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大西良雄ニュースの背後を読む

2014年7月

2014年7月28日 15:29

紙の出版物は衰微の一途、どうなるわが出版界

(2014年7月28日筆)

 2014年上半期の出版物の推定販売額は8267億円で、前年同期比5.9%減と過去最大の落ち込み幅となった(出版科学研究所調べ)と報じられた。この出版物には電子書籍は含まれず、旧来の紙の出版物の落ち込み幅が過去最大になったことになる。かつて出版業界に属し雑誌、書籍を作っていたOBとして、紙の出版物と出版社の将来を思うと暗澹たる気持ちになる。


ピークの1996年から1兆円以上減少、雑誌減が深刻
書店は16年で37%も減少、町から新刊書店が消えた

 書籍・雑誌の販売額のピークは1996年の2兆6564億円だが、昨年(2013年)の販売額は1兆6823億円に縮小、96年に比べ37%もの大幅減少となった。消費税率引き上げ4月以降の販売落ち込みが顕著だというから2014年下半期も販売減が続き2014年の販売額は1兆6500億円を割り込み、ピークの96年から1兆円以上の販売減少になる可能性すらあるのだ。

 紙の出版物は書籍、雑誌とも落ち込んでいるが、書籍より雑誌の落ち込みが大きかった。2014年上半期は書籍の販売額は4094億円で5.5%減、雑誌が4173億円で6.2%減だったが、雑誌の落ち込み幅のほうが大きいのは減少が始まったここ十数年来の傾向である。いまに始まったことではない。今や通勤、通学の電車内で雑誌を広げる人を見掛けることはほとんどできない。見掛けるのはスマホやタブレット端末を操作する通勤、通学客ばかりだ。

 紙の出版物の販売を担う書店の減少も著しい。紙の出版物販売が下り坂に転じ始めた1999年の全国書店数は2万2296店だった。それが2014年5月現在では1万3943店になった。減少書店数は8353店にのぼり、99年からの16年間で37%もの減少になる。見渡せば、雑誌販売が主力だった小規模な老舗駅前書店の多くが消滅してしまった。

 書籍でも新刊書籍を扱う書店が少なくなった。334市区町村で新刊書籍を扱う書店がなくなったという。書店で新刊が手に入らない市区町村が全国市区町村の約2割にものぼるのだ。地方では書店が消え出版文化の過疎化が進んでいる。一時、ジュンク堂や文教堂など新興の書店チェーンが台頭し期待を抱かせた。しかし、彼らも紙の出版物の衰退に抗せず赤字転落、同じく赤字に苦しんだ老舗書店チェーンの丸善と合わせ大日本印刷の傘下に入ったのも記憶に新しい。


電子書籍・雑誌の増加でも紙の出版物減少を補えない
既存出版社に電子媒体展開のビジネスモデルがない

 出版業界には新しい目もある。紙の出版物の販売減は著しいが、一方、電子書籍、電子雑誌が販売を増やしている。電子出版物の増加は紙の出版物販売が主力の書店には痛手だが、紙媒体であれ、電子媒体であれ、上手に媒体シフトできればという条件は付くが、そのコンテンツ(中身、内容)を提供する版元(出版社)にはまだ将来はある。

 では、電子書籍、電子雑誌は紙の出版物減少を補っているのだろうか。インプレスビジネスメディアの推計によれば、2013年度の電子書籍市場は936億円、電子雑誌市場は77億円、合わせて1013億円の規模だという。パソコン、スマホやタブレット端末、電子書籍専用端末の普及で市場は拡大しているというが、まだ電子媒体市場は1000億円規模にとどまる。1996年のピーク以来、約1兆円減少した紙の出版物の1割を補ったに過ぎない。

 電子書籍は製販コストが低く、一冊まるごとコンテンツを売ることからそれなりの販売単価が得られる。製販コストが高く販売単価の高い紙の書籍に比べ競争優位がある。事実、13年度の電子書籍販売は30%近い増加になった。

 しかし、電子書籍は著者が版元を通さず販売することもできるため出版社は素通りされビジネスチャンスを失う恐れがある。また、紙の書籍新刊と同時に電子書籍出版を行えば共食いとなり、新刊を扱う書店を苦しめる。もう売れなくなった紙の書籍旧刊を電子書籍化する方法もあるが、よほどの名著、人気本でない限り買う人は少ないだろう。コンテンツを提供する既存の出版社が電子書籍によって儲けるビジネスモデルはまだ確立されていない。

 それ以上に難しいのは、電子雑誌への展開だ。電子雑誌は、今のところ紙雑誌の紙面をネット上で切り売りするというビジネスモデルが中心だが、切り売りの割には販売単価が高く、大量に流布する無料のネット情報に対抗できないでいる。過去の特集や記事を電子販売する方法もあるが、それを必要とする読者は専門家や研究機関に限られるのではないか。

 販売部数が安定的で広告収入も見込める紙の雑誌は出版社の収益源だった。しかし書籍より雑誌の売り上げ減少が著しいことはすでに述べた。一方、2013年度の電子雑誌市場は77億円と信じられない小規模だ。とても電子雑誌に紙の雑誌の大規模な売り上げ減少を補う力はない。今年初めからの雑誌休刊は78誌、これに対して創刊は47誌にとどまり、書店から雑誌がどんどん消えていく。その分、出版社の収益が細っていくことになる。


無料ネット情報の優位揺るがず、深まる雑誌衰退
紙媒体失速の既存出版社はコンテンツを守れるか

 いま振り返ると小生の出版人生後盤の10年間は、紙の雑誌・書籍が全盛期を終え転落過程に入った10年でもあった。この間、パソコン、携帯端末、スマートフォンホ、タブレット端末と電子媒体が急速に普及していった。これら電子媒体には、選びようによっては極めて有用な情報が広範囲に存在し、しかもそれは「無料」、極めて安価で貴重な情報源だったといってよい。

 小生は退職後も習い性で紙の書籍・雑誌、新聞に情報を求めることが少なくなかったが、官公庁や調査機関、マスコミ、企業が提供するネット上の無料情報がなければ講義・講演の資料作りやブログ執筆はできなかったと思う。最近は新聞を除き書籍・雑誌など紙媒体情報への依存度が目立って減り、ネット情報への依存度がますます高まっていることを実感している。

 古稀を迎えた小生ですらそうなのだから、紙媒体へのこだわりなどほとんどない若年層が紙媒体に情報源を求めることは今後も期待薄だろう。断片的で直観的な電子媒体情報にだけ依存することが社会にとって良いか悪いかは別にして、紙媒体が廃れ電子媒体が膨らんでいくのは必然的といわざるを得ない。

 その結果、紙媒体に依存してきた既存出版社が衰亡すればコンテンツを作成し文化を発信してきた基地の一つが失われることになる。電子媒体などに関わる既存出版社以外のコンテンツ作成者が代わって優れたコンテンツを提供するからなんの心配はないという向きもあろう。しかし電子媒体の隆盛に押されて既存出版社のコンテンツ作成能力が軽んじられるとすれば、それはもったいないことだ。一人のOBとして、既存出版社のコンテンツ作成能力が守られ、文化と情報の発信基地としての出版社の役割が維持されることを願うばかりだ。

2014年7月22日 15:37

止まらない中間階級の没落、貧困層の拡大

(2014年7月22日筆)

 フランス人経済学者トマ・ピケティが書いた『21世紀の資本論』(CAPITAL in the Twenty-First Century)の英語版がアメリカでベストセラーになった。日本語版は年内にみすず書房から出版される予定だが、これより先、「週刊東洋経済」7月26日号が「21世紀の資本論 ピケティは問う あなたはいつまで中間層か」と題した特集を組み紹介している。


富める者がますます富み、中産階級は消滅していく
バブルの生成と崩壊を繰り返す「電子・金融空間」

 資本主義は株や債券など金融資産の収益率を表す「資本収益率」が所得(賃金)の増加率を表す「経済成長率」を常に上回るという根本的矛盾をかかえている。その結果、2つの世界大戦を挟む20世紀の一時期を除き、先進国ではより大きい資産を持つ富める者がますます富み、それ以外の持たない層との所得・資産格差が拡大、このままでは中産階級が消滅していくとピケティはいうのだ。

 日本でも水野和夫日本大学教授(元三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフエコノミスト)が著した『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書・3月初版)がビジネス書部門、新書部門で売上上位を占め話題になっている。

 水野氏の分析は以下のとおりだ。先進資本主義国は稼ぎを生み出す「周辺」(フロンティア)を失い、「地理的・物的空間(実物経済)」から高い利潤を得ることができなくなった。この実物経済の利潤低下に対し、先進国、特にアメリカではITと金融自由化が結合して資本が瞬時に国境を超えるという「電子・金融空間」を作り出し、資本主義の延命が図られた。

 しかし、「電子・金融空間」はバブルの生成と崩壊を繰り返すだけだった。マネー膨張によるバブル生成は資本の自己増殖を通じて富裕層のみを豊かにした。一方、バブル崩壊過程ではその負担を解雇・賃下げなどリストラという形で中間層が負わされた。その結果、市民社会や国民主権を支えてきた健全で安定した中間階級が貧困層に転落、先進国では民主主義が衰退する危機を迎えている、と。

 ピケティ教授や水野氏の指摘は、量的金融緩和という形のマネーの膨張による株式など資産バブルの復活によって富裕層や法人企業だけを富ませ、中間層をないがしろにしたまま、バブル崩壊からの経済再生を図ろうとするアベノミクスへの批判にも通じている。


「非正規雇用」がもたらした日本の中間階級没落
アベノミクス後も「非正規雇用」増加は止まらない

 アベノミクスは、大胆な金融緩和(マネー膨張)を餌に外国資本の「期待」に働きかけて株価など資産価格を引き上げることに一時、成功した。しかし、株価上昇で潤ったのは株式を保有する資産家と法人企業、そしてヘッジファンドなど外国人投機家だった。資産をほとんど持たない中間層に恩恵は及ばず、アベノミクスは教授らが指摘する中間階級の没落を止めることができないでいる。

 特に水野氏は、バブル崩壊からアベノミクスの今日までの間、「非正規雇用」という形で拡大した日本の中間階級の没落、貧困層増加に警鐘を鳴らしている。

 アベノミクスの具現者である黒田日銀総裁は異次元緩和によって労働需給が改善、有効求人倍率が上昇したことを自慢、強調している。しかし、有効求人倍率上昇の中身はお粗末なものだ。5月の厚労省「一般職業紹介状況」によると、期間を定めず雇用されている常用労働者の有効求人倍率は0.80%、うち正社員の求人倍率は0.60%にとどまる。正社員は求職者10名に対し6名しか求人がないという状態だ。有効求人倍率の改善は主としてパートタイムやアルバイトなど非正規社員の求人増加によるものだ。

 アベノミクス後も非正規雇用の拡大は止まることなく2014年5月の非正規の職員・従業員は1921万人、雇用者全体に占める比率(非正規雇用比率)は36.6%に達した(総務省「労働力調査」)。2000年の非正規職員・従業員数は1273万人、同比率は26.0%だった。この14年間で非正規雇用者は648万人増加、非正規雇用比率は10.6%も拡大したことになる。

 2000年から14年間に触れておきたい。この間、日本は2002年1月から2月まで景気拡張が73か月という戦後最長の「いざなぎ超え景気」を経験した。このバブル崩壊から景気回復期においても企業収益の拡大はあったが賃金の下落が止まらず「ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)」と称された。この後、リーマンショック、東日本大震災を経て2012年暮れからのアベノミクス景気に至るという14年間だった。


年給200万円以下が23.9%、相対的貧困率も悪化、
株価上昇の恩恵なし「金融資産非保有所帯」が31%に

 この14年間、法人は利益剰余金など内部留保を著しく積み上げた結果、自己資本比率は2000年度末の25.9%から2013年度末の39.3%へ大幅に上昇した。一方、この間、非正規雇用者比率は拡大を続け、これに歩調を合わせて中間層の貧困化がジワジワと進んでいった。

 2000年の年間給与額200万円以下の給与所得者は824万人で、4494万人の給与所得者全体の18.4%に過ぎなかった。しかし2012年には200万円以下の給与所得者は1090万人と2000年に比べ276万人増加、給与所得者全体約4556万人の23.9%に達している(国税庁「民間給与実態統計調査」)。

 ちなみに年間給与額200万円(月額にすると16万6666円)は、東京都区部の生活保護所帯(夫婦2人、子供1人)の月額生活扶助費16万6810円を下回る額だ。東京都の生活保扶助費を下回る年間給与額しか得られない貧しい給与所得層が非正規雇用の拡大によってアベノミクス後も増加し続けることになる。

 「相対的貧困率」で見ても日本の貧困化は顕著だ。「相対的貧困率」は所得の中央値(所得の低い額から順番に並べた時の真ん中の額)の半分以下(貧困線)にある人々の割合を示し、先進国の貧困を表すのによく用いられる。2012年の中央値は244万円、貧困線はその半分の122万円となり、貧困線に満たない所帯の割合(相対的貧困率)は16.1%に達した(7月15日発表、厚労省「2013年国民生活基礎調査」)。

 「相対的貧困率」は2009年の前回調査よりさらに上昇、記録が残る1985年以降で最悪の水準になったという。日本の相対的貧困率は先進国クラブのOECD平均(11%前後)を大きく下回り、先進国で最も高いグループに属しており、「1億総中流」は遠い昔の神話と化してしまっている。

 もう一つ、看過できない数字がある。日銀金融広報委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産を保有していない「金融資産非保有所帯」の割合は2013年には31.0%に上ったという。バブル生成期の1987年の金融資産非保有所帯の割合は3.3%だった。バブル崩壊後の所得減少、非正規雇用の増加、中間階級の貧困層化を背景に金融資産非保有所帯はどんどん増え、その割合が3.3%から31.0%に跳ね上がったというのだ。

 アベノミクスによる株価上昇や株主配当増加の恩恵は31%に達する「金融資産非保有所帯」に及ぶはずもない。非正規雇用者の多くは「金融資産非保有所帯」の属すると思われる。彼らは株価本位のアベノミクスで所得を増やす術(すべ)を持たない。その一方、アベノミクスによって大きな金融資産を持つ富裕層・資産家層はますます富み、中間階級から貧困層化した人々との格差を拡大させる結果をもたらす可能性すらある。これもアベノミクスの負の側面になる。

2014年7月15日 11:09

今度は甲状腺癌、「古稀」の歳に年2回目の手術を受けて

(2014年7月15日筆)

 数えで70歳を迎えると「古稀」と言って長寿を祝います。「人生七十古来稀なり」という中国唐の詩人、杜甫の詩句から名付けられたといいます。むかしは70年を超えて生きる人は稀だったのでしょう。今は「古来稀なり」と言われてもピンとこない元気な70歳でいっぱいです。

 小生も4月で数え年の70歳(満69歳)となり「古稀」を迎えました。精神的にはとても元気なのですが、身体のほうは着実に老化し「古稀」を迎えているようです。癌は細胞の老化によって引き起こされるといわれますが、小生、「古稀」を迎えて膀胱癌と甲状腺癌の2つの癌が発見され、2月19日に膀胱癌、7月1日に甲状腺癌と1年に2度の癌除去手術を受ける羽目に陥りました。


PET(陽電子放出断層撮影)検査で発見された甲状腺癌
全身麻酔で意識を失い目が覚めたら手術は終わっていた

 2月の膀胱癌手術については3月3日付けの本ブログ「表在性膀胱癌の『内視鏡手術体験記』」に書きました。今回は6月30日入院、7月1日手術というスケジュールで甲状腺癌の手術を受けました。幸い術後の経過は順調で7月7日の七夕には退院しました。いまは首に10センチほどの切り傷と腫れが残っていますが、いずれ腫れは収まり傷跡は消えて首の皺になるそうです。

 甲状腺癌は「癌の経験者はほかの部位にも癌がある可能性があるから」という次男の強い勧めで受けたPET(陽電子放出断層撮影)検査で発見されました。PET検査では一度でほぼ全身にわたって癌細胞があるかどうか精査できるそうです。受診した所沢のPET検査センターでは、右側の甲状腺に癌ありとする結果がでました。なお検査センターでの検査料は日赤から紹介状をいただけましたので保険適用となり約3万円で済みました。

 このPETセンターの結果報告を受け日赤医療センターの耳鼻咽頭科は、CT検査やエコー検査などの精密検査を小生に施しました。精密検査でも首の右側の甲状腺に直径2センチほどの乳頭癌があることが確認されました。PET検査で乳頭癌が早期に発見されたことになります。

 今回の手術は首の右側にある甲状腺癌を切除すると同時に転移の可能性がある近くのリンパ腺を取り除くというものです。手術は2月に膀胱癌手術を受けBCG(制癌剤)注入に1か月半通った同じ日赤医療センター(渋谷区広尾)です。通い慣れた病院ですから手術前のストレスは小さくて済みました。6月30日の術前検査を受け7月1日のお昼過ぎから手術室に入りました。

 前回の膀胱癌手術は脊椎麻酔(下半身の部分麻酔)でしたから意識ははっきりしており、近くのモニター画面で2時間、膀胱内癌部分の切除手術をずっと見ていました。電気メスでそぎ落とされる自らの膀胱内壁を眺めているのは何とも気味の悪いものでした。今回は左の手の甲の血管に点滴用の注射を打ちそこから麻酔薬を注入する全身麻酔でした。注入後数秒で意識を失い目が覚めた時には手術は終わっていました。手術には3時間ほどかかったそうですが本人にはあっという間でした。時間を感じない全身麻酔手術は本当に楽ちんですね。


手術後5日で「退院できます」と主治医
ただ5年間は要観察、日赤とは長い付き合いに

 術後手術室で20分ほど養生した後、入院病室へ移されました。酸素吸入パイプは約2時間で外されましたが、抗生物質などの点滴パイプは手の甲につながったまま、さらに切除手術部分から出てくる血液を外部に排出するパイプは首にぶら下がったままです。さすがに手術当日は37度台の熱が出て、夕食に出された8分粥にいただくことはできませんでしたが、翌日の朝食は味のない、まずい5分粥でしたが空腹に耐えきれず完食しました。

 主治医は「経過は大変順調です」といい、手術の2日後には点滴パイプを外し、3日後には血液外部排出パイプを外しました。甲状腺癌切除部分からの流血が少量になり外部排出パイプが外されれば退院可能となります。主治医は7月4日に外部排出流出パイプが外れたことを受け、「7月5日(土曜日)には退院できます」というではありませんか。

 いくら経過は順調だといっても命に係わる(と本人が思っている)癌手術です。術後5日での退院は早過ぎると思われてなりません。それに7月6日日曜日には見舞いを予定している友人もありました。主治医には見舞客が来た後の退院にしてほしいと申し入れ、7月7日月曜日の退院となった次第です。前回の膀胱癌手術では腎盂炎を併発し読書どころではありませんでしたが、今回は術後の負担が少なく文庫と新書の2冊を読破することができ、幸いでした。

 昨日7月14日、切除した甲状腺癌、リンパ腺の病理検査の結果を聞くため日赤医療センターに出掛けました。主治医によると、首右側の甲状腺癌は切除部分の周辺にも、リンパ腺にも飛んでおり、今後はエコー検査を3か月に一度、CT検査を1年に一度というペースで5年間は観察が必要となるという診断でした。

 膀胱癌のほうも3か月に一度、尿検査、膀胱鏡検査を受けることになっています。これと甲状腺癌検査を合わせれば今後1か月半に一度は日赤医療センターで検査を受ける勘定になります。日赤医療センターとは場合によっては死ぬまでの長いお付き合いになるような気がします。

 家内と二人、自宅のある所沢から渋谷区広尾まで電車、バスを乗り継いで1時間半、日赤医療センターへ通い続けるわけですが、家内は「病院の近い都内に移り住んで通うのがいいかも」といいます。しかし広尾近辺では夫婦2人が住む小さなマンションでも1億円を下りません。賃貸するにしても月家賃20万円出しても足らないでしょう。小生の乏しい保有資産と月収では手が出せません。

 ということで、家内とは日赤医療センターへ通う日は都心で遊ぶ日とすることで合意しました。日赤医療センターへの経路に渋谷駅、恵比寿駅があり、その周辺には和洋中韓の美味しい食事処がたくさんあります。とりあえずその食事処を食べ歩くことにしました。癌とのこれからの長いお付き合いも、1か月半に一度の都内での食事、タウンウォッチングという楽しい遊びを伴えばさしたる苦痛にはならないと思えます。気は持ちようですね。
プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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