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“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2008年12月

2008年12月26日 15:56

日本のODRは相談段階

 我が国でも、2000年前後に、複数のODRプロジェクトが進められた時期がありました。インターネットで検索すると今は実施されていないそれらの残骸?が目につきます。もちろん、オンラインによる紛争の申し立て(法務省のオンライン申請)はできるようになっており、一定の成果もあるようです。

紛争解決まで行っている機関もあります。ECネットワーク(早稲田OB!!)です。電子メールを使って、小規模の紛争解決をオンラインで行い、国際的なプレゼンスも確立してきています。


日本はまだまだ本格的にオンラインで紛争を解決するまでには至っていません。しかし、法的な相談をオンラインで行える段階にはなっています。多くの弁護士事務所がオンラインの相談を行い、弁護士が参加するオンライン相談のポータルも複数存在しています。



そういえば、以前にレポートしたICA-Netも、SNSを利用したシステムです。
招待制をとるSNSは、非公開を原則とするトラブル相談や紛争解決ひいてはODRに向いているのかもしれません。

2008年12月22日 15:29

ついに!?SNSとODR 世界のODRは?

こんな記事がありました。
"SNS経由で裁判書類送付、裁判所が認める オーストラリア"
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2550244/3618658
12月17日 AFP】オーストラリアの弁護士事務所は16日、裁判関係書類を被告に通知する手段として、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)を利用したと発表した。同事務所は、この手続きを世界初だとしている。

他に接触手段のない相手方への書類送付手段としてSNSが認められたということですが、裁判所の判断も画期的であるとともに、それしか接触手段のない人が出てきて、しかも、弁護士もその手段を持っているということは、それだけSNSが浸透したということ、パワーを持ってきつつあるということなのでしょうか。



さて、ODR(Online Dispute Resolution オンライン紛争解決)は、海外ではどのような状況になっているのでしょう。

第7回ODR Forumのチェアマンを努めたフランクフォーリー氏が,法律家の週刊誌に語った「仮想法廷の日々(ODRはどのようにADR実務を転換できるか?) [Your virtual day in court: How online dispute resolution is transforming the practice of ADR](By Gary Oakes Victoria August 15 2008) 」という記事がありました。以下、部分的に抜粋要約したものをご紹介します。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
As Frank Fowlie put it, "the possibilities are endless" ― and, they're green.
He believes that ODR will have a fine future but it's not about to replace the existing justice system.
ODRの可能性は無限でしかも環境にも最高です。でも、既存の法律システムにとってかわるものではないのです。

"I think anything criminal in nature will have to be done in the courts [as will] large-value suits, but certainly things like small claims [matters and] a lot of family law issues could be done on line [as well as] suits arising from commercial transactions.
"It's definitely a greener technology as opposed to courts because there's not a lot of paper. Depending on the type of platform that's being used, there's instantaneous document retention."

犯罪は、法廷で裁かれないといけません。でも、小規模の訴えや、家庭裁判とか商務紛争はオンラインが適しているのじゃないでしょうか。法廷の仕組みに比べれば、紙を沢山ださないし、絶対環境にもいいのです。

He thinks of ODR as "the next step to traditional ADR, or Alternate Dispute Resolution, which has been conducted face-to-face." And it's not just for commercial transactions. One of the speakers at the forum was talking about using ODR "in the context of world peace [or] interstate conflict."

ODRはADRの次のステップでしょう。フォーラムでは、商業的なものだけでなく、国内紛争の解決や平和のために使うという発表者もいました。

Fowlie pointed out that eBay deals with 40 million disputes a year and "the cost for that is built into the transaction fee..."
eBay(米国最大のオークションサイト)では、年間4000万件の紛争を無料でこなしているそうですし、

In Singapore, he said, the small claims court system is entirely on line. "All filings are done [electronically and] it's a virtual court. Magistrates review the material and render decisions online. Nobody has to appear. That's wonderful." 

シンガポールでは、小規模の法廷システムは全部オンラインです。判決もオンラインで知らされ、法廷には誰もこなくていいのです。素晴らしい!

With such a system people don't have to take time off work or get a babysitter to look after the kids while they're in court, he said. As well, it doesn't add to the demand for more court and document storage facilities. And they can fill out the forms at their convenience.

仕事休む必要も、ベビーシッターを雇う必要もないし、裁判所もスペースをとらなくて済んでいます。申し立てする人も好きな時に申請書をかけばいいのです。

He explained that in a situation "where you... have a purchaser in one country, a vendor in another... and a sales platform in a third, ...to seek redress through a court-based system [it] may be, first, extremely difficult to determine who has jurisdiction. And secondly, if the jurisdiction is off shore for one of the parties, [it can be] very expensive. So Online Dispute Resolution [enables] the parties to initiate their own redress."

あなたが、ネット通販で別の国のベンダーから購入して、システムは他の国にあったら、どうやって裁判にしましょう?最初に、どこの管轄にするのか決めるのも大変です。次には、管轄が他国になっちゃたら、すごく高く付いてしまいますね。ODRなら自分の方式で始めることも可能なのではないでしょうか。

ODR is particularly effective "when you've got people in different jurisdictions or different time zones. If you're a party to mediation and the other party is in India, the chances of you actually being in each other's workday are fairly minimal. But if you're dealing through a mediator or an on-line platform, you can each enter your own information when it's convenient for you."

もちろん時差の問題も解消できるかもしれません。

He also believes the insurance industry "is absolutely ripe" for such a system. In disputes over the quantum of payment, "if they were to invest... in systems where there could be a blind bidding approach on line using technology where they could come to a zone of possible agreement quickly... there would be huge savings." 

保険産業のように成熟しているところには特に向いています。システムが、双方が同意できる金額にくるまでコントロールしてくれるシステムも可能でしょう。

**********

移動時間、拘束時間、危険回避、そしてひいては環境にいい、etc.ODRの有効性は、もう随分と言い尽くされています。あとは実務への適用を進めなくてはいけないフェーズになっているのではないでしょうか。


では、日本のODRはどんな状況になっているのでしょうか?



2008年12月19日 12:16

マンションベランダからの副流煙

 健康増進法により、殆どの公共施設や公共の交通機関では、喫煙をする場所が制限されています。多くは、完全に禁煙としており、喫煙の場合でも明確に区分された場所で、場合によってはガラス張りの区画された部屋の内部のみで喫煙ができることも少なく有りません。歩き煙草などもマスメディアでの嫌煙キャンペーンの広告により以前よりグッと少なくなっている気がします。(パチンコ店も分煙、禁煙が進みつつあるようです)ただ、実際には、副流煙の度合いは減ったものの、コーヒーショップや駅などでも完全に煙が遮断されているわけではなく、やはり煙たい状態です。しかし、思ったよりそれに目くじらたてる声は聞いた事がありません。

厚生労働省国民健康栄養調査(平成18年調査)より引用。
男性の喫煙率は39.9%で、平成7年より減少してきており、平成17年度に初めて4割をきっています。女性の喫煙率は10.0%で、男性に比べ、平成元年より9~12%の間を上下しながら漸増しているものの、日本人全体の喫煙率は23.8%で、年々減少してきています。


一方、議論が噴出しているところもあります。それは、分譲マンションなどのベランダからの副流煙です。ベランダで煙草といえば、"蛍族"という言葉が1980年代からありますが、あらゆる公共な場所での分煙が進む中で、特殊な場所として着目されています。

ベランダは共有部か占有部か?
健康増進法では、分煙措置の義務を管理者に課していますが、ベランダは、条文の「多数のものが利用する施設」に入るでしょうか?一般的には、ベランダは共有部となっており、施設の位置づけとしては、多くの人が利用するともいえそうですが、実際には個別に契約された占有住居部分からでないと入れない場所ですので、「多くのものが利用する」とはいえないでしょう。従って、健康増進法でいうところの義務が不動産管理会社などに生ずることにはなりません。勿論、管理規約に火気や爆発物の使用や保管は厳禁、または、他の家への迷惑行為も禁止、と書かれていたりすれば、明確になりますが、そうでない限り、街中で分煙が進んでいる公共の場と異なり、マンションベランダは、強制的あるいは積極的に禁煙を進める対象ではない、やや特別な場所になってしまっているのです。

非喫煙家庭にとって、マンションベランダからの副流煙は、イヤならばそこを立ち去ればよい街中の喫煙と違い、逃げ出すことができません。洗濯物にも臭いがつくでしょうし、窓を開ければどこからともなく煙や場合によっては灰が流れ込んできます。せっかく購入したマンションで、窓も開けられずに過ごすのは堪え難いでしょう。一方、喫煙(を楽しみと)する人からすると、家の中で吸いにくい場合には、もはやベランダくらいしかないのもわかります。

お互い様論
日常生活では、煙草の煙だけが問題になるわけではありません。階上や隣室からの騒音、料理の臭い、エレベータホールや廊下など共用部の使用、出入りする人々の振る舞いまでが問題になる可能性があります。自分もどこかで周囲の人に迷惑をかけているかもしれない、お互い様であるから、少々ガマンすべきだという人もいます。
副流煙に関していえば、前述のお互い様論から、臭ってきたら窓を閉めるなどの防御策をとればいいのではないかという説もありますが、部屋に流れ込むことは防げるものの、ベランダに干してある洗濯物などにも臭いがついたり、灰が飛んできたりすることもあるそうですから、解決策としては限界があります。

家族紛争まで誘発?
このように、はっきりと結論が出ない状況では、場合によっては家族同士の紛争になってしまうこともあるでしょう。例えば、昼間家にいない人にとっては「それくらいガマンしよう」が、家にいる人にとっては「一日中窓を閉めている」ことになってしまい、家族同士の論争になってしまうことも想像できます。

直接(相対)コミュニケーションで解決できるか?
家族や部屋の臭いに気をつかってベランダに出てきているくらいですから、配慮ができる方あるいは家族である可能性は高いです。ごく普通に、「すみません、煙草の煙が部屋に流れ込んでしまうのですが。。。」とか、「灰が、洗濯物についてしまって困っているのです」ということを、伝えてみることでわかっていただけるかもしれません。窓を閉めっぱなしにもできないように、ずっと吸わないわけにもいかないでしょうから、曜日や時間帯を決めてもらいその間だけ、洗濯物を干さないようにしたり、窓締めをするとかご近所の協力で解決できるかもしれません。

第三者による解決?
しかしやはり毎日顔を突き合わせ、お付き合いするお隣近所と、多少でも苦情めいたことは言いたくないというのも、ごく当たり前の日本的な人情。王道としては、組合総会での議題として、話し合いを持ち、決議と喫煙者代表との合意によって規約改正するという手段がありますが、管理組合第三者の紛争解決機関と契約をしてもらい、間に入って解決するというのも、今後は有効な方法になってくるかもしれません。

こうした問題を相隣関係といいますが、次のような機関が対応しています。
日本メディエーションセンター

2008年12月15日 23:25

家庭で違法?

 ごく普通の家庭で中学生が違法行為?なんて、いままで想像もしませんでしたよね。しかし、この記事 http://news.livedoor.com/article/detail/3938393/ (コミック全巻をスキャンしてオークションで販売)のように、(たぶん)知らずに著作権違反をしてしまったり、宿題やって引用したら著作権法違反していたなんていうことが、ごく普通にできてしまう、起こってしまう時代になってきています。

もう避けて通ることはできません。  

無修正ポルノは日本国内では摘発されますが、実際にはいっこうに減る気配はありません。しかも外国語ではなく日本語のサイトなのに平然と存在しています。一方、これまた公営ギャンブル以外の禁止されている賭博サイトもあり、警察は何をやっているんだ!?とテーブルを拳でドン!としたくなります。 

ところが、これらはインターネット上のそうした行為が違法とはならない別の国のサーバー上においてあり、日本の警察捜査が簡単には入れないので、実際には摘発が難しいとされています。家庭で、子供たちも含めて見る事のできるサイトが、違法であるにも関わらず、警察も摘発できない状況が、起きてしまう環境にいるということです。 

このように家庭で、法律に触れるあるいは触れざるを得ない機会が増えてきたのは、ネットの発達と浸透が背景にあることはいうまでもありません。意図せず違法行為に触れてしまうこと、そして、これに巻き込まれたり加担したりしてしまうことは、家庭でも意識せざるを得ない重要な問題になってきているのです。

  じゃあ、「危ないからもうネットを使わない」でいけるか?、というとそれはもう不可能に近い状況です。 

 こうした時の反応は大きく二通りに分かれます。 
一つは、「危険だから触れさせない」「危ないものを許可しない」という保護的な対応。もう一つは、教育による情報リテラシーの向上と、自主規制の強化により自浄・自力対処させる方法です。前述の著作権違反の場合、前者では、オークションへの登録規制、青少年のインターネットコンテンツアクセス規制、罰則の強化、あるいは局所的に捉えるとスキャナ販売時の年齢制限?なんていうとんでもない方向もありえます。後者の場合は、長期的にはよいのですが、効果が出てくるまでに時間がかかる可能性があり、犯罪性が高い場合には、被害が広がってしまう懸念があります。

大人はともかく、これからの日本を作っていく、あるいは、生きていく子供たちにとって、インターネットが今以上に重要な英知の蓄積、交換の場となるはずです。「Web進化論」の梅田望夫さんが、自身のブログhttp://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20081107/p1で、紹介している、
http://d.hatena.ne.jp/asin/4480814965

が示唆する世界(=英語の世紀)では、自分たちで状況を把握し、危険を察知し、自力で回避していくことを身につける以外にはないのではないかと思うのです。

だとすると、今取るべき方向性は自ずと決まってきます。危ないから触れないではなく、著作権やエロや暴力やいじめの存在を認識して、その怖さや弱点を認識して、回避や受け止め方を体感的に身につけるために、どうするかということを、教え、疑似体験し、なによりも一番身近な家庭や学校で、自分たちで考えていかなければいけないのではないかと考えています。

2008年12月12日 21:41

紛争の体験4

私のケースでの弁護士さんは、有償で依頼した弁護士なのだから、少しは証言の仕方を教えてくれるのかと思っていました。しかし!どう答えるべきか、何も教えてくれないのです。唯一のアドバイスは、

(Don't loose your temper, Tell the truth, Stick to the fact.)
 冷静であれ。真実を語れ。事実に固執せよ。

勿論、訴訟も証人となるのも、それどころか弁護士と密に接するのも初めてです。訴訟の様子はTVや映画のシーンで知っている程度でしかなく、訴訟の準備がどのように行われるかも、想像の域を出ないものでした。弁護士にできる限り全ての書類を提出し、それをもとに陳述書(Affidavit)を作成したあと、証人喚問の準備が始まります。過去数年の書類と言動全てが対象になるから、中にはこちらに不利なことや、感情に任せた荒っぽい発言や表面的には「誠実といえない発言」が、全くない訳ではありません。それらをもとに、味方弁護士が相手の弁護士の代役をして、私に質問をしてくるのです。

重要なことは、本番の尋問になると相手の弁護士は一つ一つの事実関係で、自分側に有利な証言を得ようとしてくるのですが、それ以上に、裁判官に対して「この証人は信頼できない人物だ」との印象を植えつけるべく、証人の感情を乱す質問をしてくることがあるということです。

guy.jpg

例えばある事例で、非常に細かい事項もよく覚えている証人に、

弁護士「あなたは細かいことを自信を持って答えておいでだが、記憶力に自信をお持ちですか?」
証人 (はい!私は記憶力には自信があります!)
弁護士「そうですか?ところで、今日は上着はどちらに?」
証人(ロッカーにおきましたが?)
弁護士「何番目のロッカーですか?」
証人(・・・何番目かは覚えていません)
弁護士「記憶力がいいとおっしゃったじゃないですか?たいした記憶力ではないのではないですか?」
証人(・・・そんなことありません!覚えています!)

・・・と、心理的に乱して以降の証言を支離滅裂にしてしまい、結局この問答がきっかけで、矛盾だらけの証言となり、裁判官からも重要な証言までもが採用されなくなってしまったという極端な例もあるそうです。

(Don't loose your temper, Tell the truth, Stick to the fact.)
 冷静であれ。真実を語れ。事実に固執せよ。

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