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2010年12月17日 12:58

民主党は分裂(小沢除名)を恐れず政界再編を進めよ

2010年12月16日筆

岡田民主党幹事長の小沢一郎氏の国会招致議決をめぐって、親小沢グループと反小沢グループが再び対立、民主党が分裂の危機にあると報じられています。

呆れたことに民主党混迷の元凶である例の小沢一郎(元代表、現・似非一兵卒)、鳩山由紀夫(前・迷総理)、輿石東(元日教組、参院民主党のドン)の3氏が集まって「岡田幹事長の小沢国会招致議決は党分裂を招きかねない」と反対しているそうです。

今度は「党の分裂」を持ち出して小沢招致に反対しているのですが、すでに党は分裂しています。親小沢グループと反小沢グループは、小沢国会招致に象徴される「政治とカネ」の問題だけでなく、政治手法や政策思想など最も重要な問題でことごとく対立し、同じ政党に属している政治家とは到底思えません。
意見がこれほど異なるグループが同じ党に同居するほうが不自然です。

小沢さん「なんらやましいことはない」のなら国会で説明してください
小沢氏は自らの「政治とカネ」の問題について「(法律に照らして)なんらやましいことはない」と相変わらず言っています。親小沢グループは「法律違反はない」とする小沢氏の言葉を信じて疑わないようですが、国民は、小沢氏が政治資金規正法や政党助成法の作成者であり、これらの法律に通じたプロであることを良く知っています。一方で国民は、小沢氏がプロだから法律の抜け道に精通していることも良く知っています。

「法律違反」に絡む法的責任は裁判所で明らかにしてもらえばよいでしょう。国会ではできれば証人喚問の場で、小沢氏が法の網をいかにかいくぐって巨額の政治資金を集め、蓄え、手兵を囲ってきたのか、その実態を解明していただければと思います。その際、小沢氏には最低限、以下の点についてお答えいただき国民への説明責任を果たしてもらいたいと思います。

(1)ダム工事受注に絡む水沢建設による1億円のヤミ献金は本当になかったのか。19年に「陸山会」に貸し付けた4億円の資金の出所は何か。小沢氏及び小沢氏系列の政治団体が保有している現金、不動産、預金などの残高はいくらか。その資産残高の原資は何か、出所はどこか。

(2) 旧新生党解党時に公党の資金を自系列の「改革ホーラム21」へ移した
約9億円、同じく旧自由党解党時に自系列の「改革国民会議」へ移した約13億円の中に含まれる立法事務費、政党交付金(いずれも公金)は幾らか。それを国庫へ自発的返還する気はないか。これら小沢系政治団体に公金から溜め込んだ資金を誰に配ったのか。

(3) 06年~08年の間、政党交付金など公金を原資とする巨額の組織対策
費を子飼いの山岡賢次衆院議員(約17億円)、佐藤泰介元参院議員(約5.3億円)など当時の財務委員長を通じて誰に配ったのか。その明細を明らかにせよ。選挙時に使ったのだとすれば、民主党候補員全員に公平に配るべきだが、親小沢の議員を偏重して配っていないか。公金で私兵を養ってはいないか、公党を私物化していないか。

国会招致を拒否すれば分裂を恐れず小沢氏に離党勧告を出しましょう
しかし、小沢氏は、嘘をついても罰せられない「政治倫理審査会」ですら出席する意思はないようです。田中角栄氏譲りの派閥型金権政治という古い政治手法の実態を知られたくないからでしょうか。しかし、世論調査によれば、70%以上の国民が小沢氏の国会招致を求め、小沢氏の古い政治手法の実態を知りたいと思っています。菅代表も岡田幹事長も、民主党の単なる「一兵卒」である小沢氏が民主党の役員会決定を無視して国会招致を拒否すれば、直ちに小沢氏に離党勧告を突きつけ、民主党のガンとなっている古い政治手法の根を断つべきだと思います。

小沢氏と小沢同調グループが離党し民主党が分裂しても国民は痛くもかゆくもありません。これで政治手法(金権政治かクリーン政治か)でも政策理念でも水と油の党内異分子が民主党からいなくなります。民主党は、岡田、前原、野田という次世代の政治家群を軸として、政治手法や政策理念で近い自民党や公明党、みんなの党と連立政権を樹立し、多数派を形成すればよいだけです。国民は日本国が衰退の危機にある現在、危機を乗り切ることができる、政策理念が一致した絶対多数派(安定政権)をひたすら求めています。

小沢同調グループの「一票稼ぎ」の政策発想にはほとほと愛想が尽きます
小沢氏及び小沢同調グループは、選挙に勝つためだけに作成されたとしか思えない「09年衆院選マニフェスト」にまだ拘泥しています。現在の民主党主流派は、これが「財源なきバラマキ型の八方美人マニフェスト」であったことをはっきり認識しそれを修正しているのです。小沢同調グループと反小沢グループの基本的対立は09年衆院マニフェストを修正するか、修正を拒否するかから発していると言っていいでしょう。

修正を拒否する小沢同調グループは、ムダを省けば財源はあるとまだ言っています。そういいながら、小沢氏の秘書だった松木謙公議員など小沢同調グループの政務三役は予算のムダを省くために行われた「事業仕分け」に終止符を打てと叫んでいるのです。

矛盾だらけですが、彼らは基本的には、ムダを省けば財源はある、埋蔵金はいっぱいある。国債の累積残高を気にせず、消費税論議を否定し、財政再建を棚に上げ、子供手当も農家の戸別所得補償も高速道路の無料化も何もかも、選挙の票になる(と思っている)政策をどんどんやれと言っているのです。

さらに鳩山前総理を含む小沢同調グループは、あれほど敵対していた農協と野合して、日本の農業を滅ぼすTPP(環太平洋経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)には反対と言っています。自由貿易協定の締結を進めるために農業の戸別所得補償をマニフェストに入れたことなどとっくに忘れているのです。

彼らには、自由貿易協定の締結を契機に農業の「抜本的な構造改善」を断行し、競争力をつけ輸出でも稼ぐことができる農業者を生み出す政策などないようです。10アール(一反、300坪)の小農、たとえば農協勤め、役所勤めの土日営農の兼業小農家にも所得保障という小銭をばら撒き彼らの一票を釣り上げるという政策があるだけのように思えます。

「小鳩前政権」が日米同盟の弱体化をもたらし中ロに付け入る隙を与えた
他にもあります。安全保障政策です。尖閣での中国漁船の衝突、ロシア首相の北方領土訪問、北朝鮮による韓国領砲撃と次々に大事件が発生しましたが、これでわれわれは、日本の周囲には中国、北朝鮮、ロシアと民主主義から遠くかけ離れた非常識な国家が存在することを改めて知ることになりました。武力で国際紛争を解決できない国家である日本にとってアメリカの軍事力を抑止力として使える日米同盟の重要性も改めて認識することになりました。

鳩山氏の米軍の有事駐留論や小沢氏の「米軍は第7艦隊だけでよい論」にもとづく沖縄・普天間基地問題への対応策が日米同盟の弱体化に手を貸し、領土問題で中ロに付け入る隙を与える結果になりました。鳩山氏が爺さん(鳩山一郎)譲りのロシア人脈、小沢氏が田中角栄以来の中国人脈が駆使しても、中国による尖閣諸島の領有意思、ロシアの国後、択捉両島の領有意思をくつがえさせることはできないでしょう。

普天間問題の迷走で小鳩政権が危うくした日米同盟を懸命に修復しようとしている前原外務大臣です。菅総理は、自由貿易協定の締結を通じて、国際経済一体化の輪に加わることによって国際関係の緊張緩和の道を探っているように思えます。こうした現政権の方向性にも小沢同調グループは反対しているように思えます。

いま選挙を行えば民主党は大敗します。しかし民主党で一番議席を失うのは09年衆院で小沢氏から一人当たり500万円もらって当選した小沢ガールズ、小沢チルドレンです。今回の党執行部は岡田幹事長です。選挙対策費は公平に分配されるはずです。金がなければ小沢秘書グループでも当選は危ういでしょう。その意味でも岡田さん、前原さん、野田さん、民主党分裂を恐れる必要はありません、どうぞ、国家国民のため、小沢分離を急ぎ、政治手法(金権政治の排除)と政策思想のより近いグループとの政界再編に進んでください。

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QuonNetコミュニティ | 2010年12月17日 13:05

この記事へのコメント

1. Posted by 石井勝治 2011年2月 7日 08:06

貴氏の記事を、「大阪、東淀川区で政治を考える会18名」は、
教科書とさせていただきます。(平均年齢68歳)
私たちは、前選挙の際「小沢氏のいる民主党を、支持するか
否かで、結論が出ませんでした。しかし、民主党に期待して、
投票しました。
昨年の小沢氏宅の新年会に、金の前にひれ伏すような姿は、
民主党を支持した私たちをがっかりさせました。
氏の記事を元に、再度勉強し直そうと、意見がまとまりました。

プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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