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“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~

2008年11月25日 00:29

紛争の体験1(偽証はできるものなのか)

 裁判員に選ばれた場合の手続き上のことや、心構えは既に色々な情報が提供されていますが、実際の法廷や審議の場で、どのようなことが起こるのでしょうか。裁判員制度自体がこれから始まるわけですから、事例などもちろんあるはずもないので、ここでは筆者が証人として関わった海外企業との仲裁の様子をご紹介します。陪審はいませんでしたが、証人がどんな心理状態になるのかは、おわかりいただけるのではないかと思います。

裁判というとドラマでしか見た事ないという場合が殆どでしょう。そこでよく出てくるのは偽証のシーンです。裁判員としては、偽証していないかという点を見抜く必要はないのかもしれませんが、どうも気になってしまうのではないでしょうか。

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TVドラマなどの法廷での弁護士による尋問のシーンは、自分が証人となった日々を思い出します。 ドラマでは被告側が口裏を合わせて偽証するのですが、「偽証」をする のは経験上、ものすごく難しいと思っています。 いや・・・実際に証人となるまでは、できると思っていたのですが。。。。国会議員が偽証罪に問われることがあるが、なぜ、偽証がばれるのかとも思っていました。自分ならうまくウソ突き通せるかな、と。 ところが。

まず最初に宣誓をします。イスラエルでは神の名において、日本では良心に基づいてウソをつかないことを誓います。これ、意外と心に重くのしかかるのです。 ウソをついたら罰せられることにも同意します。(海外の場合、その国の法律で罰せられるし、そこで禁固刑にでもなったらどうなるかわからないので怖さが増します。) 

いずれにしても、改めて「宣誓」することで普通の精神ならウソがつきにくくなるのです。「宣誓」は予想以上に重いのです。 弁護士はその道のプロですから、よく人間心理も読んでいます。事実関係を 洗い出す過程で、証人たちの心の葛藤を推測し、質問の順番をよく考え ているのですね。聞かれた順番に答えていくと矛盾が出てくるようになっているような気さえします。例えば、

弁護士「あなたは全力を尽くしましたか?」 
証人「もちろん全力を尽くしました」 
弁護士「それを示す証拠はありますか?」 
証人「毎日10時過ぎまで勤務しました。タイムカードがあります」 
弁護士「なるほど。ここに一通のメールのコピーがあります。証人はこれを見てください。これは誰に誰が送ったものですか」 
証人「これは私が友人に送ったものです」 
弁護士「時刻を見てください。これは勤務時間中ではありませんか」
    「あなたは全力を尽くしたといいましたが、勤務中に私用メールを書いている。全力を尽くしたというのはウソですね!」
    「あなたは私用メールを時々送りましたね!」 

もちろん私用メールの一通や2通は現実的にはあるでしょう。本質は、業務に差し障ったかどうかなのですが、弁護士は
「あなたは一度も私用メール を送ったことがないのですか?」
「私用メールは業務ですか?」 
「全力とはどういうことですか?全部の力ではないのですか?」
 「私用メールを書いた時間は業務でしたか?」。。。

と畳み掛けられると、 段々おかしくなってきます。

一度でもこんな場面があると、証言が極端に慎重になってしまいます。 自信のない証言をすると弁護士に見抜かれる。 そこをつかれて核心に迫る質問でドキっとする。 経験からいうならば、偽証することは実際には難しいし、すぐに暴かれる とではないかと思うのです。

この記事へのコメント

1. Posted by cona 2008年11月25日 17:32

アメリカの法廷ドラマを時々見るのですが、まさに今回の記事のような場面がありますね。

証人は本当にただの一般市民で、たまたま事件の現場に居合わせてしまっただけだったのに、正義感や責任感を持って出廷、でも被告側の弁護士にたたみかけられ、自分の記憶に自信を失っていく…という場面、ちょうど先日見ました。

日本でもそうなのでしょうが、アメリカでは特に裁判は言葉の「戦い」ですね。とてもあの応酬についていく自信がありません。

自分がもしその場に証人としていたら、と思うだけで手に汗にぎってしまいます。

2. Posted by 万代 2008年11月25日 23:41

conaさん

私が証言した法廷もまさにドラマでした。弁護士さんたちは、「なりきってる?」と思えるくらいに芝居がかっていました。証言の契約で、内容を公開できないのでかけませんが、最後に呼ばれた大どんでん返し証言をした証人の登場は圧巻でした。まさに映画のようでした。

日本でも弁護士さんによっては、そういう手法をとる方を見た事があります。そのときは証人がかわいそうになりました。

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