QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2009年10月

2009年10月30日 19:28

やっと追いついたODR

この記事を書いているのは、大阪に向かう新幹線の中です。この春くらいから、東京ー新大阪間を走るのぞみのうちN700系車両では、無線LANが無料で使えるようになりました。速度も快適で、Skypeなら、ビデオチャットも可能です。便利な世の中になったものです。

さて、オンライン紛争解決のコミュニケーションは実際にはどのような方法で行われるかご紹介します。

現在、主流なのは、非同期方式。一番シンプルなのは電子メールです。そして、多いのは、掲示板方式です。これらは、当事者および中立的な第三者が、発言を事前に吟味できること、距離の問題を解決するとともに、それぞれの都合に合わせた時間に書込むことができますが、進行に時間がかかります。

もう一つは同期方式。こちらは、動画、音声および文字チャットですが、反対に当事者も仲裁者も同じ時間に参加しなければいけないので、時差がある場合や時間の都合がつかない場合は大変です。しかし、顔や声が聞けるため当事者や仲裁人の反応がわかります。特に最近では、ブロードバンド環境が充実し、現実的な方法の一つになってきています。


そして、毎年行われるODRイベントの一つ、CyberWeekで、ついに出てきたのが、オンラインリアルタイムで、ミディエーターが紛争解決を行うサービスサイトです。
その名も、「MediateMe.com」。運営するのは、米国ミズーリ州の会社です。
http://www.mediateme.com/cyberweek
MediateMe.com is an online marketplace connecting mediators from all backgrounds with disputing parties to facilitate quality resolutions for any type of dispute.


このサイトは、前述のODRの主な方法がすべて活用されています。
紹介ビデオ(英語版)を見て見ましょう。

サイトに登録する人は、仲裁・調停者(メディエイター)と紛争の当事者。メディエーターは、自分の提供可能なトータルの時間と対応分野、料金、スケジュールを入力しておきます。申し立て人は、自分の申し立てる内容と解決に向けての自分の立場からの要望を「アイデア」として登録します。同時に相手方の連絡先となるメールアドレスを登録すると、自動的に電子メールで相手方に連絡が送られます。メールを受け取った当事者は、サイトにアクセスすると、自分に対する申し立て内容が見られますので、これに応諾する場合は、反論や言い分と、こちらも自分の立場からの「アイデア」を書き込みます。ここまでは、非同期なコミュニケーションで、電子メールと掲示板でのやりとりになります。
ここで、第三者に調停をしてもらいたい場合には、サイトに登録してあるメディエーターのリストから、双方が合意できるメディエータを選びます。すると、メディエーターに「調停依頼」がメールされ、紛争内容を確認して調停人による話し合いが始められます。

ここからは、オンラインビデオチャットで、双方およびメディエーターの顔を見ながら、会話しながら、解決への道を模索していくようになっています。

利用は基本的に無料だが、メディエーターがフィーを設定すると、有料になり、支払はクレジットカードで行えます。ミディエーターは、フィーの一定割合を手数料としてサイトに支払います。

最初にODRという言葉を聞いたときにイメージしていた形が実現してきたようです。

2009年10月26日 23:23

オンライン不動産探し

現在の事務所は都心でアクセスもよく、値段もそこそこ、便利なのですが、いろいろあって事務所を引っ越すことにしました。

インターネットの恩恵は事務所探しにも顕著です。
数多有る賃貸物件のサイトから、CHINTAI(http://www.chintai.net/tokyo/search/index.do)を選択し、沿線、最寄り駅、駅からの距離、上限家賃などをチェックして検索すると、要望を満たす候補を探し出して一覧表示してくれます。検索結果は、要望通りの案件ばかりで、物件をクリックすると図面、外観、設備、地基金、礼金、その他の設備の状況が表示され、気になる物件はブックマークしておけば、あとで確認することができます。問い合わせのボタンを押すとメッセージを入力できるフォーム画面が表示され、必要事項をクリックして送信すると、2~3時間で担当の人からのメールが返信されてきました。

物件見学のための訪問の約束をして事務所にいくと、既に2~3回はコミュニケーションをしているので、既にある種の信頼関係が醸成されているような気がして、話しをしやすい上に、こちらの条件にあった物件をいくつか見繕っておいてくれました。 そして驚いたのが、「他社物件でも、いいですよ」ということ。不動産やさんに関わっての引っ越しは私生活を含めても23年ぶりなので、その不動産屋さんの管理物件の中から選ばれるのだと思っていたのですが、ネットワークの時代、はたまた厳しい経済環境では、どんな経路で入ってきてもないよりはマシということなのでしょうか。そして、結局は伺った不動産やさんの管理物件ではない案件に決定しました。



しかしココからが契約交渉。私としては、物件は押さえておきたいものの、入居、契約は準備が出来てから無駄なく行いたいと思っています。しかし、大家さんは一日でも早く家賃を発生させたいと考えます。こちらとしては、借りた後入居までの家賃はなるべく少なくしたい。そこで、交渉となるのが、礼金です。ご存知の通り、部屋を賃貸すると、入居に際しては、家賃の他に、敷金、礼金、手数料などが発生してきます。実際に駅前の不動産さん店舗のガラス面に表示されている物件表には、敷1、礼2などと書いてありますが、これが結構くせ者です。数字は月数。前述のように書いてある8万円の部屋を借りると、前払い家賃8万+敷金1x8万+礼金2x8万=32万の初期費用が必要になります。敷金は退去時の原状回復費用の一部に充当されますが、礼金は大家さんや不動産屋さんの収入になるのです。

layout.jpg


ところで最近はこんな論議があるようです。
マンションの更新料は消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する契約は無効)に基づき、無効


これまで、当然とされていた更新料が無効という判決が、京都地裁および大阪高裁から出たのです。記事内には、更に「新たに問題となる可能性があるのが「礼金」だ。実は更新料よりも根拠が脆弱だ。」などとの見解もあるようです。借り主から見ると、ただでさえ物入りになる引っ越し時に、家賃の3倍も取られるのは苦しいですから、ありがたい流れではありますが、サブプライム破綻の影響もありまだまだ厳しい不動産業界。それによって、運営が厳しくなり、家賃が高騰したり、保守管理が悪くなったりするのも困ります。"利益を一方的に害する"契約をしていない良心的な大家さんにも一律に適用され、違った不利益が消費者に降り掛からないことを願います。

2009年10月24日 15:31

OECDの中のODR  ~OECDにいってきます~

OECDってご存知ですか?名前はTVのニュースなどでよく聞かれるのはないかと思いますが、そもそも、英文字の3文字、4文字の略称はいっぱいあって、いちいち覚えていられないですよね。
OECDとは、
「"Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構"の略で、本部はフランスのパリ。~1948年4月、欧州16か国でOEEC(欧州経済協力機構)が発足~その後、欧州経済の復興に伴い1961年9月、米国及びカナダが加わり新たにOECD(経済協力開発機構)が発足しました。日本は1964年にOECD加盟国となりました。」
そして、
「先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援」を行うことを目的としています。

経済産業省のサイト(http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/oecd/html/index.html)より

OECDとODRがどのように関わるかというと、国をまたぐ国際電子商取引のトラブルの解決手段として、ODRが有効な手段を考えることができるからなのです。そして、OECDの課題の一つに電子商取引の紛争解決があり、ODRはその有効な手段とされているからです。

例えば、私が米国のオークションサイトから、日本では売っていないDVDを$30(約3000円)で購入したとしましょう。待ちこがれた品物を開封したら、なんと間違ったものが届いた。。。クレームして返品しようと交渉したものの、送料はコチラ持ちと言われたとします。間違えたのはそちらだから、送料は負担せよと思うのが当然しかし、相手も送料負担が大変なので、頑として譲らない。。。これに合意しないと返品の話しが進みませんから、泣き寝入りしそうになります。しかし、なんか「クヤシいです!!」
そうかといって、3000円のために裁判などを起こそうものなら、裁判費用でとんでもないことになるでしょう。しかし、このままでは気がおさまりませんし、相手が何事もなく取引を続けているというもの納得がいきません。そんなときに、オンライン上で紛争解決を行うODRは、有効です。既にオークションサイト
eBay(http://www.ebay.com/)では、Rsolution CenterというODRが提供されています。

ここ10年の間に、大きく変化してきたことの一つに、インターネットがあります。アナログ電話回線による従量課金のダイアルアップから、大容量のADSLライン、利用料金は固定額が広まり、光ファイバーによる100MB超えの回線が、先進国を中心に普及しています。このようなインフラの充実に伴って、高品質の画像や動画など多くの情報がストレスなく送受信できるようになり、ネットで買い物をする電子商取引(eコマース)が急激に広まってきました。同時期に、金融危機の影響などで悪化した経済状況と、市場飽和により頭打ちとなった国内経済から、海外に目を向けた国際電子商取引を行う企業も多く出現しています。セキュリティ対策など、いくつかの問題も指摘されてはいますが、もはやこの流れはとまらないでしょう。

OECDでは、1999年に電子商取引に関するガイドラインを採択し、多くの加盟国がこれを参考に、eコマースに関する法律や指針を策定し運用しています。しかし、この10年大きく進化したインターネット環境の上で、eコマースも変化し、1999年には、重視していなかったこと、想定していなかったも起こってきています。

今年12月に米国ワシントンD.C.で開催されるOECDのテーマは、「OECD Conference on Empowering E-Consumers(電子商取引の消費者を力づける、権利を強化する)」 
と題され、「過去10年の電子商取引の地球規模での発展を振り返り」
「今後、なにが越境取引の拡大を妨げるのか?」
「向こう数年で、どのような変化が期待されるか?」そして
「期待や課題にどう対処していくべきか」
が、報告され議論されます。

具体的な項目では、国際基準や規制、広告、決済、携帯メディア、子供の保護、電子コンテンツなどが議論される中で、ODRは特に、紛争解決や消費者保護の部分が関わってきます。以前にも紹介しましたICA-Netについて、関係する教授が報告することにもなり、特に、前回のガイドラインから10年経ち、大きな見直しの契機になるだろうと考えられているため、報告書もバッチリ書かないといけません。

昨年ワシントンD.C.に行ったときは丁度大統領選の直前で、ホワイトハウス周辺も警備が厳しく、工事中も多かったので、今回はじっくりと付近探索もできるといいと思っているのですが、スケジュールが許してくれるかどうか。。。。ということで、準備しなくては。

2009年10月19日 09:35

もしかすると"あえて"?~国土交通相のKY的戦略~

国土交通大臣が、ダムに続いて空港でも地方自治体との対立を演じています。詳細は、ダムや羽田空港のニュースを参照していただくとして、どちらにも共通しているのは、各地方の利害関係者との「ネゴなしに施策を公表し」、これに対して、「相談なしにいきなり提示された」「これまでの地元の苦労や犠牲はどうなるのか」「結論ありきでは応じられない」と、"これまでの経緯や現場の意向"を、読み足らずに進めていることへの抗議となっていることです。いわば、"KY"な訳です。

(予めお断りしておきますが、私は民主党そのものやその個別の施策の是非を議論したいわけではなく、あくまで、施策のめの議論・論争解決の手法として、取り上げています。)

前のエントリーで、KYの出現は日本人のDNAの変化かも?と書きましたが、もしかすると、国土交通大臣もこの変化の中にいるのかもと思うのです。無意識かもしれないし、意図的かもしれない、それはわかりませんが。

いや、じっさい。
自分が国家の方向性を任されたらと考えてみます。そして、羽田空港の国際ハブ化は、「将来の国益」にかなうと結論づけたとします。さて、それを推進するためにどうするか?この件については、当事者でもなく、政権として関わってきたわけでもありませんから、どうしても、現場・地元の意見を聞きたくなります。まずは"内々に"として、関係者や地元首長の意見を聞きにいくでしょう。するとどうなるか。

「これまでの地元住民の闘争、苦労と犠牲」を伺い、「地元自治体の経済的損失」を陳情され、将来の国益にとっては、2番目あるいは3番目の方針に代えてしまうかもしれない。または、地元とのネゴのための話し合いを余儀なくされ、ズルズルと方針を公表できないまま、時を重ねてしまうかもしれません。

この方法だと、意見の一致は見て気持ちよく一丸となって進める状態になるのかもしれませんが、「時既に遅し」あるいは「中庸の無難な」施策を実施し、新たな50年闘争を行ってしまいそうです。

  +   +   +

和を以て尊しは、日本そのものかもしれません。私もその美しさが好きです。しかし、井沢元彦氏がいうように、論理的な矛盾も含んでいます。『「話し合いで決めれば、いい意見が出る。皆で決めたことなのだから、必ず達成できる」は、競争や他との利害がなければ、真実になるかもしれませんが、国際関係ではそうはいきません。「次回のオリンピックでは、金メダル1を10個とろう!」と皆で決めても、捕れることにはなりません。』(井沢元彦 井沢式日本史入門講座より要約)



ところで我が娘も、「反抗期長いな。。。」と思っていたのですが、実は、進化的KYなのかもしれないと思い始めています。そのように育てたつもりはまったくないのですが、この変化はもはや止められないのかもしれないなと、少しだけ感じています。

2009年10月16日 13:41

住人のためのオンライン紛争解決支援&コミュニケーションツール

 マンション生活では、居住者が隣接して居住している一方で、入れ替わりも頻繁であり、それ故に対人関係が疎遠になる傾向があります。こうした環境では、日常の暮らしの細かな事を、気軽なご近所付き合いの中で相談する場は必ずしも用意されていません。ペットや子育て、臭いや音、部屋の修繕、喫煙などで近隣に影響を及ぼす場合でも、コミュニケーションの不足から住民同士のすれ違いが多くなり、相隣関係紛争*1と呼ばれる小紛争に発展してしまいます。しかし、当事者は、近隣で有るが故に、できるだけ穏便に解決することを望みます。そのため、直接苦情を言うことは少なく、結果的には、ガマン、泣き寝入りになり、無意識の遺恨を残していることが多いと考えられます。


マレーシアで、そんな住民専用のツールが提供されはじめました。
マレーシアの高層アパートメント居住者専用のコミュニティツール


(記事概略)
「近隣住民同士の苦情処理は、混乱を招きがちです。同じ事に、複数の人から別々の立場で苦情がある場合や、急激にしかも一時的に集中して発生する場合には特にその傾向があるようです。」

「どこからかヘンな臭いがするんですが。。。」
「ウチのベランダから臭いが入ってきます。」
「Aさんのお宅の方面からじゃないですか?」
「私じゃありません。Bさんこそ!!」

「クアラルンプールの高層マンション住人で、協同管理組合のメンバーでもあるAdrian Teh氏は、これらの苦情を受付て、人々の関係をもっと近くして、解決を支援しようと、「Highrise」とよばれる、住民専用のWebシステムを開発し、利用者に無料で提供を始めました。」

「このシステムには、居住者のみがアクセスできます。もちろん問題解決だけでなく、いろいろな情報交換にも使えます。例えば料理のレシピを交換したりね。 それから、休みの日にどこかに遊びにいこう、なんている情報交換もできたら、もっとご近所がお互いを知る事ができるようになるんじゃないかな。」

システムを利用している居住者の一人は、
「今はみんなFacebookのアカウントなんかを持っているしね。マンション専用のコミュニティがあるのも当然でしょう。今までは、苦情があっても、管理事務所の空いている時間に電話するか、出向くかしかなかったんだけど、今度はいつでもいえるし、情報提供もできるし、いいじゃないかな」

日本国内でもオンラインでの相談や紛争解決的なサイトがいくつかありますが、知られているのは、無料の匿名掲示板が多く、質問に対しての回答が「荒れて」いるものが目につきますし、時には質問や相談自体が、あえて「釣り」と言われる荒れやすいものであったりもしています。

クアラルンプールのシステムでは、登録時には実名でかつ居住者であることを示す情報が必要で、管理者による審査を経て初めてシステムが利用できるようになっています。ODRのポイントの一つは、発言や回答に責任を持たせるための、「非匿名性」が基本といえるようです。

*1 相隣関係紛争およびその他の近隣紛争
  相隣関係紛争とは、所有地が隣り合う所有地との権利関係(隣地の使用、流水・排水、境界、竹木の剪除、境界付近の工作物)で受ける制限が原因となっておこる紛争をいいます。また、その他の近隣紛争とは、日照や通風、騒音、煤煙、臭気、照明など、所有地の権利以外の要素が原因となっておこる紛争です。

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