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地域の元気講座~NPOフュージョン研究所所長日記~

2009年9月 9日 14:09

宿場町と現代生活が交錯する大内宿・会津

■大内宿は時代劇村?

 先日、大内宿(福島県南会津郡下郷町大内)に行ってきた。

 会津若松から車で約30分。昔の宿場町を残しているまち。

 るるぶを見ると、トップに掲載されているほどで、年間観光客は約100万人という。

 

 

20090909a.jpg

 

 中は、まぁ昔の宿場町を残した時代劇村という雰囲気。写真からもわかる通り、道路の両側に用水路が流れ、水音が心地よい。

 

■ねぎそばは美味かった

 両側の古民家のほとんどがお土産物や飲食店となっているのだが、けっこうテレビでも紹介され有名なのが「ねぎそば」だ。

 ねぎが入っているそば、ではなく、ねぎで食べるそば、だ。

 

 

 

20090909c.jpg

 

 ねぎ1本でそばをすくい、口を椀に近づけそばをかきこんで食べる。うまく食べられるかな?と心配だったのだが、そちらは難なくこなせた。むしろ、このねぎをかじりながら麺をすするのだが、やはりねぎがチト辛い。でもそ ばはほんとうに美味しかった。

 ご主人に「このそばの食べ方は、いつ頃考案されたのですか」とたずねてしまった。

 すると「いいえ。これはこの地方で昔から伝わっている食べ方です」。

 コトの真偽は、この場合どうでもよい。ただのそばが、ねぎ1本ですする ことで、珍しい観光体験になる。

 そして、私のようないつもネタに困っている取材者や観光客が、こうしてブログや雑誌に書く。こうして神話が再生産されていく。

 

■大内宿のほんとうの魅力

 2時間ほど滞在していた間も、高校生やシニアツアーの旅行者がバスでど んどんやってくる。こうした客は、大内宿のメインストリートを往復して 満足して帰っていく。しかし、大内宿が、例えば太秦時代劇村などと違う のは、裏道に回ると、そこには大内宿で営業している人々の暮らしが垣間見える点だ。

 阿賀野川の大川ダムができた時の補償により大内宿は整備され、農業集落 排水も整備されている。だから、当然ながらここにも現代の生活がある。

 

20090909d.jpg

 

 

 表通りは観光客で混雑しているのに、裏の生活道路にはほとんど人通りが 無い。しかし、私がそそられたのは、むしろ生活道路の方だ。そこにも用 水路が流れ川戸がつくられ、使われている様子もうかがえる。

 大内宿は、表の時代劇村がすばらしいのではない。表の観光空間と、裏?の生活空間が一体となっている所に大内宿の魅力がある。

 でも、そんなことを知らない観光客は、ナマの生活を見ずに帰ってしまうのである。もったいない。

  大内宿の生活は文化資源である。このことを、土地の人はよく覚えておいてもらいたいと思う。観光客数が頭打ちになるかもしれない時に備えて。

 

 

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プロフィール
中庭光彦
中庭光彦 NPOフュージョン研究所所長・多摩大学総合研究所准教授
1962年生まれ。大田区居住ながら、1998年から多摩ニュータウンに通い続けている。経営の視点から、全国の地域づくりケースを収集。「コミュニティはツールだ」「水文化を知るとコミュニティがわかる」が持論。
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