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大西良雄ニュースの背後を読む

2007年9月

2007年9月27日 14:57

「テレビ座敷コメンテーター」の間違い

(07年9月27日筆)
 
福田康夫新内閣が発足した直後の世論調査によると、その支持率は最高が日経新聞の59%、最低が朝日新聞の53%でした。新内閣発足のご祝儀も含まれていますが、この支持率は低からず高からず、程よい支持率だったように思えます。これからどれくらい支持率が上がるのか下がるのか、見ものです。

いまや国民は、テレビ座敷に座って、誰にも分かる「小さな正義」を振りかざす総コメンテーターになっています。経済政策や構造改革、外交政策に表現される「大きな正義」にはなかなか想像力が及ばないというのが現実です。いくら福田内閣が素晴らしい「大きな正義」を主張しても、「小さな正義」が損なわれればその声はかき消されてしまいます。これが、日本の民主主義の現在の到達点です。

「大きな正義」の視点をひとつだけ挙げます。現在のわが国の財政事情は最悪です。国家財政にだけ限定していいますと、83兆円の支出のうちこれまで積もった借金(国債)の利払い分は21兆円にのぼります。この利払いだけでも大変なのに、社会保障費が年々膨らみ、歳入の不足分は23兆円もの国債発行(借金)によって賄われているのです。わが日本政府は、金利支払いに追われ多数の消費者金融から借りまくっている多重債務者と同じなのです。

国家だけでなく地方自治体の財政も赤字で、国家、地方合わせた長期債務残高は773兆円に達しています。この金額は、国民がすべての所得を税金に差し出しても返済するのに1年半はかかる膨大なものです。分かりやすくいいますと国民一人当たり850万円、4人家族で3400万円もの借金(国家、地方合計の長期債務)を抱えているのです。

この借金は、誰が返済するのでしょうか。私のような高年齢者は借金返済前にこの世からいなくなっています。返済するのは私たちの息子や娘、孫たちです。彼らは、いずれ社会保険料と税金負担をあわせて所得の半分以上を毎年国家に差し出さなくてはならないでしょう。景気が悪くなれば公共事業、税金は安く、年金はたっぷり、生活は豊かになどというわれわれ現在世代の飽食のつけを、将来世代に払わせることは残酷です。これを世代間の所得格差といいます。この現在世代と将来世代の所得格差を解消することこそ「大きな正義」なのです。

この「大きな正義」を貫くには、現在世代には多少の我慢をしてもらわねばなりません。われわれ現在世代には、行財政改革によって歳出を減らし、経済成長によって歳入を増やして基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を均衡化させ、将来世代に過酷な負担を残さない覚悟が必要です。これまでも地方には、公共事業費や農業に対する補助金などでずいぶん財政資金を散布してきました。それらが積もり積もって大借金になっているのです。それでも地方は衰退している、だからもう一度財政資金をばら撒けというのでしょうか。

地方が衰退している理由は、財政資金をばら撒かなかったからではありません。ほかに理由があります。地方にさまざまな規制が残り、イノベーションが起きなかったからです。なぜ「特区」というような地域限定的な規制緩和しか地方では実現しなかったのでしょうか。規制改革の不徹底こそ地方衰退の原因だったといえるでしょう。

ついでに言いますが、規制緩和は、規制に絡む官僚と政治家、業者の利権構造(これを私は利権民主主義といってきました)を破壊する力を持っていたと思います。小泉政権は比較的クリーンでいられたのは、利権民主主義から遠いところに自らを置いたからです。規制の存在こそが利権を生み出し、特定の国民にだけ利益をもたらす元だったのです。

財政構造改革をはじめとする「大きな正義」の議論をきちんとすることがいまは大切ですが、それを阻むのは「テレビ座敷コメンテーター」の「小さな正義」論です。その矛先が再び、政治家のカネに絡む問題に向けられることは間違いありません。政治家が金儲けをしている、政治資金の管理がずさんだなどという批判は、子供にでもできる批判です。

政治家の「小さな不正義」をあげつらい、世代間の格差解消や利権民主主義の壊滅という「大きな正義」を論ずる場を奪うのは、もういい加減、止めてほしいと思っているのは小生だけでしょうか。

2007年9月20日 16:25

二日酔いをごまかす迎え酒

(07年9月20日筆)

福田康夫さんが勝つのか、麻生太郎さんが勝つのか、自民党の総裁選挙の結果がまもなく出ます。

福田康夫さんの父親の福田赳夫元総理には小生も取材でお会いしたことがありますが、あまり寒くもないのに股引をはいていておられたことが記憶に残っています。東大を主席で卒業したとびっきり優秀な大蔵官僚出身でしたが、頭の良さより股引きのほうが記憶に残る「カカア天下・上州」の政治家にみえました。

赳夫さんは、総理退任後、政治のお目付け役として水戸黄門になぞられました。いまの黄門様は民主党の長老・渡部恒三(前衆議院副議長)ですが、71歳の福田康夫さんには、これから総理になろうというのに、すでに黄門様2代目の雰囲気があり、国民はその「いぶし銀のような安定感」に期待しているようです。

麻生太郎さんは、高祖父である明治の元勲・大久保利通(薩摩出身)より母方の祖父・吉田茂元総理(土佐出身) のほうに似ているとように思えます。大久保利通は「理の人」でした。国民的人気という点では、「情の人」で最後は西南戦争に担がれ城山で死んだ西郷隆盛より大きく劣りました。しかし、大久保は明治維新後の国家形成を冷静に進め、今日の日本の基礎を築いたすぐれた建設的政治家でした。私は、西郷より大久保をより深く知りたいといつも思っています。

吉田茂は、戦前はロンドンに駐在した外務官僚でした。英国仕込みのせいかチャーチル英元首相張りに葉巻をくゆらす(和服を着てですが)、その「ちぐはぐなキザさ」が印象的な政治家でした。孫の麻生太郎さんは、人口区分から言えば高年齢層に属する66歳なのに、漫画だとか「秋葉オタク」だとか、若者を演じてみせ、和服を着て葉巻をくゆらす祖父の「ちぐはぐなキザさ」が身についた「ちょい悪オヤジ」を演じています。

「いぶし銀」の黄門様が勝つか、「ちょい悪」のオヤジが勝つか、結果が出るまでは、何か変わるかもしれないという「ふわっとした」期待が湧くものです。しかし、しょせん人気取りのイメージ選挙に過ぎません。多分「いぶし銀」の福田さんが勝つのでしょうが、新総理が誕生した途端、その政治が何か変わるかもしれないという「ふわっとした」期待は、こっばみじんに打ち壊されてしまいそうです。

新総理には、野党が参議院で過半数を握っているという厳しい現実が待っています。その状態が次の参議院選挙まで2年以上もつづくのです。この間、次の解散・総選挙で勝つために、与党も野党も、地方という「民意」、弱者という「民意」の奪い合いを繰り返すことになります。その結果、与野党間に何らかの合理的な合意が成り立てばよいのですが、財政規律を無視した「ばら撒き政治復活」という不合理な野合をもたらす危うさを秘めています。

すでに野党の民主党は、それが第2の巨大な予算、財政投融資改革の突破口であることを知りながら、「郵政民営化を凍結する」というようなくだらない法案を提出しました。与党・公明党は、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の実現時期を先延ばししようと自民党に働きかけているようです。そのココロは、公共事業の復活、地方への財政資金ばら撒きです。

前鳥取県知事の片山善博さんは、「公共事業は二日酔いをごまかす迎え酒のようなもので、毎朝飲めば体をこわしてしまう。痛みを生みながらも持続可能な財政になるよう改革してきたのに、ここでもとに戻したら苦しむ時間が長くなるだけだ。それより、地方が考える力、底力をつけるような支援が大切だ」(朝日新聞07年9月20日朝刊)といっています。その通り、まったく賛成です。

公明党が地方票欲しさにプライマリーバランスの先延ばしを提案するのも、小沢・民主党が政権をとりたいために農家への「戸別所得保障制度」を参議院に提案するのも、片山さんの言う「二日酔いをごまかす迎え酒」にすぎません。二日酔い(地方の疲弊)を治すのは、まず酒(地方への一時的な財政散布)を抜くことです。酒を抜いてしらふになって、知恵を出し、汗をかき、底力を自ら培養することが大切なのです。地方が持続可能な底力を身につけるためであれば、民主党も自民党も、税源委譲や規制緩和、農地改革などの制度変更をどしどしやるべきです。

与野党が、使ったら何も残らない財政資金(血税ですぞ)をばら撒き、「民意」を奪い合いようなことを、地方の「民意」も弱者の「民意」も望んでいないはずです。「民意」が欲しているのは、お布施や掴みガネではなく、自分の息子や娘たちに自信を持って受け継がせることのできる仕事であり、その仕事を生み出すことができる環境なのだと思います。

「いぶし銀」福田さんも、「ちょい悪」麻生さんも、総理になったら、地方の「民意」も弱者の「民意」も施しは拒否する、誇り高い「民意」であると信じて、小沢・民主党のばら撒き政治にだけは歩調を合わせないでいただきたいものです。


2007年9月13日 10:06

高級官僚の「任務懈怠(けたい)」

(07年9月13日筆)

最近、気になるニュースが三つありました。いずれも、感覚的に言えば「やりきれない思い」がよぎるニュースです。

(1)戦中は大本営参謀(のちに関東軍参謀)、戦後は土光臨調の戦略参謀だった瀬島龍三氏(伊藤忠商事元会長)が死去。

(2)足利銀行の旧経営陣8人が預貯金の100万円を残しすべての資産を差し出すことで損害賠償訴訟の和解が成立。

(3)社会保険庁職員による年金横領50件のうち、刑事告発もせず当局に情報提供もしなかった「内々処理」15件が発覚。

この三つのニュースには何の脈絡もないように見えます。しかし、私には、「A級戦犯たち」の責任のとり方に大きな明暗があるという意味で、強いつながりのあるニュースに思えます。

「死んだらみな仏」という日本人からすれば、死者に鞭打つのは野暮の骨頂だといわれるのを承知のうえで言います。瀬島氏は、大本営参謀、関東軍参謀として戦争遂行の中枢に位置した「準A級戦犯」ともいうべき人物です。シベリア抑留中には、ソ連軍との交渉役として日本人抑留者を過酷な労働に追いやったと噂されています。

そんな都合の悪い過去に一切口を閉ざし何も語らず、戦後、大企業、国家の戦略参謀として復活したのです。語れば「過去の責任」を問われるから、「沈黙は金なり」だったのでしょうか。瀬島氏は心の中で、厳冬シベリアでの過酷な強制労働で死んでいった多くの戦友、部下たちに手を合わせ続けていたとは思いますし、法的には「準A級戦犯」には問われなかったかもしれません。しかし、戦中の作戦参謀、関東軍参謀としての「道義的な責任」は逃れようがありません。大企業の経営参謀としての復活は許されても、国家の戦略参謀としての復活はとうてい許されるものではありません。

足利銀行の旧経営陣8人は、バブル崩壊による「金融敗戦」の「A級戦犯」でした。法律用語で「重大なる任務懈怠」があったのだそうです。大辞泉をひくと、「懈怠(けたい)」とは、「怠けること」、仏語で「精進しないこと」とありました。経営者としての任務を怠けて、不良債権を隠し利益が出ていないのに違法配当したとか、焦げ付くことが分かっていて融資した、その監督責任が問われたのです。

それにしても彼らの「任務懈怠」に対する代償は過酷なものでした。100万円の預貯金を残し、家屋敷その他すべての資産を取り上げられるのです。「老ゆる人生」を、年金と100万円の蓄えだけで過ごせ、借家生活をしなさい、というのですから、隠し財産でもなければ「死ね」といわれているのに等しい和解受諾でした。銀行の経営者といっても私らと同じサラリーマン上がり、深い同情を禁じえません。

瀬島龍三氏は、結果としてひどい国家敗戦や抑留者の犠牲をもたらした「任務懈怠」をどのように自己総括されたのでしょうか。国家行政に携わるものを官僚といいますが、瀬島氏は陸軍という戦前最強の官僚組織のトップを構成する一人でした。戦前も戦後も、高級官僚は「任務懈怠」があっても、知らぬ存ぜぬ、「沈黙は金なり」が常套手段です。

社会保険庁職員の保険料不正横領は、地方官僚の犯罪です。不正横領50件が氷山の一角とさえ思えるほど官僚組織の堕落は進んでいます。しかし彼らは、戦犯で言えばB級、C級戦犯に過ぎません。A級戦犯、つまり監督責任を怠け「任務懈怠」を繰り返し、組織の堕落をもたらした高級官僚は、裁かれないのでしょうか。

彼らは、不正横領に対する「任務懈怠」だけではなく、地方官僚よりもっと大きな犯罪を行っていると私は思います。ずさんな年金記録管理は、彼らの組織設計に問題があったと思いますし、赤字垂れ流しの「グリーンピア」問題は、天下り先に絡んだ保険料の実質的な不正使用だと思います。

「内々処理」15件という記事は、B級、C級戦犯がその罪をかばい合っているという風に読めます。身内をかばう官僚独特の風土です。身内からも見捨てられたそれ以外のB級,C級戦犯の中には、免職になり退職金ももらわず今は身を潜めて「老ゆる人生」をすごしている人もいるでしょう。それも自業自得とあきらめるほかありません。足利銀行の旧経営陣と同じです。

その一方で、「任務懈怠」を冒し、国民の保険料を不正使用した社会保険庁の過去の高級官僚、つまりA級戦犯は、「のほほん」と優雅な老後を過ごしているのでしょう。天下りをなんども繰り返し、法外な退職金を懐にして法外な年金をもらっているのですから。

私の「やりきれない思い」は、瀬島氏を含む高級官僚たちの、自分自身に対する「任務懈怠」(自己規律、自己責任、自己監督を怠っているという意味です)から発しているにちがいないと、この文章を書きながら思っているところです。

2007年9月 6日 18:50

あまりにもドメスティックな報道

(07年9月6日筆)
 
最近は、アメリカのサブプライムローン焦げ付き問題や世界の金融梗塞状態を知りたくて、小生、NHKの衛星放送で放映しているアメリカのABCニュースやイギリスのBBCニュースのほかフランス、ドイツ、韓国、中国などのニュース番組を見ることが多くなりました。

9月3日、例によってこれらの番組を見ていたら、「北朝鮮が年内に核施設の無能力化に合意した」と言うトップニュースが飛び込んできました。海外のテレビメディアがこのビッグニュースを取り上げているのですから、早速、わがNHKニュースもトップで報じているであろうと思って、チャンネルを切り替えてみてみたのですが、待てど暮らせど、出てきません。海外のメディアが誤報したのかと疑ってしまいました。 

誤報でなければ、新聞の夕刊が一面トップで大きく報じているであろうと、夕刊が配達されるのを待って急いで紙面を開いてみたのですが、でかでかと出ているのは「遠藤農水相が辞任」(朝日新聞9月3日夕刊)でした。「核無力化年内で合意」という記事もありましたが、その脇の小さな扱いでした。農水相辞任などどうでもいいのに、それがあまりに大きな扱いでしたから危うく「核無力化」の記事を見過ごすところでした。

それでも翌日の朝刊に期待して紙面を見てみたのですが、1面トップはまたまた遠藤農水相辞任問題で、「首相 蚊帳の外」という記事が紙面の大半を占めていました(「朝日新聞」9月4日付)。しかし、その脇には「北朝鮮"テロ国家"解除報道」と題した記事が掲載され、つづく2面にはその解説が大きく書かれていましたので、ほっと胸をなでおろしました。

しかし、「ほっと胸をなでおろした」のは瞬時でした。2面解説の三分の二は、テロ国家指定解除の問題と拉致問題の解説でした。この二つは、同根です。拉致問題などが残っているから北朝鮮はアメリカからテロ国家指定を解除されなかったのです。テロ国家指定が解除されれば、日本人拉致問題は宙に浮いてしまう。だから、テロ国家指定解除の問題のほうが「核無力化」より日本人には重要だと思って大きく取り上げたに違いありません。

日本のテレビ・新聞は、極東全域の安全保障にからむ北朝鮮の「核無力化」という国際的重要テーマより、遠藤農水相の辞任というつまらない国内政治テーマ、あるいは「拉致問題」とそれにからむ「テロ国家指定解除」というどちらかというと、心情的・感情的に流れ易いテーマ(拉致家族の皆さんのご心労はよく理解しているつもりですが)を意図的に重視しているやに見えます。遠藤農水相辞任より、近隣の中国、韓国にも、ロシアにも、とくに日本には、北朝鮮による核、ミサイルの暴発問題が、もっと重要な問題であることぐらい、優秀な日本のジャーナリストであれば分かっているはずです。又、拉致問題についても、重要な議題である事は当然なのですが、今回の場合はその部分のみをあまりに突出する取り上げ方になっていないか、については冷静に判断すべきと思います。

それなのに新聞などが、「核無力化」という日本人にとっても最大の朗報を軽視しているように見えるのには、それなりの理由があります。それは読者が読まない(望んでいない?)からです。私にも経験があるのですが、週刊誌の巻頭特集に国際政治や国際経済の重要テーマを取り上げたときに限って、売れ行きが大きく減ってしまうのです。「国際」テーマは、商業上、タブーのテーマのひとつになっています。

「国際」テーマは、実は、回りまわって日本人の生活に大きな影響を与えるのですが、日本人はもともと「回りまわって考える」想像力が乏しいし、想像力をめぐらす暇もないのかもしれません。私の出身母体である「週刊東洋経済」も9月第1集にサブプライムローン問題に絡む「世界同時金融梗塞」を巻頭特集すると期待していたのですが、特集は身近な、日本人の想像力の及びやすい「小さい福祉国家―老後不安大国」(07年9月8日号)でした。がっかりです。

ジャーナリズムが、グローバルな重要テーマを避け、拉致問題やら格差・年金問題、閣僚のスキャンダルといった感情的でドメスティック(国内)なテーマに明け暮れしているうちに、日本人のナショナリズムがどんどん膨らんでいっているように思えてなりません。
北朝鮮に絡んで、「拉致問題」より「核・ミサイル」のほうが重要だ、「経済制裁」より「粘り強い外交交渉」などと言えば、いまや国賊扱いされかねません。自民反主流の山崎拓代議士や元外務官僚の田中均氏がそうでした。北朝鮮の「核・ミサイル」が無力化されて困るのは、北朝鮮の脅威を言上げして、集団自衛権行使や軍事力強化を主張してきたナショナリストたちでしょう。

私も格差・年金の問題解決は重要だと思いますが、これをあまり感情的に報道すると、金持ちや資産家を妬み、「貧しい国民が正義である」という風潮をジャーナリズムが醸成することにつながり、危険です。ナチス・ヒットラーの国家社会主義は、ユダヤ人に代表される金持ち、資産家への妬みをあおり、「貧しいドイツ国民」に熱狂的に支持されて成立しました。戦前の日本軍国主義は、腐敗した財閥を槍玉に上げ、「貧しい日本の農民を救う」という軍部の大義名分によって生み出されました。一般庶民は、これに喝采したのです。

日本人は、いまやインターナショナルの環境から多大な恩恵を受け、活かされているのです。偏狭なナショナリズムに従っていては、民族の存立すら危ういといって良いでしょう。機会があればそのことも書きたいと思いますが、ここは、「国際」テーマという売れない記事も重要であれば大きく取り上げる、あるいは、格差にせよ年金にせよ、国際的な比較などを十分踏まえた冷静な報道が求められていることを述べて終わります。

プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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