QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2010年3月

2010年3月26日 20:36

世界を覗いていいんですか?

小説「ドーン」(Dawn 著・平野啓一郎) (http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20090618/1245257551)では、"散影(Dividuals)"と呼ばれる世界中に設置されたライブカメラと録画、そして映像から顔によって個体を認識するシステムにより、整形した顔も含めて過去と現在が検索できる世界が描かれています。プライバシーはカメラの設置されていないところにしかありません。が、それによってある程度の安心が確保されている世界でもあります。

今、現在でも。
"ライブカメラ"で、Google検索すると、世界中の公開されているライブカメラのサイトがヒットします。
http://www.google.co.jp/search?client=safari&rls=en&q=ライブカメラ&ie=UTF-8&oe=UTF-8&redir_esc=&ei=BKemS5-7JNGHkAW_z4VS

「タイムズスクエア」(http://www.earthcam.com/usa/newyork/timessquare/)は、音付きのライブ映像。4カ所がライブ中継され、静止画も含めると14番カメラまで設置されています。


「道路のライブカメラ」(http://orange.zero.jp/zad23743.oak/livecam/douro.htm)は、日本各地の道路を写しています。渋滞しているかどうかがすぐわかります。

そのうちの「首都高3号線」(http://www.nsw.co.jp/live/live_1.html)などは、カメラコントロールすることもできます。


「ライブカメラーウェザーニュース」(http://weathernews.jp/livecam/)では、録画ですが、各地のお天気がわかります。


「世界の窓」(http://www.sekainomado.com/)は、世界各地のライブカメラを集められています。


見ていただくとわかるように、現実のカメラはまだまだ、誰かを識別する精度にはなっていませんし、Googleのストリートビューで撮影公開されて問題になったように、固定記録(録画)されているわけではありません。従って、プライバシーが問題になるには、もう少し時間がかかりそうです。

前述の小説「ドーン」でも、プライバシーとセキュリティは相反する面を持っていることの難しさが描かれています。また、ECサイトやニュースサイトなどで、あなたに向けたお勧めの情報が表示される便利さと購入履歴や閲覧履歴など嗜好や行動性向(ライフログという言い方もあります)を記録されるプライバシーの面も同様です。

今やあちこちで目にし、同意している「個人情報」の先に、今度はプライバシーやライフログの扱いも個々人が選択し、注意を払うようになりつつあります。

2010年3月23日 14:08

「保護」のために、やめればいいってもんじゃない

区役所で用事をすませた帰り、車で国道246号に合流する信号を左折しようとしたときのことです。片側3車線の道路の横断歩道を足が不自由らしき人が渡り始めました。私の前の2〜3台の車は、(まだまだ歩行者はこちらまでこないから、安全だろう)と見なしたのでしょう、徐行しながら次々と左折していきました。私の1台前の車は、歩行者が道路の半分手前まで来ているのを見て、一瞬の躊躇の後、左折していきました。 さて、私はといえば、歩行者は丁度道路の真ん中です。道路は3車線分ありますので、歩行者に危険を抱かせずに徐行して左折できそうではあります。(どうしよう?)と迷ったあげく、待つ事にしました。

歩行者の方は、杖をつきながら一生懸命歩いて、横断歩道手前で停まっている私の車の前を通り過ぎていきましたが、そのときに、私のほうを見て、ウンザリする顔をしたのです。そこで私は気がつきました。「しまった!あまりに距離があるのに待ってあげたことで、焦らせてしまったのだ」

さて、私はどうすればよかったのでしょう?

インターネット教習所のサイトで、アニメーションによる歩行者保護の技能講習(http://menkyo119.com/public3/hokosya_mt.html)というのがあります。

上記サイトによれば、
「車は、交通整理の行われていない横断歩道を横断中または横断しようとしている歩行者があるときは、一時停止してその歩行者の通行を妨げないようにしなければなりません。(自転車横断帯を横断する自転車についても同じ)また、横断歩道の無い交差点やその付近を横断している歩行者の通行を妨げないようにしなければなりません。(中略)

(注)交通整理の行われていない横断歩道とは、信号機が無く警察官や交通巡視員の交通整理も無い横断歩道。信号機があっても、右左折時などにある横断歩道で、車も歩行者も通行できる場合は、交通整理の行われていない横断歩道となる。」

とあり、私の遭遇した例は、交通整理の行われていない横断歩道にあたります。


前述のサイトでは、横断歩道を渡ろうとしている歩行者に対してどうすればいいか?ということがいくつかのパターンで疑似体験できるようになっています。
歩行者保護とは、歩行者の安全・通行を妨げないことです。ただ停まればいいというものではなく、早めに減速して歩行者が安心して渡れて、自分も停止しなくていいという方法もOKなわけです。後続車もいますので、その状況も考慮して停止したり、歩行者を渡らせたりしないと、思わぬ事故を誘発してしまう可能性もありそうです。

法規が、
「保護」のために、"必ず停まれ"ではなく、"通行を妨げない"となっていることにより、その手段に工夫の余地があります。単純に停まるのではなく、減速して歩行者を先に渡すことで、後続の車も含めて運行を円滑にしているといえます。

環境保護でも、消費者保護でも、青少年保護でも、「保護」するために、文字通り危険や困難から「守る」だけでは問題は解決しないと思うのです。

***

ところで、待っていることの他に私がとれたで有ろう行動選択肢は、歩行者が来る前にサッサと渡るというのもありました。そうすれば、とりあえずは、イヤな顔を見ずにすんだのかもしれません。しかし、自主的に「待つ」ことが生んだ「余白」は、多少血圧を押さえてくれたかも。

2010年3月19日 22:23

インド法技術ODRセンターが開所

第9回のODR FORUM 2010が、6月2日、3日にアルゼンチンで開催されます。私は2008年のカナダ、2009年のイスラエルと参加したのですが、今年はちょっと微妙。予算が。。。泣

これまでスピーカとして決まっているのは、13カ国。(Argentina Canada España Egipto Holanda India Inglaterra Israel Polonia Singapur South Korea Sri Lanka USA)。特に、先日の国際会議で知り合ってODR FORUMに興味を持った韓国の教授が早々に参加を決めたのがとりわけ悔しい(というかうらやましい)

他国のODRのことは既に記事(法科大学院とODR http://www.quon.asia/yomimono/lifestyle/law/2009/11/16/2096.php)にしていますが、インドのChittu Nagarajanさん(http://www.odr.info/fellows.php)は、オークションサイトeBayのODRを開発していることでFORUMでも何度も発表しており、ODRを推進する一人です。ご存知の通り、インドはITや自動車でも注目されていますが、ODRについても着目されているようです。また、インドでは裁判所に訴えられている案件のバックログが、2,900万件(!)も溜まっているので、これらの解決を促進することも期待されています。
http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/JF28Df02.html

そんな中、インドでは、法技術ODRセンターが設置運営されるそうです。
Techno-Legal Online Dispute Resolution Centre Launched In India
http://www.mynews.in/News/Techno-Legal_Online_Dispute_Resolution_Centre_Launched_In_India_N40546.html

以下、記事の要約です。

ODRがインドで着目をあびてきている。電子商取引と電子政府は公的に法的に認識されている。
Online dispute resolution (ODR) in India is in its infancy stage and it is gaining prominence day by day. With the enactment ofInformation Technology Act, 2000 (IT Act 2000) in India, e-commerce and e-governance have been given a formal and legal recognition.

ADRは昔から公的にも法律に組み込まれてきていた。
Even the traditional arbitration law of India has been reformulated and now India has Arbitration and Conciliation Act, 1996 in place that is satisfying the harmonised standards of UNCITRAL Model. Even the Code of Civil Procedure, 1908 has been amended and section 89 has been introduced to provide methods of alternativedispute resolution (ADR) in India.

しかし、インドは伝統に捕われ、ODRや現代的な電子法定につきもののICTなど新しい体験には踏み出せていなかった。ここで幸いにも、紛争解決、トレーニング、教育などを行うための法技術ODRセンターが、Perry4law(インドで最初のIT法律事務所)によって、開始された。
However, India is clinging to its traditional core and is shying away from trying new experiments. India is not using information and communication technology (ICT) for dispute resolutionwhether it pertains to traditional litigation in courts in the form of e-courts or contemporary out of court dispute resolution in the form of online dispute resolution. Fortunately, the first ever Techno-Legal Online Dispute Resolution Centre of India has been launched by Perry4Law that would cater the dispute resolution, training, educational and many more such crucial requirements in India.

警察、司法化、裁判官、ADRやODRを含めた法律でのICTの利用トレーニングが不足している。インドの裁判官がICTを理解し、効果的に司法に利用するためのサイバー法のトレーニング、電子法廷のトレーニング、ADR/ODRのトレーニングが必要である。
There is a lack of training among police, lawyers, judges, etc regarding use of ICT for legal, judicial and ADR /ODR purposes. Judges in India need cyber law training, e-courts training, ADR/ODR training, etc that allow them to effectively understand and use ICT for judicial and ADR/ODR purposes.

ODRは多くの利点があるのだが、インドでは興味を対象になっていない。現在のセンターは訴訟のバックログが法廷の許容を超えた今、いい時に開始されたといえる。 もうとっくにインドの法廷は、ADRだろうがODRだろうが、裁判外紛争解決を推進しなければならない時期になっている。 紛争当事者が紛争を解決するためにODR /ADRを活発に利用するには最高の状況になった。
ODR has many benefits but it has failed to arouse interest of Indians. The present centre has been established at the right moment when backlog of cases has overburdened Indian courts too much. It is high time that the courts in India must also encourage out of court settlements whether through ADR or ODR. The best situation would be when the parties to the disputes actively use ADR/ODR for resolving their disputes.

とはいえ、まだまだ司法関係者のトレーニングから入るということなのですが、必要は発明の母、ものすごい勢いで発展しそうな予感。日本も負けられません。。。

2010年3月15日 17:34

オープンとクローズ/無料と有償/招待制と自由登録

さて、以下は最近出てきた「ECサイト(日本向け)」です。アクセスしてみてください。

http://www.gilt.jp/sale/men ギルトグループ(米国)
http://glamour-sales.com/members グラムールセールス(フランス)
https://www.brands4friends.jp/shop/Start B4Fブランドフォーフレンズ(ドイツ)

いずれも、ショッピングサイト、つまりネットで商品を販売するサイトです。これまでのショッピングサイトでは、アマゾンにしても、楽天にしても、ヤフーショッピングにしても、あるいはそれぞれの企業のECサイトでも、販売している商品を見る事は自由にできます。それは通常の店舗で、前を通った人がぶらっと入ってきて、何かを購入することがあるようにね。

しかし、上記のECサイトは、入り口で「あんた誰?暗号を言え!」と、言われます。ショーウィンドウにはシャッターが閉まっていて、覗く事ができません。「何を売っているんだろう?とりあえず入るか。。。」
「限定」によって、「入場」を増やそうという手法です。

一方で「コミュニティ」。
招待制が特徴の一つだった日本最大のコミュニティサイトMixi(ミクシィ)。これまでは、既に会員になっている誰かから、システム独自の招待メールを受け取らないと登録できなかったのですが、3月から単独で登録できるようになりました。ログイン画面には、"新規登録をする(無料)"というボタンが登場しています。携帯メールのアカウントも必要なので、無差別にどんどん会員が増えるということはなさそうですが、こちらは、「限定解除」です。

「新聞」も大きく動きます。
http://pr.nikkei.com/?n_cid=DSPRM030 日経新聞電子版
が、有償の電子新聞として創刊します。既に、購読料をとっていたWSJ(ウォールストリートジャーナル)に加えて、代表的な無料モデルだったニューヨークタイムズもついに有料化に踏み切りました。

これまで、インターネットは、自由なメディアとして、無料、オープンの流れが主流でした。一方、それは、無秩序を生み出すリスクを持っています。コミュニティでは、それを抑制するために、招待制をとってきました。

「無料」とは、インターネットを経由する利用者にとっての無料ですが、情報提供やサイトの運営を維持するためには原資が必要です。新聞やコミュニティの「無料」モデルでは、閲覧数に応じた広告料が収益となっていましたが、新聞はついに記事自体を有料化する方向に動いてきました。そもそも、紙の新聞は有料だったわけですから、情報そのもので料金を取る方向は、(ビジネスの成否は未だわかりませんが)王道ではないかと考えます。
一方、コミュニティは、広告を維持するには、招待制では登録できなかった参加者を招き入れて、会員を増やし、広告価値を向上させようとする方向です。

3つの会員限定ECサイトは、単に来場者を増やすのではなく、限定した来場者に、限定した商品を提供して購買率を向上させ、収益に繋げようということでしょう。

無料から有料へ、限定から公開へ、公開から制限へ。
大きなふれ幅ですが、これによって、利用者の関わりも少し異なってくると思います。あまり、読む機会のない利用規約などを、このタイミングで再読してみようと思います。

2010年3月12日 21:32

インフォームドコンセント

私は2003年に手術をして、その後も再発の早期チェックのために3ヶ月に一回CTスキャンやMRIの検査を受けています。もう7年目に入るので、ざっくり数えても術前を含めるとこれらの検査を30回は受けているわけです。もうベテラン?

次回の検査を予約すると、検査前の説明コーナーに行きます。ここで、専任の説明者の方が、当日の手順や前日までの食事、水分の摂取とその最終時期など様々な注意事項を詳しく説明してくれます。これは、「病気への不安」だけでなく「検査への不安」もある我々には、とてもありがたいことです。

***

ところで、この説明の最後に、「当日までによく読んで1枚にサインをしてくる」ように「同意書」と呼ばれる書類を渡されます。これが所謂インフォームドコンセントと呼ばれる書類で、中には結構怖い事が書いてあります。例えば、造影剤を使用することについてですが。。。

・何とか薬の副作用があり、ショック症状を起こすことがある
(ええ?)
・重い副作用が起こることがある
(えええ?)
・ショック症状まれに心肺停止、まれに死亡(!!)することもあり得る
(マジですか?)

そして、最後に
「上記の内容につき十分な説明を受け、了解しましたので実施に同意いたします」
とあり、サインと捺印をするようになっています。

さて、このサインはどういう意味を持つのでしょう?
・リスクの説明を受けたこと?
・リスクの説明を理解し納得したこと?
・その上で検査を受けることに同意したこと?
実際に説明を聞いていると、先入観もあり、さらにこんな風に感じてしまいます。
・リスクを理解して受けているのだから、何かあっても文句いわない。。。

だとしたらサインはできませんよね。事実、私の場合も手術前に聞けば聞くほど、先生の回答はリスクを明確に意識させ、手術することに同意できなくなってしまったのを覚えています。

さてこのインフォームドコンセント。
先行したアメリカでは、その意義を、"医療の一連の行為の中で、考えられる複数の処置について、医師がその義務として患者に十分に情報を与えた上で、それについて(患者が)何を選ぶかを決定するシステム"と"刑法の傷害罪不成立のために患者の承諾が必要"と定義しています。http://www.geocities.jp/ykowatajp/y/ic/informed_frame.html(日本型インフォームド・コンセントの意味と課題  ~情報と患者の人権への考察の序論として~)

一方、導入前の日本では、"当時(昭和40年代頃)まで残っていた、治療や手術の際の承諾書というと、治療費や入院料を取り損なわないようにサインさせておくという意味がひとつ。もうひとつには、どんなことが起こっても医者は責任をとりませんということをあらかじめ患者にわからせておく"。(注)
という、まさに"文句言わせない"承諾書だったのだそうです。

勿論、現在の合意書では、そのような文言はありませんし、"医療行為の責任はあくまでも医療者側にあります。決して患者に移るわけではないのです。"と述べられているように、責任を回避することではないようです。

患者からすると、日本は米国ほど個人が自立的に決定するやり方が適しているわけではないので、提供された治療方法の情報に基づいて患者が選ぶというのではなく、お医者さんがいいと思う順番はこれこれで、ただ、それには何々のリスクがあって、次の方法はこれこれで。。。というように、対話を増やしていくやり方がいいなと思っています。

***

今日はあまりに説明の待ち行列が長かったので、「もう何回も受けているので説明をパスしたい」と看護士さんに申し出ました。看護士さんは、「説明書をよく読んできてください。」と注意事項を書いた用紙を渡してくれました。

「自己責任」という言葉を交えて。。。。 あれ?

(注)http://www.medsafe.net/contents/special/23bai.html(医療安全推進者ネットワークの記事で述べられている過去の日本の実情)

 1  |  2  | All 次へ >>

ページトップへ

カレンダー
<< 2015年03月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
20150331 法務はHOMEにやってきたのか?(最終回)
国が変れば法律も変る − 海外支店の税金計算(1)
偽ブランドを差し止めろ
仮想病院は近いか
領空の上の雲(クラウド)
最新コメント
自分はコスプレ許せな...
Posted by あまとう
Marinonさん 友人でた...
Posted by 万代
「今丁度タイミングが...
Posted by Marinon
hinataさんご無沙汰で...
Posted by 万代
お元気ですか?いつも...
Posted by hinata
最新トラックバック
[講演活動]全国WEBカウンセリング協議会
from 握一点開無限
他行宛振込手数料無料でセコロジー
from がっちりお得なセコロジー
思わずクリックしちゃうタイトル
from QuonNet研究所