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大西良雄ニュースの背後を読む

2014年2月

2014年2月10日 12:26

今度は小生の身体に「不具合」が生じまして...

(2014年2月10日筆)

 システムの不具合が生じこの10日間ほど小生のブログ原稿がアップされない状態が続きました。本日から毎週月曜日いつものように原稿がアップできると思っていたのですが、残念ながら今度は小生の身体に「不具合」が生じまして2週間ほど本ブログを休載せざるを得ない羽目になりました。


膀胱がんの内視鏡手術を受けます

 1月の第2週頃から極度の頻尿に見舞われ町の泌尿器科の専門医に診てもらいました。頻尿の原因は尿路結石だったのですが、2度の尿検査の結果、膀胱癌の疑いがあるとして大病院での精密検査をすすめられました。

 早稲田大学オープンカレッジ八丁堀校「初春講座」の初回講義を終えた2月6日、町医の紹介状を携え渋谷の日赤医療センターの泌尿器科を訪れ精密検査を1日がかりで受けました。尿再検査のあと行った内視鏡を用いた膀胱の検査で面的に赤く広がった膀胱癌が2~3か所見つかりました。小生もモニターで膀胱癌の存在をはっきり確認しました。

 担当医は小生にそれが膀胱癌であることを告げ、内視鏡を用いた膀胱癌の切除手術を直ちにすすめました。2週間後の2月18日入院、19日手術の予定です。手術を告げられて以来、精神的なものでしょうか、腹痛と下痢が続いて難儀しています。膀胱癌は長年の喫煙が原因という説もあり、現在は禁煙していますが、19歳から61歳までへビースモーカーだった小生の過去を悔いています。


講義、講演には家内の同伴をお願いしました

 手術を前に仕事の調整が必要となりました。早稲田オープンカレッジ八丁堀校の4回講義のうち2月12日の講義は行いますが、その後の19日、26日の2回分は打ち切りとさせていただきました。

 2月14日の茨城新聞主催の水戸市での講演会には出ますが、28日の山形新聞の山形市での講演はキャンセルせざるを得ません。山形新聞は「マーケットnavi」というコラムを約4年半毎日連載して来ましたが、今回初めて2月14日から一時休載とさせていただきます。講演会で読者の皆さんにお会いできるのを楽しみにしていたのですが、連載の休載と合わせ誠に残念です。

 12日の八丁堀校での講義と14日の水戸での講演には家内が同伴してくれることになりました。小生、気が弱くなっていまして、旅先で何かあった時の心の支えとして家内に同伴をお願いしました。年取った子供のようですが、家内にはまたお世話になります。


「70歳まで働く」ことは簡単ではない

 今秋発売の「週刊東洋経済」(小生の出身雑誌)のカバーストーリーは「70歳まで働く」です。小生はこの4月に69歳になります。あと一年、70歳まではジャーナリストの経験を生かして働きたいと思っていたのですが、手術後も仕事を続ける体力、何より気力が持続するか不安です。

 年金支払年齢の延長などで「70歳まで働く」(働かざるを得ない)ことが必要になるといっても、70歳までは身体が持たない、気力が続かないという人も多いのではないでしょうか。世界最悪の財政事情の中、「70歳まで働く」のが国民の義務のように聞こえます。

 人間の身体は40歳ぐらいから老化は始まり癌細胞が巣食いやすくなっているといわれます。80歳前後まで平均寿命が延びているとは言いますが、癌細胞の浸食はそのずっと前から始まっています。70歳の身体は元気そうに見えてもかなり老化しているといえます。その癌のリスクがいつ表面化するかわかりません。「70歳まで働く」のはつらいでしょうね。

2014年2月 6日 10:23

中国の景気減速と米国の緩和縮小が連鎖し通貨混乱

(2013年2月3日加筆)

 世界の通貨が再び動揺している。1月24日の外国為替市場ではアルゼンチン・ペソ、トルコ・リラ、南ア・ランド、ロシア・ルーブル、ブラジル・レアル、インド・ルピーなど新興国通貨が売られ軒並み急落した。その一方、避難先通貨として円が買われ円が急上昇した。

 アルゼンチン・ペソは2002年に自国金融危機以来、最大の下げ幅を記録、トルコ・リラは対ドルで過去最安値を更新した。ロシア・ルーブルは対ユーロで過去最安値を更新、南ア・ランドは5年ぶりの安値を記録した。

 これに対し新興各国は政策金利を引き上げ通貨防衛に走った。トルコは政策金利を4.25%引き上げ12%へ、インドは0.5%引き上げ8%へ、南アは0.5%引き上げ5.5%とした。アルゼンチンは預金金利を1月末までに24%まで引き上げ外貨流出を阻止しようとした。それでも新興国通貨の動揺は収まらなかった。


トルコなど「脆弱な新興5カ国」を襲った危機
中国の景気減速、「影の銀行」不安再燃も影響


 米投資銀行のモルガン・スタンレーはトルコ、南ア、インド、ブラジルにインドネシアを加えた新興5カ国を「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」と呼んだ。成長期待が高く外資の流入は活発だが、いずれも輸入超過が続き経常収支は赤字で外貨準備が乏しい。外資流出の際、自国通貨を外貨準備で買い支える力が脆弱な新興国という意味で「脆弱な5カ国」と名付けられた。

 昨年5月、バーナンキ米FRB議長(当時)が量的金融緩和の縮小を示唆する発言をした時も、外貨の流出への懸念から「脆弱な5カ国」の通貨は動揺した。今回の新興国通貨の動揺は、米国の量的金融緩和の縮小実施だけでなく、新興国経済との関連が強まっている中国の景況感悪化も影響を与えた。米国、中国という世界の2大経済大国の動きが共鳴して通貨危機は発生した。

 HSBC(香港上海銀行)が1月23日に発表した2014年1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、好不況の目安となる50を昨年7月以来6か月ぶりに下回り、49.6となった。これがまず金融市場に響いた。

 先に中国国家統計局は2013年の実質GDP成長率が7.7%となり2年連続で8%割れとなったと発表したが、これも伏線になった。中国の成長率を押し上げてきた2013年の建設・設備投資の前年比伸び率が鈍化、工業生産の伸び率も低下し中期的な景気減速の懸念が表面化した。中国最大のアキレス腱とされる地方政府による無謀な過剰インフラ投資にブレーキが掛かったようだ。

 中国の景気減速は過剰投資を修正し消費主導経済へ転換する過程での当然の減速という側面がある。しかし一方でこの減速は過剰投資によって巨額に膨らんだ「影の銀行」(正規の銀行を経由しない金融)の崩壊を誘発するという危険な側面も持ち合わせている。この過剰投資は「理財商品」と呼ばれるリスクの高い高利回り債券発行によってファイナンスされていた。だが投資先の破綻によって一部の信託会社の「理財商品」の償還が不能となる懸念が発生、「影の銀行」の先行き不安を駆り立てた。

 幸い、一部の理財商品の債務不履行は回避されたが、「影の銀行」は「融資平台」という資金調達組織を経由して地方政府の過剰投資の資金調達源にもなっている。地方政府の投資は不採算案件だらけといわれ、過剰投資が収縮する過程で償還不能に陥りかねない「理財商品」の規模は巨額だと噂されている。これら「理財商品」の債務不履行に伴う中国の金融システム不安は今後も繰り返され、中国の経済成長の足枷になりかねないのだ。

 こうした金融システム不安を抱えた中国の景気減速は、「脆弱な5カ国」を筆頭に対中国輸出に依存する新興国経済を直撃する。中国の2013年貿易総額(輸出入額合計)は米国を抜いて世界最大となった。世界、特に新興国の中国への貿易依存度は飛躍的に高まっている。中国の景気減速に伴う対中輸出の減速は新興国の貿易収支悪化をさらに増幅させることになる。これを警戒して新興国に流入していた投機マネーが流出、ヘッジファンドは新興国通貨を売り浴びせはじめた。これが新興国通貨急落の一因になった。


緩和マネーの流れが「量的緩和縮小」実施で逆転
G20は「新興国通貨危機」の対策を打ち出せるか


 今年1月から始まった米FRB(連邦準備制度理事会)による量的金融緩和縮小も新興国通貨の動揺に大きな影響を与えている。昨年5月にもバーナンキ米FRB議長の「緩和縮小示唆」発言を受けて新興国通貨の急落、世界同時株安を経験したが、今回は2月からの「緩和縮小」の追加をめぐって国際金融市場の動揺が再燃することになった。

 リーマンショック後、米FRBはQE1(量的緩和第1弾)からQE3(量的緩和第3弾)まで約3.1兆ドル(邦貨換算約320兆円)もの緩和マネーをばらまいた。この緩和マネーは米国株式や住宅価格への投資を刺激し米国経済の回復につながった。緩和マネーの一部は新興国に流入、新興国の株価を刺激し通貨の下落を防いできた。日本の円安株高も主として緩和マネーの流入によって実現した。その緩和マネーの流れが量的緩和縮小で逆転するというのだ。

 2月からの緩和縮小幅は市場予想通りの100億ドルとなった。750億ドルから650億ドルへFRBによる債券購入額(緩和マネー)が減ることになるが、緩和マネーの増加率が鈍化するだけで緩和マネーが収縮するわけではない。緩和マネーがまだ増えるのに将来の緩和マネー減少に身構えてヘッジファンドなど投機家が新興国投資から資金を引き揚げようとしているといった方がよい。 

 しかし投機家は、バーナンキ議長の「緩和縮小示唆」発言の時と同様、今回、「緩和マネー収縮」という水音に驚いて一斉に飛び立ったようだ。投機家たちは将来の量的緩和打ち止めに備え、ドル資金の流出で対外支払いに困難をきたす「脆弱な5カ国」など新興国から素早く投資引き揚げる一方、新興国通貨売りを加速させた。

 さらに緩和マネーの引き揚げは中国でも発生する可能性がある。そうなると「影の銀行」の資金繰りにも影響を与えかねない。世界第一の大国・米国の量的緩和縮小が世界第2の大国・中国の金融システム危機へ連鎖し、新興国を直撃しかねないのだ。2月22日~23日、シドニーで開催されるG20(世界20か国・地域財務相・中央銀行総裁会議)は新興国の通貨危機にどのような対策を打ち出すか、注目される。


避難先通貨として円買いと新興国減速が不安
ヘッジファンド依存の「円安株高」にも赤信号


 日本も例外ではなく、中国の景気減速、米国の緩和マネー縮小の影響が大いに響く。すでにマネーはリスク度の高い新興国通貨から避難先通貨とされる円に向かい始めており、円買い(円高)が急進展した。昨年末、105円台だった対ドルレートは一時101円台の円高となった。

 株価への影響も大きい。日経平均株価は終値ベースで昨年12月30日の1万6291円から1月31日には1万4914円まで8.4%の下落となった。新興国を上回る下落率だ。外国人投資家は年初から3週連続での日本株を売り越しており新興国不安が拡大すれば外国人はさらに日本株を売る可能性がある。

 日本企業は中国及びアジア新興国への収益依存度が格段に高まっており新興国の景気悪化は収益悪化に直結する。避難先通貨として円が買われ続けることになれば円安期待も剥げ落ちる。円安効果に大きく依存する日本企業の収益好転が足踏みする懸念が出てきた。しかも4月からの消費増税による駆け込み需要の反動減、消費低下による景気減速が控えている。

 円安進行と読んで3月末には日経平均1万7000円を見込んでいた市場の予想は外れるかもしれない。安倍総理の支持率を支えた、外国ヘッジファンド(投機家)依存の「円安株高」に赤信号が点滅し始めたといってよいだろう。


※本記事は1月31日に執筆された内容に加筆したものです。
本ブログシステム不具合のため、掲載が遅れましたことをお詫びいたします。

プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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