどうか?

信書とは、"「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」(郵便法・信書便法「民間事業者による信書の送達に関する法律」)"とされていますので、厳密には信書なのでしょう。
しかし、厳密には開封チェックはしないでしょうから、もし紛失したり開封されたりしても、「料金も払ってないし、信書と見なされないよ」ということでしょう。

ただし、
"第八十四条 (料金を免れる罪)  不法に郵便に関する料金を免れ、又は他人にこれを免れさせた者は、これを三十万円以下の罰金に処する。"
なる可能性もあります。

"3万円の現金"のほうはどうでしょう?

郵便法では、
"第十七条 (現金及び貴重品の差出し方)  現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(第四十五条第四項の規定によるものを除く。)の郵便物としなければならない。" 

とされています。

こっちは明確に違法ですね。当然、料金も免れていますので、そちらの罰則も適用されますね。

   *   *   *

信書か、現金かという比較的平和な点ではなく、
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=41110
先の上海万博では、安全確保のため、小包の開封検査が厳格化されましたね。
受取人の本人確認の他、荷物の開封検査まで行なわれました。

危険物はもちろんいけませんが、母から送られてきたじゃがいもやたまねぎを検査されるのも、ちょっとだけ恥ずかしい気がします。

2011年8月 5日 23:58

番組比率

台湾で、「TV・ラジオなど放送で海外番組を規制する法案」が国会で可決される見通しです。これは、"現行自国制作番組が20%以下になってはいけないという内容を、40%以下に引き上げる"というもので、"文化や自主権を守ることを目的"とした改正とされています。
http://news.livedoor.com/article/detail/5753743/

時を同じく、日本のタレントさんが、Twitterで、とあるTV局の韓流ブーム(あるいは偏重)を批判して、結果的に所属事務所をヤメることになりました。その後も賛同意見、異論が報道されています。

難しいところです。

例えば、我が家でよく見るのは、メンタリスト(米国)、Cold Case(米国)、CSIシリーズ(米国)、刑事フロスト(英国)などのTVシリーズと洋画。。。仮に、放映される番組の国内比率が高くても、視聴する番組の国内制作比率では、国内番組は明らかに20%以下になっています。

この観点だけから見ると、TV番組を垂れ流しで、ぼーーーーっと見ているのでない限り、前述のように比率を制限するだけで、面白い番組、興味深い番組が国内で制作できない限りは、視聴者を通じての、"文化を守ること"には貢献しないような気がします。

非常に多くの人が情報源として、娯楽として、あるいは暇つぶしとして見るTVですが、私たちの親の世代以上では、「公共の電波に乗っている情報は、基本的に正しい。」と思っているように見えます。少なくとも国営放送では、正しい情報を正しく流しているはず。。。ですよね?
なのですが、実際は中立のつもりでも、制作者も人間である以上なんらかの意図が入って当然。支持政党寄り、右派左派、原発推進、脱原発。。。巨人を所有する読売新聞は、系列の日本テレビは、巨人の記事や放送が多くて当然。朝日新聞系のテレビ朝日は、その方向になって当然。営利企業であれば、スポンサーの意図や株主の意図が反映されてくる可能性は排除できません。
そういうものです。

この点に配慮して電波法では、外国人株主の比率を制限しています。
http://news.livedoor.com/article/detail/5738144/
最新の発表では、大手TV局2社がこの比率が規定を上回っているとのこと。

確かに、証券保管振替機構(ほふり)のサイトで外国人直接保有比率を見ると
http://www.jasdec.com/reading/for_pubinfo.php
フジテレビと日本テレビが既に20%を超えています。
ちなみに、同様な制限を受けるのは、放送局に加えて、インフラ会社、航空会社など、それぞれ、「航空法」「電波法」「放送法」「NTT法」で制限されています。

かつては、国を脅かすのは、他国による領土の侵犯でした。今でも、海上や空の上で領空を侵犯したニュースが時々出てきます。スクランブル発進の言葉は、そういうリスクや可能性があることを思い出させてくれますが、資本の保有による侵犯も気に留めたほうがいい時代になっています。

   *   *   *

ロシア語通訳だった故・米原万里さんは、エッセイの中のジョークとして、ロシアのTV番組のことを紹介していました。

「ソ連には、TV局は2つのチャンネルしかない。一つは、一日中、共産党の発表する情報を流している。人々が飽きて、もう一方のチャンネルに切り替えると、そこには、銃を構えた兵士が写っていて、こういうのだ。

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