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大西良雄ニュースの背後を読む

2012年6月

2012年6月25日 11:57

福島の「おおきな木」が天に召されました

(2012年6月25日筆)

 たしか昨年、アジサイの花が咲いた頃でした。福島在住の、学生当時からの友人から久しぶりの電話がありました。彼は「身辺を整理していたらお前の電話番号が出てきたから掛けてみた」といっていました。特別な用事があったわけでもなく、お互いの現役引退後の日常を報告し合って電話は終わりましたが、何か小生には心に引っ掛かるものがあったと記憶しています。

 そして一年後、アジサイの花が変わらず咲いた6月16日、もう一人の練馬区在住の友人(彼も小生も学生当時、福島の友人と同じアジア研究会というクラブに属していました)から福島在住の友人が亡くなったとの訃報が届きました。すい臓ガンが肺にまで転移していたようでした。彼が体調を崩しすい臓ガンであることが分かったのは小生に電話を掛けてきた一ヵ月後の昨年7月だったといいます。友人の昨年の電話は、虫の知らせだったのでしょうか。


お別れ会には多くの重度障害者が車椅子に乗って参列
彼の死を知り、泣き崩れ、気を失う障害者もいた


 その故人の「お別れの会」が6月23日に福島市内で開かれました。小生は講義、講演、勉強会と珍しく立て込んだ仕事があってお別れの会には出ることができません。代わりに家内にお別れの会に行ってもらうことにしました。家内は訃報をくれた練馬の友人夫婦と連れ立って福島に出かけてくれました。十数年前、小生と家内、練馬区の友人夫婦、亡くなった福島の友人は、誘い合って韓国旅行に出かけたこともあります。たまにしか会うことはありませんが夫婦ともよく知り合った仲間でした。お別れの会では故人といちばん親しかった練馬区の友人が大学時代の友人代表として別れの言葉を述べてくれたようです。

 帰ってきた家内は珍しく興奮気味にお別れの会の様子を知らせてくれました。お別れの会は200人が集う盛大な会だったようですが、それ以上に心を揺さぶるお別れの会だったようです。

 お別れの会には、多くの重度障害者が車椅子に乗って参列していました。福島の友人は大学中退後(彼は大学でももっとも優秀な学生が集まる外国語学部に入りましたが、文学や民俗学関係の本ばかり読んでいて語学教育になじまず、卒業しませんでした)、ふるさと福島の障害者支援施設に飛び込み、すい臓ガンが判明するまで40年以上も彼らの支援を続けてきたのです。

 お別れの挨拶をした福島の幼馴染によると、施設入苑者の中には友人が亡くなったことを知らされ、泣き崩れるどころか気を失う人もいたようです。家内は一緒に韓国を旅した故人の周りに、その死を心の底から驚き悲しみ、悼む障害者の皆さんがいて、故人がそこまで慕われた人物だったことを知らされ心を揺さぶられたようです。友人は言葉少ない、自分を語ることなど滅多にない人柄でしたから、彼がどんな仕事をしていたか知るよしもなかったからです。

 いや思い起こせば、一度だけ彼の仕事の凄さを知らされる機会がありました。韓国旅行の折、練馬区の友人が福島の友人の施設での話を聞いて「おれも会社を辞めたら福島にお前の手伝いに行きたいな」といったことがありました。実は練馬区の友人も福島の友人に輪をかけて自らを語ることなき心優しい人物です。その友人の問いかけに彼は「お前らにはとてもできない仕事だよ」と珍しくはっきり言い渡したのです。重度障害者の世話をするには普通の人が想像する以上の体力と気力が必要だし自分の生活も犠牲にすることになる、それができると思うかと彼はいいたそうでした。

 「お前ら」の「ら」は、練馬区の友人の横で話を聞いていた小生のことだったのではないでしょうか。彼は「何か偉そうに天下国家を論じているが具体的なことは何もしないジャーナリスト」である小生への批判を「ら」に込めていたのではないか、今はそう思い起こされてなりません。


障害者を見守る優しい「おおきな木」だっただけでなく、
家族を見守ってくれる、強く頼もしい「おおきな木」だった


 家内が心を激しく揺さぶられたのはそれだけではありませんでした。娘さんが、故人が学生の頃に書いた童話(福音館書店発行「母の友」に収載)を泣きながら読み上げた時でした。小生も家内も、故人が外国語の勉強などせず童話を書いていたことなど知りませんでしたが、家内は、娘さんが亡父をいとおしむように泣きながら朗読している姿に心を打たれたようです。彼は家族にも心から慕われていたのです。

 家内は、持ち帰った家族からの会葬お礼状を小生にそっと差し出しました。そこには小生も深く心にとどめおきたい言葉が書きしるされていました。すでに天へ旅立った友人ですから転載の許しを請うことはできませんが、あえて以下に書き残します。

 「亡父は、私たち家族の胸にかけがえのないものをたくさんのこしてくれました。口数は少ないけど、まじめな顔で冗談を言っていた父。周りに軽口をいうこともあったけれど、それは優しさにあふれ、人を傷つけなかった父。普段は優しいけれど、間違ったことは厳しく正してくれた父。
 どんな時も家族を守ってくれる、おおきな木のように強く頼もしい存在でした。皆様の記憶の中の父がどのような存在であれ、どの姿も私たち家族の誇りです」

 彼は180センチ近い長身でしたからもともと「おおきな木」でしたが、懸命に生きる障害者の皆さんを優しく見守った「おおきな木」でした。それ以上に家族を守った優しさにあふれた「おおきな木」だったのです。小生は、この家族の言葉を書き写している今、涙があふれて書く手が止まっています。


人間一人ひとりを見つめる「虫の眼」を持った人物
満開の「花見山」を見せてくれた後、帰らぬ人となった


 気をとり直して書きますが、小生も学生の頃からこの「おおきな木」に見守られていたような気がします。かれは間違いなく人間一人ひとりを見つめる「虫の眼」の人でした。小生はどちらかといえば政治や経済、社会変革に関心を持つ「鳥の眼」というか、上から目線のサラリーマン・ジャーナリストで終わりました。小生が「鳥の眼」で生きてこられたのは、故人のように「虫の眼」から社会を支えてくれた人がいたからです。かれは「おおきな木」となって小生などがしなかった社会への奉公を一手に引き受けてくれたのです。しかも「鳥の眼」への批判など全く語ることなく、黙々と。

 それと小生など、家族から優しく、強く頼もしい「おおきな木」といわれ、「誇り」とまで表現される彼のような存在には到底なれません。この年になって過去は取り戻せません。家族を省みなかった過去を反省してももう遅いといわざるを得ません。家族の皆様、申し訳ございませんでした。

 故人と最後に会ったのは、連休前の4月21日でした。練馬区の友人夫婦と小生夫婦の4人で闘病見舞いに福島に伺った時でした。友人はかなり痩せていましたが昔と変わりなくわれわれの訪問を歓迎してくれました。市郊外で昼食を取った後、疲れているはずの友人が「花見山に案内する」といって聞かないのです。市の郊外にある「花見山」には山名どおり小高い山いっぱいに桜の木が植え込まれていました。東北ですから東京より2週間以上遅れて開花したようです。友人のお陰で山中がピンクに染まる美しい里山を満喫できました。

 その花見山の入り口近くにおおきな顕彰碑が立っていました。見ると友人と同名の福島大教授が顕彰されていました。もしかしたらその顕彰されている教授は友人のお父さんではないか、と家内が問うたのですが図星でした。その顕彰碑は福島大学教授で書道の大家、多くのお弟子さんを持った彼のお父さんでのものでした。友人は照れくさそうに「晴れがましいことにはおれは反対だったのだが...」といいながらお父さんであることを認めました。多くの人から慕われるという友人の人柄はお父さん譲りだったのです。

 友人から数日後、花見山で取った写真が送られてきました。そこに添え書きがありました。「先日は遠路お疲れ様でした。短い時間でしたが、本当に楽しくうれしい時間でした。皆々昔と少しも変わらない(ように思った)のが、これまた嬉しくおかしい位です。また福島に来て下さい。ゆっくり温泉につかったりして」と書かれていました。すい臓ガンが肺に転移していることなど全く感じさせないような手紙でした(本人には知らされなかったようです)。

 花見山を訪れた後、連休明けには再び入院、そして彼は帰らぬ人になってしまいました。われわれ二夫婦は最後にお会いできた友人になってしまいました。

 最後に天に召された友人の名を記します。
 社会福祉法人けやきの村 障害者支援施設「青松苑」元苑長 藤本武彦君です。享年66歳でした。

2012年6月18日 10:51

「一体改革」をめぐる3党合意、やればできるではないか

(2021年6月18日筆)

 「税と社会保障の一体改革」をめぐる民主党、自民党、公明党の3党合意が成立しました。正直、党利党略に堕し国民の将来を忘れ権力抗争に明け暮れている政治家たちばかりですから、「一体改革」への成案を得るための3党合意は困難だと思っていました。

 しかし3党は互いに譲り合って何とか合意にたどり着きました。小生、日本の政治家も捨てたものではない、「衆参ねじれ」国会であってもやればできる、「決められない政治」から一歩抜け出すことができるのではないか、と多少ですが思えるようになりました。


「決められない政治」から「決められる政治」に転じる
その契機になる「3党合意」を全国紙5紙すべてが高く評価


 全国紙の論説委員諸氏も小生と同じような感想を持ったのでしょうか、すべての全国紙が合意の翌日(6月16日)の社説で「3党合意」を高く評価しています。以下、発行部数(11年後期)順に各社の社説の一部を紹介します。

読売新聞(995万部)...「各党が譲り合い、合意を形成したことは高く評価できる。これを"決められる政治"に転じる貴重な一歩としてもらいたい」

朝日新聞(771万部)...「多大な痛みを伴うが避けられない改革だ。この合意が"決められない政治"を脱する契機になることを願う」

毎日新聞(342万部)...「民主党政権の発足以来、初めてと言える"決める政治"の一歩であり、歴史に恥じぬ合意として率直に評価したい。ひるまず衆院での採決に望むべきだ」

日経新聞(301万部)...「財政健全化へ踏み出す第一歩として歓迎したい。後は野田佳彦首相が民主党内の反対にひるむことなく採決へ突き進む気概があるかどうかだ」

産経新聞(160万部)...「"決められない"政治を繰り返す事態が回避できたことは評価したい。財政健全化の取組を国内外に示すこともできた」

 いずれの社説でも、これまでの「決められない政治」から「決められる政治」に転じることへの期待が強く打ち出されています。


アナウンサー上がりのテレビ司会者たちが盛んに言う
「社会保障改革を棚上げして増税先行」の批判は的外れ


 合意の内容についても社説からは、「社会保障改革を棚上げにして増税を先行させた」というような一部の政治家やテレビ司会者、コメンテーターのような批判はほとんど伺われません。これも結構なことでした。

 今回の修正協議はアナウンサー上がりのテレビ司会者などには複雑すぎて理解ができない部分が多々あったと思います。その理由は、修正協議の対象が入り組んでいて本来修正など必要のないテーマまで議論されていたからです。

 今国会に上程されている「一体改革」関連法案は、消費税関連2法案、年金制度改革関連2法案、子ども・子育て関連3法案、合わせて7法案です。これらの法案が修正協議の対象になるのは当然です。その協議は十分行われました。

 政府案として上程された法案のうち消費税率の2段階、あわせて5%引き上げ案には3党合意が成立しました。残る所得税の最高税率の引き上げや相続税の課税強化、贈与税の税率緩和などの税制関連法案は毎年年末に行われる税制改正の場でもう一度議論されることになりました。

 所得税の最高税率は所得5000万円以上の税率を40%から45%へ引き上げるという政府案より所得3000万円以上は税率45%、5000万円以上は50%とする公明党案のほうが良いでしょう。公明党案のほうが税収増に直結します。その税収増分を低所得者への「消費税の逆進性」対策の財源に回すことによって累進課税の所得再配分機能が明確になります。

 相続税や贈与税など親が持つ資産を課税とする資産課税は、資産の死後相続の税金を重くして生前贈与を軽くすることによって所得減少に苦しむ若年層への資産移転を早める消費を活発化させる効果があります。しかし、子どもの人生が、親が蓄えた資産によって差別される(これを所与の所得格差といいます)という点を考慮すれば、贈与税の軽減についてはもう少し慎重な議論が必要かもしれません。

 というように、税制改正の問題はもっと突っ込んだ議論が必要です。突っ込んだ議論の末、年末の税制改正で合意が得られれば消費増税の実施時期を待たず来年の4月から新しい所得税の最高税率、資産課税が施行され大きな政策効果が期待できます。

 年金改革関連2法案、子ども・子育て関連3法案という社会保障改革に絡む法案でも修正合意が成立しました。低所得者への基礎年金の月6000円の定額加算は、公明党の提案を取り入れ保険料の納付実績に応じて定率加算すると修正されました。パート(短時間労働者)への社会保険適用の拡大も対象者を絞り込む修正が行われました。一方、年金受給資格期間の25年から10年への短縮、厚生年金と共済年金の一体化(官民格差の是正)は提案どおり合意されました。子ども・子育て関連法案は「総合子ども園」の創設が現行の「認定子ども園」の拡充に修正されましたが、そのほかは政府案どおり合意されたのではないでしょうか。

 上程された7つの法案の修正合意をみれば、読売新聞の社説が言うように「3党が譲り合って合意を形成した」のであって決して「社会保障改革を棚上げした」わけではありません。厚生年金と共済年金の一体化を筆頭にいくつかの重要な社会保障改革で3党は合意しました。懸案の解決に前進できそうです。


荒唐無稽、実現不可能な民主党公約の「最低保障年金」等
「国民会議」で議論していただけるだけ感謝しなければ


 この修正協議が分かりにくかったのは、法案が提出されていない、したがって本来は修正協議の対象ではない「社会保障改革」案が議論の俎上に挙がり、それをマスコミが盛んに取り上げたことがその原因です。しかもその報道ぶりは極めて不正確なものでした。

 法案未提出のテーマなのに修正協議での取り扱いが紛糾して、「社会保障改革を棚上げした」と誤解させるもとになったのが「後期高齢者医療制度の廃止」、「給付付き税額控除」、「最低保障年金」でした。これらはいずれも民主党の「09年マニフェスト」案件ですが、この案件はいずれも極めて検討不十分、財源問題などをふくめ実現可能性に大いに疑問がある代物です。にもかかわらず「マニフェスト原理主義者」のゴリ押しで3月に閣議決定された一体改革の「大綱」に書き込まれてしまいました。

 例えば、「給付付き税額控除」ですが、消費税3%引き上げ時から実施される「簡素な給付措置」で低所得者に4000億円以上の現金がばら撒かれた後に導入を予定している制度です。しかし、生活保護制度やその他たくさんある低所得者対策の見直しなしに「給付付き税額控除」を導入すれば1兆円以上の新たな財源が必要になります。その財源は未定ですし、給付や控除の対象となる低所得者の把握も十分ではありません。拙速な制度導入には問題ありです。

 もうひとつは民主党の看板政策である例の「最低保障年金」ですがこれについては前回のブログで触れました。この案は、「みんながもらえる」など嘘っぱち、低所得者だけがもらえるというもので、しかももらえるのは30年後、2075年度には最低でも26兆円(消費税10%引き上げに相当、)の財源が必要になるというのです。「一体改革素案」の作成に尽力した与謝野馨氏はその荒唐無稽さに呆れ果て、将来の紛糾の種になるからといって「素案」から削除した代物でした。

 「後期高齢者医療制度の廃止」(法案未提出)は、この実務すべてと費用の一部を受け持つ地方自治体の賛成がまだ得られていません。いずれにしても上の3つのマニフェスト案件は民主党の内部でも再検討されるべきものです。それが超党派の「社会保障制度改革国民会議」の議題になるのですから、それだけでもメンツが保てた、ありがたいと「マニフェスト原理主義者」たちは「3党合意」に感謝しなければ罰が当たります。


英国の経済雑誌「エコノミスト」誌が野田総理に最大級の賛辞
小澤夫人の手紙で「イチロウ オザワの命運は尽きた」とも書いた


 今回は、消費増税の必要性に関するもっとも重要なポイントである財政再建の視点には触れませんでした。このことはいずれ触れます。

 最後に世界でもっとも権威のある経済雑誌、イギリスの「エコミスト」誌(12年6月16日付け電子版)が、「3党合意」を推し進めた野田佳彦総理を高く評価している記事を紹介しておきます。エコノミスト誌はこう書いています。

 「ミスター野田は意外なリーダーシップを発揮した。もしかすると彼は、ここ数年の不人気な半ダースほどの総理――その多くは過去の有力政治家の子孫だが――のすべての仕事を合わせた以上の仕事をなし遂げるかもしれない」

 「ハーフダズン」(半ダース)と2束3文の値打ちしかないと表現されたのは、小泉総理以降の安倍、福田、麻生、鳩山の歴代総理ことです。その半ダースを束ねても野田総理に及ばないというのですから、最大級の賛辞です。

 同じ記事の中で「エコノミスト」誌は、ミスター野田に内部敵対者である「イチロウ オザワは命運が尽きた」と書き加えています。「命運が尽きた」は民自公の3党合意で小沢グループの反対票が無力化されたという理由からではありません。「ミスターオザワ」の命運は、「週刊文春」6月21日号の巻頭記事、「小沢一郎 妻からの"離縁状"」に掲載された小澤和子さん直筆の支持者宛の手紙によって尽きたとエコノミスト誌は指摘しています。

 この手紙によって、「ミスターオザワ」は人間としても政治家としても失格者であることが明らかになっています。詳しくは「週刊文春」をお読みください。

2012年6月11日 15:27

「低所得者対策」は関連法案に十分含まれています

(2012年6月11日筆)

 民主、自民、公明の3党は、6月8日からようやく「社会保障と税の一体改革」関連法案の修正協議を始めたようです。協議は消費税関連法案と社会保障改革関連法案に分けて行われますが、これらの重要法案をたった1週間協議して15日までに合意を得るというのですから乱暴な所業といわざるをえません。

 最後は修正協議に入るというのなら、なぜ、もっと早く協議を始めなかったのか、民自公いずれの政党に対しても国民は憤りを隠せないでしょう。それでも修正協議を始めるだけでもましかもしれません。少なくとも小沢一派を除く民主と自民・公明の間では、消費税率を2014年4月8%、2015年10月10%に2段階で引き上げるというスケジュールと増税率で合意できると思うからです。

 しかし、社会保障に関して3党間で基本的な姿勢が全く異なります。この分野において1週間の協議で合意をえるのは無理かと思われます。特に所得の低い人ほど負担が重くなるとされる「消費税の逆進性」解消のための低所得者対策については、合意がなかなか得られないのではないでしょうか。


多すぎるぐらいの「逆進性」解消のための「低所得者対策」
財務省は1.4兆円が法案にすでに盛り込まれているという


 その難問のひとつである低所得者対策ですが、多くの人は、今回の一体改革関連法案の中では「逆進性」解消のための低所得者対策が全く施されていないと思い込んでいるのではないでしょうか。そんなことはありません。関連法案の中には多過ぎるぐらいの低所得者対策がすでに含まれています。以下、列挙します。

(1)低所得者の基礎年金支給額に対して一律月額6000円加算
(2)年金受給資格期間の25年から10年への短縮
(3)産休中の厚生年金保険料の免除
(4)パート労働者への厚生年金等社会保険の適用拡大による負担軽減
(5)低所得高齢者への介護保険料の負担軽減
(6)低所得者の国民保険料の負担軽減
(7)医療、介護、保育費などの自己負担分の総額に上限を設ける総合加算制度の導入(上限超過分は国が補助)

 財務省によると、税制以外の社会保障改革関連法案の中に含まれる以上のような対策が実施されると約1.4兆円、消費税率にして約0.5%分が低所得対策としてすでに盛り込まれているというのです。


高齢者夫婦所帯で14.6万円、低所得子育て所帯で17.7万円
消費税増税後でも可処分所得は増えるという試算もある


 その結果、厚労省の試算では低所得者所帯の消費増税後の可処分所得は現状より増加するというではありませんか。

 例えば、年金が収入のほとんどを占めると思われる、年収300万円以下の高齢者夫婦所帯の場合、低所得者への月額6000円の年金加算によって夫婦2人で年間14.4万円、介護保険料の負担軽減で年間2.6万円、あわせて年間17万円負担が減少します。その一方、5%消費税増税による負担増が年間2.4万円と推定されますから、差し引き可処分所得は年間14.6万円増えるという計算になります。

 夫婦に子供1人で年収220万円程度(課税最低限)の子育て所帯の場合、消費税増税による年間負担増は1.6万円程度です。一方、パート労働者への社会保険の適用拡大によって国民年金や国民健康保険から厚生年金・企業健保へシフトが可能になり、これまで年間36万円だった保険料負担が19.3万円に減少、可処分所得が差し引き17.7万円増加することになります(以上、日経新聞2012年4月7日付を参考)。

 最近は役人に対する国民の信頼が大きく失われていますから、財務省や厚労省の試算は当てにならないと思う方もいるかもしれません。しかし、試算に疑問があるなら政府官僚のチェック機関でもある議会や与野党の協議の場で確かめればいいでしょう。

 確かめた末、消費増税しても社会保障関連法案が成立すれば、低所得者の可処分所得は消費増税後には増えるということなら、当面はそれだけで低所得者対策は完了しているということになります。

 もちろん、関連法案に盛られた上記のような低所得者対策に問題があるのなら3党協議で修正すればよいのです。なるべく、一生懸命働いても所得面で報われていない真面目な子育て所帯には手厚い対策をとるというような修正は必要でしょう。子供手当が児童手当に戻ったのですから税制面で38万円の年少扶養控除を復活する手もあります。


荒唐無稽な民主党の「最低保障年金」案は棚上げ
「給付つき税額」など将来の社会保障は「国民会議」で議論


 実は与野党3党間で協議が整いそうもいないのが、ここから先です。そのひとつが民主党の「09年マニフェスト」に掲げられた「最低保障年金」の扱いです。

 保険料を払わなくても誰でも年間7万円の年金がもらえるというのがキャッチフレーズだったこの「最低保障年金」制度は荒唐無稽なものであることが判明しました。まず「誰でも」が嘘です。満額もらえるのは生涯の平均年収が260万円以下の人でそれ以上は給付が減額されます。給付が減額された年収420万円以上の人は今の制度より給付が減るという代物です。しかも導入は40年後、導入時には今の制度より年間25.6兆円多く費用がかかるのです。

 民主党はこんな荒唐無稽な制度の導入にこだわって3党協議をお釈迦にするのは愚の骨頂でしょう。

 他にも消費増税の「逆進性対策」として検討されている新制度があります。ひとつは低所得者への1人当たり年1万円程度の現金を給付する「簡素な給付措置」(予算規模4000億円)です。この臨時措置のあと恒常的な措置として低所得者への「給付付き税額控除」(所得が低くなるにしたがい税額控除し税を還付する、課税最低限以下の人には現金を給付するという制度)の導入が政府・民主党では検討されています。

 しかし、「簡素な給付措置」や「給付付き税額控除」などの低所得者対策は、すでに社会保障改革関連法案の中に1.4兆円もの低所得所対策が盛り込まれていることを考えると、屋上屋を重ねる無駄な措置ということになります。

 かりに、民主党がこだわる「最低保障年金」の導入論議に意味があるとすれば、現役世代の保険料で老齢世代の年金をまかなう現行の年金制度の持続可能性との比較検討が必要です。もしかりに「給付付き税額控除」(負の所得税)の議論をするなら、防衛予算に匹敵する4兆円くまで膨らんでしまった生活保護制度の見直しが必要です。橋下大阪市長の「大阪維新の会」は、いまある生活保護を含む所得保障政策をすべて止め、国民すべてに最低所得を保障する「ベーシックインカム」に置き換えるという案を提唱しています。これも検討に値するでしょう。


市場の信頼を維持するため消費税引き上げの3党合意を先行させる
将来の社会保障制度設計は政治家抜きの「国民会議」に委ねる


 いずれにせよ、財政規律への市場の信頼を維持し国債の暴落を招かないためにも、2段階で合計税率を5%引き上げるという消費税関連法案の成立を先行させる3党合意が必要です。それを可能にするためにも、社会保障改革関連法案に含まれる「逆進性」解消のための「低所得者対策」での合意を急ぎ国民の納得を得てもらいたいと思います。

 消費税関連法案を先延ばしにして市場の信頼を失い国債が暴落、金利が急騰しでは後の祭りです。国債金利支払いで借金が雪だるま式に増える状態になっては社会保障の持続性など吹っ飛んでしまうからです。

 2014年4月の第一弾の消費税増税までにまだ2年弱の時間があります。「簡素な給付措置」「給付付き税額控除」「最低保障年金」などの将来の社会保障制度設計の根幹にかかわるテーマは、与野党挙げての「社会保障制度改革国民会議」で大いに議論すればよいでしょう。

 政治の一寸先は闇。衆議院の議員の任期はあと一年強しかありません。それまでには確実に解散・総選挙が行われるはずです。総選挙に勝ち残って国会の戻ってくる議員が何人いるかも定かではありません。多くの政党が分裂、解体、再編の可能性を抱え込んでいます。

 党利党略、代議士であり続けたいだけの不埒な既存の政治家たちに日本の社会保障の将来を決めてもらいたくないというのが、国民の正直な気持ちではないでしょうか。選挙を控えた今の段階では「社会保障制度改革国民会議」の構成メンバーは政治家以外のほうが良いと思うのですが、どうでしょう。

2012年6月 1日 14:05

ユーロが急落、外部要因の円高に打つ手はあるか

(2012年6月1日筆)

 円高が再び日本経済の先行きに暗雲を投げ掛けています。5月31日のNY市場で円が対ユーロで一時96円48銭に下落しました。円は1月16日の対ユーロでの年初来高値97円18銭も上回りました。96円台に突入したのはユーロ発足の年である2000年の12月以来だといいます。


2ヶ月間で円は対ユーロで14円も上昇
日経平均株価はユーロ安に歩調を合わせて下落


 ユーロは今年1月半ばから上昇、一時ユーロ危機が遠ざかったかの感がありました。年末、年始にECB(欧州中央銀行)が金融機関に対し期間3年の1兆ユーロにのぼる低利融資を実施したことから金融システム不安が沈静化したためでした。この巨額の融資を決断し金融不安を鎮めたドラギECB総裁を讃えて「ドラギマジック」と呼ぶ向きもありましたが、それもつかの間でした。

 3月21日に110円85銭まで上昇したユーロは、4月から再び下落に転じ、あれよ、あれよという間に14円以上も下落しました。急速なユーロ下落は株価の急落を導きました。日経平均株価は3月27日に1万255円の高値を付けたあとユーロ急落に歩調を合わせて下げ続け、昨日の5月31日には一時8455円の安値を記録しました。

 最近の日経平均株価の動きと為替の関係を観察しますとドル安円高よりユーロ安円高のほうに感応度が高まっているように思えます。この2ヶ月間でユーロは14円以上下げたのに対し日経平均は1800円下げましたので、対ユーロ1円の円高で日経平均は128円下げたことになります。

 ユーロの最安値は2000年10月につけた88円93銭でしたから、ここまで下げることになれば、ユーロはあと8円下落、日経平均株価は1024円下げて7431円になる計算です。このままユーロ安が止まらないと日経平均株価はリーマン暴落時に戻ることになります。

 あまり悲観的になりすぎるのは避けたいのですが、ユーロ危機がEU第4の大国スペインに及ぶに至って、その危機の本質がバブル崩壊にあったことが改めて認識されてきました。日本衰退の原因になった15年以上も続いたバブル崩壊不況と同じことがギリシャ、スペイン、イタリアなど南欧諸国に起こっていると考えると悲観的にならざるを得ません。


スペインの失業率は24%強でギリシャを上回る
その背後にある「バブル崩壊不況」と不良債権


 スペインの名目GDPはユーロ離脱が懸念されるギリシャの約5倍です。ただ名目GDPに対する財政赤字比率、政府債務残高比率はギリシャよりまだかなり低い(2011年、OECD調べ)状態です。S&Pの国債格付も日本と同じ上から4番目の「AA-」で、まだ投資適格状態にあります(下表)。

スペインの債務危機はギリシャより低いが...(単位;GDPは10億ドル、他は%、2011年)
スペインの債務危機はギリシャより低いが...

 ただスペインは失業率が24.2%とギリシャを上回っています(12年3月、ユーロスタット調べ)。24歳以下の若年層の失業率は51.1%とギリシャの52.7%に肩を並べます。このスペインの異常ともいえる失業率の高さは、バブル崩壊不況によってスペイン経済が大きく疲弊している証拠ではないでしょうか。このままではEUが求める財政赤字の圧縮は困難を極めそうです。

 ここで、ユーロ発足後、なぜ南欧諸国(およびアイルランド)にバブルが発生したかについて振り返っておきましょう。2000年、ユーロ発足に伴ってユーロ加盟国の金利はECBのもとで水準が統一され、物価優等生のドイツ並みの低金利になりました。物価が高く金利も高かったギリシャ、スペインなど南欧諸国ではドイツ並みの低金利を幸いに不動産、住宅ブームが起こり、価格が上昇、資産バブルが形成されていったのです。

 しかしバブル(泡)は膨らみ過ぎれば破裂します。南欧諸国のバブルはアメリカで発生したバブル崩壊(サブプライムローン危機)を契機に破裂しました。バブル崩壊による不動産価格の下落は、住宅や不動産業者、そして住宅や不動産購入者の保有資産価値を大きく目減りさせる一方、彼らに多大な借金を残しました。借金を返せない業者、購入者は相次いで破綻、銀行に回収できない不良融資(不良債権)の山が築かれたのです。日本のバブル崩壊とそっくりです。


財政資金で大手銀行バンキアを救えば財政赤字が拡大、
赤字拡大で国債が売られ金利が高騰、財政赤字がさらに拡大


 スペインの銀行が抱え込んだ不動産関係の不良債権総額は1800億ユーロ(約18兆円)に上るといいます。不良債権を処理する体力のないスペイン第3位の銀行バンキアなど1部の銀行では預金取り付け騒ぎが発生しました。バンキアはたまらずスペイン政府に190億ユーロ(約1.9兆円)の公的資金の注入を要請するに至り事態の深刻さが改めて浮き彫りになりました。

 バンキアだけでなくスペインの主要銀行は不動産関連の不良債権に加え自国の国債を筆頭に重債務国国債の値下がりによる含み損も抱えこみ、深刻な2重苦の状態にあります。深刻なのは民間だけではありません。バンキアに支援を要請されたスペイン政府も深刻なジレンマに陥っているのです。

 公的資金注入が必要な銀行はバンキアに止まりません。ですから、スペイン政府は財政資金をバンキアに投ずれば次々に救済を求める銀行が現れ、財政赤字がさらに膨らみ国債発行が増加、国債価格が下落し金利が急騰しかねません。そうなれば国債金利の支払額が急増、財政赤字がさらに膨らむというジレンマに陥りかねないのです。

 バンキアを救済する財政資金がないスペイン政府は、その注入資金をECBからの拠出に仰いだのですが拒絶されたと報道されました。その報道はスペインの金融システム危機をあおる形となり、マネーが安全資産とされる米国債や日本国債に移動しドルと円が買われて急速なユーロ安円高になったのです。


ユーロ建て輸入がなくユーロ建て輸出の円高損を相殺できず
想定レートは対ユーロ105円前後、輸出企業は減額修正も


 先に日経平均株価はドル安よりユーロ安に感応度が高まっていると述べました。その理由は、日本の輸出企業にはユーロ建て輸入がほとんどなく、ユーロ安(円高)に伴うユーロ建て輸出の採算悪化を補うすべがない点にあるといわれます。ドル建てであれば部品や材料の輸入と完成品の輸出が両建てとなり為替変動によるプラスマイナスを相殺することができるのですが。

 欧州輸出比率の高いソニーの場合、想定レートに対して対ユーロで1円円高の状態が1年間続いたとすれば営業利益が60億円押し下げられます。ソニーはようやく大赤字から脱却、今期は1800億円の営業利益を予定しています。その営業利益の前提は対ユーロ105円の想定です。かりにユーロが年間95円のままだとソニーの営業利益は600億円減少し1200億円に減額されることになります。

 日本を代表する輸出企業の対ユーロ想定レートは105円前後に集中しており、現状のユーロ安が続けば多くの企業が利益の下方修正を余儀なくされることになります。対ドルの想定レートは80円前後ですから78円台であれば調整可能なドル安水準です。しかし想定外のユーロ安は輸出企業には重荷です。

 ユーロ安は輸出利益を食うだけではありません。バブル崩壊による欧州景気の後退によって対欧輸出依存度の高い中国やインドなど新興国の景気が減速、日本からの対新興国輸出が減速するという負の連鎖も表面化しかねません。

 日本の輸出企業は震災、タイ洪水の傷が癒え今期は業績のV字回復が期待されているのですが、ユーロ安がその出鼻をくじきます。ユーロ安円高は止めねばなりません。しかしその原因がギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの銀行危機という日本の外部にあることが問題解決をむずかしくしています。

 今後、日本ではユーロ安対策として財務省による円売り為替介入や日銀の追加金融緩和などが予想されますが、根本的な解決はユーロ加盟国の財政、金融両面からのバブル崩壊対策に委ねるほかありません。日本ができることは、世界に先駆けて経験したバブル崩壊不況からの脱却が公的資金の注入による不良債権の思い切った償却だったことを知らせることぐらいしかないのが残念です。
プロフィール
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大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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