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大西良雄ニュースの背後を読む

2007年4月

2007年4月26日 13:41

面白くなる株主総会

(07年4月26日筆)
 
6月にはいると3月期決算会社の株主総会がラッシュになります。今年は総会屋ではなく大株主の活躍によって、いくつかの会社の株主総会で大荒れが予想されます。その代表選手がTBSの株主総会、もう一つがペンタックスの株主総会です。TBSの株主総会では大株主の楽天がカルチュアル・コンビニエンス・ストアと組んで社外取締役を派遣するという株主提案を行いますが、これについては別に触れる機会もあるでしょう。

興味があるのはペンタックスの株主総会のほうです。ペンタックスの発行済み株式数の23・98%を保有する実質的な第1位株主であるスパークス・グループが,HOYAとの合併に反対する取締役を刷新する株主提案を6月22日の株主総会で提案すると、発表しました。株主提案によって社長以下役員の再任が拒否されることになれば、最近では例のない「快挙」ということになります。

スパークス・グループなどとカタカナ社名ですから外資系の会社と間違いがちですが、この会社は野村證券出身の社長が創業した純然たる日本の会社です。投資家から資金を集め株式などに運用して、投資顧問料や成功報酬を上げて稼いでいる会社で、ジャスダックに上場しています。たとえば、「もの言う株主」として世界的に知られるアメリカのカルフォニア州職員退職年金基金(通称カルパース)などの資金を日本株に運用して、その成功報酬を稼いでいます。

スパークスがペンタックス株を大量に保有しているのは、ペンタックスの経営権を支配することが目的ではありません。買収目的ではなく純然たる値上げ益を狙った投資目的です。彼らは、HOYAとペンタックスが当初合併すると合意して、合併比率の発表した際、これに反対を唱えました。合併比率がペンタックスの株主、つまり自分たちの持ち株が安く評価されて不利だ、儲けが少なくなるといって反対したのです。

ですから、スパークスは、HOYAによる合併であれTOBであれ、あるいはペンタックス経営陣による経営改革であれ、結果としてペンタックスの株主価値(つまり株価)が上がり、自分たちに資金を預けてくれているカルパースなどの投資家により多くに運用収益を還元し、自分たちは成功報酬を多く稼げばよいのです。自分たちの株主利益を損じるような、ペンタックスの合併反対役員など要らない、株主総会では再任しないということになるのです。

そう考えているのは、ペンタックスの実質第2位の大株主フィディリティ投信(持株比率12.61%)も同じで、両者が組むと36.59%の議決権比率になります。この議決権比率は、経営側から提案される合併、増資などの特別決議提案に対して拒否権を発動できる比率です。個人株主やその他の株主からスパークスが株主総会の委任状を得ることができれば議決権比率50%超も可能です。そうなると、取締役の選任権を得ることができ、合併に反対する役員は一掃されることになります。事実、スパークスは、合併反対派を取締役に再任しないだけでなく、合併を進めていた前社長と専務(反対派のクーデターで降格)と自らの意見を代弁する経営コンサルタントを取締役候補として提案する意向です。

合併反対派の新社長と創業者系の役員、銀行系の役員、そしてその背後にいる従業員にとって、株主総会が運用収益を稼ぐのが目的の投資家によってかき回されることは耐え難いことだと、同情は禁じえないのですが、では、将来にわたってペンタックスが生き延び、株主価値を上げることができる経営施策が現経営陣およびメインバンク側にあるのか、はなはだ心もとないというのが現状ではないでしょうか。

いまや、株主の利益に貢献しない経営陣は職を失うという「株主資本主義」の冷徹な法則が日本の経済社会を貫くようになりつつあります。そのことがいいことであるかどうか、議論のあるところですが、私は、株主の利益がその他従業員を含む会社の利害関係者(ステークホルダー)に利益に反するとは思っていません。会社は、利益を上げなければ存続できないし従業員に給料も払えないというのも現実です。利益を上げることができれば、株価が上がり株主価値は高まり、従業員の給料も上がることになるからです。

では、この大株主と現経営陣の争いは、委任状争奪戦(プロキシーファイト)を経て、ペンタックスの株主総会の場で決着を見るのでしょうか。もし、スパークスが勝ち、役員陣が株主の意向で総入れ替えになるようなことが起これば、日本の企業統治(コーポレートガバナンス)に画期を印すことになります。しかし、そうはならないのではないでしょうか。

6月22日の株主総会までに、現経営陣と大株主スパークス、友好的なTOBの成立を念願しているHOYAとの間で真剣な話し合いが持たれ、何らかの決着を見るのではないでしょうか。現経営陣が、株主価値を上げる自主的で納得ができる経営施策を打ち出すことは困難だと思いますから、結局,HOYAの友好的TOBが成立するような環境づくりが行われると予想されるところです。

その場合でも、ペンタックス経営陣の、いかにも日本的で情緒的な企業統治が株主によって否定されたことに変わりはありません。

2007年4月19日 15:48

死ぬまで「あくせく」「わがまま」

(07年4月19日筆)

私ごとで恐縮ですが、本日4月19日は小生の誕生日です。62歳になりました。会社勤めの頃は、自分の誕生日など気にもなりませんでしたが、60歳を過ぎ、退職が近づいたころから誕生日が来るのを少しは意識するようになりました。

これから訪れる誕生日は、いずれ訪れる「死」という人生の終着駅への一里塚です。今の私には、誕生日は「死ぬまでどのように生きるか」を考える日でもあります。何もしないでいずれ訪れる「死」を待ち、ただただ「死」を恐れず受け入れる心を養うという宗教家のようなことは私にはできそうもありません。

家族から「お父さんは、眠るごとく静かに死んでいきました」と言われて死ぬのが私の夢です。しかし、何人かの肉親、知人の死に方を見取ってきた経験から言えば、誰でも「眠るごとく死んで行った」ように思います。

「死」は意識の混濁から始まり、意識を完全に失い、それから心肺停止と言う物理的な死を迎えるという段取りになっているといいます。たぶん、「眠るごとく」ではなく意識を失い「眠ったまま」、「死」を迎えるのではないでしょうか。私は、眠りに着き二度と起きることがない状態、つまり「死とは眠ることなり」と簡単に考えています。「死」に向かう眠りも、いつもの眠りと同じで、気持ちの良いものだと信じています。

ですから、「気持ちのよい眠り」につくまでの間、私は、一日一日をあくせく、わがままに生きることにしようと考えています。「あくせく」とは、「死」などという余計なことを考えない、あるいは余計なことを考えていられない忙しい状態をつくりだし、その状態を日々消化していくことを意味します。「わがまま」とは、他人に強制されず、自分の意思でその忙しい状態を生み出すことを意味します。

日本人は、勤勉で実直、「忙しい状態」で生きることが得意です。江戸末期から明治初期に日本を訪れた外国人たちの日本訪問記を読むと、日本人は、朝は陽がのぼる前から起き出し、日が沈むまで忙しく農作業に勤しみ、それでも身なりはこざっぱり清潔で、いつも笑みを絶やさないと書かれています。

今の日本人も変わりはありません。田んぼが工場やオフィスに置き換わっただけです。朝6時には起き7時には家を出て、午前8時や9時から時には夜の10時、11時までサービス残業も厭わず(?)、みんなこざっぱりしたビジネススーツを身にまとい、清潔な職場で、笑みを絶やさず、忙しく働いています。江戸の農民が平成のサラリーマンになっているのです。

ところが、です。ある日突然、日本人にとって民族的な習性というべき「忙しい状態」が途切れてしまうのです。それがサラリーマンの定年というものです。定年を迎えると、とくに男は、亡くなった城山三郎さんの小説『毎日が日曜日』ではありませんが、何もやることがない日曜日が毎日、死ぬまでつづくのです。

たしかに、会社人生のように毎日が「忙しい状態」では疲れるとかストレスが溜まります。しかし、毎日が日曜日になると、「暇でしようがない状態」から生まれる疲れやストレスがどんどん溜まり始めるのです。暇人になるとろくなことしか考え付かないともいいます。私は、農民であった遠い先祖に思いを致し、「忙しさを厭わない」という日本人の美徳を、退社後も失わないようにしたいと思っていたのかもしれません。毎日が日曜日になっても「忙しい状態」を継続することが、「死ぬまでどのように生きるか」の答えだったように思います。

これまでの「忙しい状態」は組織のリズムの中で他から与えられたものでしたが、定年後のこれからは自分の意思で自ら「忙しい状態」を生み出さなければなりません。これが実はきわめてむずかしい。しかし、方法はあります。退社後は、これまでの仕事やスキル、人間関係からまったく無縁のことを始めて「忙しい状態」を作り出そうと考えているという人もいます。それも結構ですが、30年も40年も人生をかけて蓄積したスキルや能力、人間関係を捨て去るのは、いかにももったいない。

レオナルド・ダビンチのようなマルチ天才なら別ですが、やはり自分にできることは限られています。会社人生の中で後天的に付与されたスキルや能力をどこかで生かすことによって、「忙しい状態」を作り出すのがもっとも簡単で楽なことです。あまり収入にはつながりませんが、できないことをやって「労多く益少なし」になるよりましです

というようなことを、誕生日にかこつけて書いている私のうしろで、かみさんが忌々しく、こう言い放ちそうな雲行きです。あなたの「あくせく」と「わがまま」は、誰の犠牲のうえで成り立っていると思っているの――と。退職後の「毎日が日曜日」の過ごし方については、奥さんと重々相談されることを、ご忠告申し上げまして、今回は終わりにします。

2007年4月12日 14:06

ペンタックス経営の不可思議

(07年4月12日筆)

HOYAとペンタックスの合併交渉が、ペンタックスの大株主から合併比率に対する不満が上がったのを機に暗礁に乗り上げ、合併から一気にTOB(株式の公開買付)合戦に移る雲行きです。それがHOYAによる敵対的TOBになるのか、友好的TOBになるのか、外資・内資が絡んだTOB合戦になるのか、すべてがまったく白紙に戻りペンタックスの株価が急落して終わるのか、それはそれとして興味深いものがあります。

しかし今の時点で、私が興味をそそられるのは、合併をめぐるペンタックス側の内紛劇です。内紛の表面化は、投資ファンド・スパークス・グループやフィディリティ投信など大株主の合併比率に対する不満、つまり合併比率がペンタックス側に不利なため、結果的に彼らの持株を安く買い叩かれることへの不満がきっかけでした。それが単なるきっかけに過ぎないことはその後の経緯で明らかです。

その後、HOYAとの合併の事前交渉は浦野文雄社長(その後解職)が「独断」で進め、昨年12月の合併合意の記者発表の当日まで他の取締役は「その経緯を知らされていなかった」という事実が明らかになりました。ペンタックスの取締役会はどのようになっていたのでしょうか。

私の経験ですと、合併や提携、合弁会社の設立などの案件は、交渉相手との間に守秘義務協定が結ばれて交渉が始まります。交渉はかなり重要な経営情報の交換から始まりますので、それがライバル企業などに漏れると大変なことになるからです。守秘義務がペンタックスの取締役会に及ぶのは当然ですが、取締役は守秘義務を守りながら、全員で合併の是非について議論するのは当たり前のことです。社長が交渉情報を一人独占して他の取締役に知らせないというのは異常です。

しかし、浦野社長が「独断」で成立させた合併合意に対して、他の取締役たちも最初は賛成していたというのですから、ますますわけが分からなくなります。その後合併反対に回ったある取締役は、その理由について「浦野社長は当初、大株主や金融機関なども合併に賛成しているといっていたが、実際には創業家が反対するなど、説明が食い違っていることがわかってきた」と述べたと朝日新聞07年4月10日付は報じています。

ある取締役がいう「大株主」とは創業家であり、「金融機関」とはメインバンクであり大株主でもあるみずほコーポレート銀行だったようです。ペンタックスの取締役会には創業家一族の取締役、みずほコーポレート銀行出身の取締役がいます。彼らも合併合意に当初は異論を唱えなかったのですから、創業家もみずほも当初は暗黙裡に合併を了承していたことになります。事実、浦野前社長は、日経新聞のインタビューに答えて「創業家一族の岡本育三取締役が始めて合併に反対だと言い出した。彼は昨年12月に真っ先に合併に賛成した人間だった。」(日経新聞07年4月11日付)と述べています。岡本取締役が反対の口火を切ると、社長と専務以外の取締役が次々に追随し、合併反対に回り始めたといいます。

創業家一族の取締役は、なぜ態度を急変させたのでしょうか。ペンタックス(前身は旭光学工業)の創業事業はカメラ事業です。一眼レフカメラでも業界に先駆しました。そのカメラ事業への合理性を超えた自負と思い入れが創業家の態度急変につながったと思われます。合併先のHOYAの鈴木代表執行役が、合併後は浮沈の激しい不採算のカメラ部門は売却することもあると発言したことから、創業家は一気に反対に回ったのでしょう。

NHKで放映された連続ドラマ「ハゲタカ」とそっくりです。ドラマ「ハゲタカ」では、小説の舞台になった電機会社の創業会長も、彼に心酔する技術者も、創業事業であるレンズ部門の合理化に反対し、外資家の再生ファンド(いわゆる「ハゲタカ」)と相克を繰り返し、最後はメインバンクを巻き込んだTOB合戦になります。レンズ部門を合理化しなれれば、他も生き残れないという状況は、ペンタックスと同じです。

デジカメの時代になってカメラはカメラ専業メーカーの金城湯池ではなくなりました。電子・電機など異業種からの参入もあり、赤字、黒字を繰り返す不採算事業になりました。富士フイルムもコニカミノルタも京セラもカメラ事業から撤退し、得意分野に経営資源を集中しています。デジタル技術に遅れをとったペンタックスが、不採算のカメラ事業部門を抱えたまま生き残れる保障はありません。胃カメラなどペンタックスには将来も利益を生み出せるライフケア事業などがあります。HOYAと合併し、カメラから撤退してそれらの事業に経営資源を集中していけば生き残れることを、「独断」社長も、社長以外の創業家「追随」取締役も十分分かっていたはずです。

分かっていても、創業一族、それに追随する社長以外の取締役たちは、カメラ事業の売却に抵抗しているのです。彼らの背後には、現状を何とか改革したいと思っている「歯噛み社員」もいます。一方、万年低収益でも居心地のいいペンタックスを守りたい、つまり職を失いたくない、冷や飯を食いたくない「ぬるま湯社員」もいます。「独断」社長を解職に追い込んだペンタックスの新経営陣は、これらの「歯噛み社員」や「ぬるま湯社員」をこれからも食わせていかなければならないのです。

M&A(合併・買収)は、株主に報うことができない、社員を食わせていけない経営陣を入れ替えて、企業価値を高める手段です。ペンタックスの新経営陣には、株主に報い従業員を食わせ続けられる独自の経営プランがあるのでしょうか。

2007年4月 5日 11:10

なぜ「量刑」が異なるのか(2)日興コーディアルの上場維持

(07年4月5日筆)
 
マスコミは無責任で移ろいやすいものですね。あれだけ騒いだ日興コーディアルとライブドアの粉飾事件報道もきちんとした事後検証もなしに消えてしまいました。今度は、西武ライオンズのアマ選手への裏金報道です。なぜ裏金が悪いのか、これにも私の意見がありますが、それは後回しにします。私は、気の抜けたビールのようなテーマになりましたが、日興コーディアルがなぜ上場維持になったのか検証したいと思います。

驚くことに新聞各紙はすべて、東京証券取引所の西室泰三社長から上場維持の決定が発表される前日まで、「日興、上場廃止へ」と報道していました。たぶん記者諸君は、発表前日までの東証関係者への取材から「上場廃止」の強い感触を得ていたのでしょう。それが、1日でひっくり返ったと自己弁護するように新聞は報じています。

1日で上場廃止から上場維持にひっくり返ったのは、日興コーディアルに安倍総理と同じ大学出身の常務がいたからだとか、上場廃止によってシティに安く買いたたかれるのを防ぐためだという陰謀説も出る始末です。こんな陰謀説が出てくるのも、東証の決定が極めて政治的判断であったことを暗示しています。

西室社長の「上場維持」の決定談話によると、上場を維持して理由は以下の通りでした。1) 日興コーディアルの水増しは経常利益だけであり、その水準もマイナーだった
2) 不正経理への全社的、組織的関与があったと結論を下す決定的証拠がなかった
3) 上場基準が厳しすぎて市場に混乱を与えてはいけない。市場を安定的に運営する観点から上場廃止は決定できなかった
1)と2)の理由は、東証という強制力のない民間組織による審査・調査能力には限界があることを表しています。3)は上場廃止に至らなかった政治的判断を述べていることになります。

まず、審査・調査能力の点ですが、ライブドアの事件と比較するとその差が良くわかります。ライブドア事件では、いきなり東京地検特捜部が強制捜査に踏み切り、堀江被告らは証券取引法違反容疑で逮捕され、拘留されました。強制捜査による徹底的な証拠集めが行われたうえで、検察の取調室で被告らに対するきびしい取調べ・尋問が行われたのです。国家権力による強制力のある捜査と東証のような強制力のない民間の自主規制組織による審査・調査では、雲泥の差があります。東証が「決定的証拠がなかった」と吐露したのは、強制力のない自主規制組織の限界を示しています。

そこで問題なのは、なぜ東京地検特捜部はライブドアを摘発し、同じ証取法違反の日興コーディアルには踏み込まなかったかです。日興コーディアルの粉飾は事件発覚以前にも東京地検特捜部の「地獄耳」に入っていたはずです。もし東京地検特捜部が日興コーディアルの関係者を逮捕・尋問していれば、違った結論になっていたと思います。ライブドアの株主は個人投資家を中心に20万人、ライブドアも堀江被告もマスコミの寵児になり金権社会をあおった新興勢力でした。日興コーディアルは投資のプロを含めて株主10万人、別に金権社会をあおったわけではないという判断が、検察当局になったのでしょうか。

日興コーディアルに対して誰も刑事告発もせず、粉飾への全社的関与の「決定的な証拠」も得られなかったとすれば、あとは3)の、上場廃止が市場や投資家に与える影響を考えた政治的配慮しか残らないことになります。

日興コーディアルは、預かり資産高も取引口座数もきわめて大きい野村、大和に並ぶ3大証券グループの一角です。ここが上場廃止になれば、投資家は日興株を市場で売れなくなり株価は急落します。それだけでなく、日興グループの信用力が大きく損なわれ、証券-銀行間の取引に動揺がおき、金融秩序に大きな影響を与えることになります。外資のシティーグループが日興コーディアルの買収を表明したのに対して、山本金融相が、証券ビッグバン当時のサッチャー英首相が言った「企業を守るのではなく、市場を守りたい」という言葉を引き合いに出して、これに賛意を示したのは、経済のインフラである株式市場や金融秩序を考えてのことだと思います。

しかしそれでもなお「同じ証取法違反なのに、なぜ」という疑問は残ります。ルールが不明確、ルールの解釈・適用が恣意的ということに釈然としない人はまだまだ多いのではないでしょうか。それとライブドアが上場廃止になった結果、ジャスダックや東証マザーズ、ヘラクレスなどの新興株市場は急落した後いまだ復活の兆しを見出していません。新興株は情報の開示や決算処理に間違いや不正が多いということも、その理由とされています。しかし、間違いや不正の多いのは新興株だけなのでしょうか。西武鉄道、カネボウ、蝶理、そして日興コーディアルと東証1部銘柄も間違いや不正という点では変わりがありません。

私は、当局やマスコミ、ひいては国民の潜在意識の中で、いつもエスタブリッシュメント(既成階層)とアウトサイダー(部外者・異端者)との間に、明確な線が引かれているのではないかと疑っています。日興コーディアルはエスタブリッシュメントでしたが、ライブドアは明らかに既成階層の部外者、異端児でした。自分の中にも異端児を胡散臭く思う気持ちが潜在しているのを否定しません。しかし、その気持ちを抑えて、エスタブリッシュメントもアウトサイダーも法の前で平等に扱われなければならないと考えるべきだと思っています。

プロフィール
ニックネームさん
大西良雄(経済ジャーナリスト)
上智大学卒業後、東洋経済新報社に入社。記者を経て「月刊金融ビジネス」、「週刊東洋経済」編集長を歴任。出版局長、営業局長の後、常務第1編集局長を最後に独立。早稲田大学オープンカレッジ講師のほか講演・執筆活動。
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