
2012年1月30日 22:32
先日、大阪国際女子マラソンがありました。重友選手というニューヒロインが現れ、ロンドン五輪へ向けて期待が膨らみました。
市民ランナーの端くれとしては、TVを見ながら手に汗握り声援を送りました。ところがその実況中継中に、耳障りなアナウンサーの声が・・・まずは8年ぶりにオリンピックを目指した坂本選手が遅れ出したとき。「坂本選手のオリンピック出場の思いが、徐々に小さく・遠くなっていきます!・・・」と。
その後、野尻選手、そして福士選手が遅れ出すたびに、「オリンピックの夢が小さくなっていきます・・・」という、まるでお決まりの台詞のごとく、同じフレーズを連発します。
おそらくこのアナウンサーは無意識にこのフレーズが出たのかもしれません。あるいはこのレースがオリンピック代表を選ぶレースだったので、このフレーズを用意して使おうと考えていたのかもしれません。
私はこの実況を聞いたときに、「なんて感じの悪い、無神経な言い方をするんだろう」と不快な気分になりました。たしかにフルマラソンでは一度失速し後退するということは、脚が走る力を失い回復不可能、つまりほとんど勝負では負けを意味します。だからと言って、けっして100%勝負がついたわけではありません。
実際、野尻選手は終盤必死でトップを追いかけ、3位ながら24分台でゴールしています。男子では市民ランナーの星・川内選手が同じように終盤、エリートランナーの山の神・今井選手らに追いつき追い越してゴールしたシーンがありました。
この中継をしたTV局のスポーツ実況中継は、昔からやや情緒的に悲壮感を煽ったり、お涙頂戴的なところがありました。バレーボール中継では大の男のアナウンサーが涙声でインタビューしたり、大げさなフレーズや誇張した表現でドラマ仕立てにするのがどうも得意なようです(笑)。
マラソンはプロであろうが素人であろうが、前に向かう気持ちの強さが走力に加えて大切です。遅れ出した選手たちは、けっして諦めたわけでなく、気持ちの中では"前に・前に"という気持ちで自分を鼓舞し続けているのです。ただの市民ランナーの私でも、35㎞からの終盤でそれまでよりも少しだけですが速く走れることがあります。強い気持ちがそれを後押しするのです。
「オリンピックの夢が遠くなっていきます・・・」。たしかにその通りなのかもしれません。しかしその連呼に実に不快感を覚えたのは私だけでしょうか?オリンピックが全てではないはずです。そして、どうせ感情を込めて実況するなら、「強い気持ちを持って、沿道の声援を追い風に、前へ前へと夢を追いかけろ!まだ諦めてはいけません!」と叫んでほしかったですね。あと、このアナウンサー、ぜひ自分でフルマラソンを走ってください(笑)。その競技の特性を経験で知ることは、実況中継に必ずや役に立つはずですよ。
ついでにもう一つ。マラソンの解説者たちも、もう少しプロらしい解説をして欲しいですね。親子や家庭などのプライベートを、秘話的に披露する解説者がいます。そういう芸能レポーター的な話が好きなファンも多いかもしれませんが、技術的なことを素人にもわかりやすく解説したり、ランナーの気持ちの変化、沿道の応援のマナーや声援方法など、もっと専門的なことを解説をして下さい。そしてアナウンサーが的外れなことを言ったら窘めるくらいの気概が欲しい。そんな感想をもつのも私だけでしょうか?(笑)
2012年1月18日 14:04
"温泉ソムリエ"、聞いたことがありますか?下記のURLでご参照ください。
この「温泉ソムリエ」を考案し、普及し、多くの温泉ソムリエを認定している"家元"の遠間和広さん、TVやラジオ出演だけでなく、東京での温泉ソムリエ認定セミナーの講師として、まさに東奔西走されています。来年、私と同じ年男(もちろん彼は一回り下ですよ!)で、赤倉の老舗旅館の旦那をやっています。
遠間さんとは、今から26~27年前になるでしょうか、当時私が勤めていたコンサルティング会社に就職活動で来られた彼を面接したことが、最初の出会いでした。グループ面接の自己紹介で遠間さんが発した第一声を聞き、思わず吹き出した記憶があります。落語家のような、そして妙に人懐っこい暖かなオーラを、ひょっとしたら私だけかもしれませんが受け取ったのです。もちろん、「採用!」を強く推し彼の入社が決まりました。
その会社では、直属の上司・部下になることはありませんでしたが、百貨店のアドバイスチームで一緒に仕事をしたり、青山の弾き語りスナック(笑)によく一緒したり、楽しい時間を過ごしたものです。
そんな遠間さんが、実家を継ぐために赤倉に戻りました。当時、そして今もかと思いますが、歴史のある赤倉温泉といえども旅館経営は決して楽ではなかったはずです。また赤倉という一大温泉地も集客も落ち始め、地域としての活性化も必要だったのではないでしょうか?私は、どうしても彼の様子が気にかかり、20年以上前から毎年、遠間旅館にスキーに通うようになりました。
そうこうしている間に、ある年「石渡さん!今度、温泉ソムリエという認定資格を普及していこうと思うんですよ!」とセミナー用の資料を見せてもらい、彼の思いを聞きました。正直、申し上げてコンサルタントとしてカリスマになれる一流の素質のあった遠間さんが、実家の温泉旅館でくすぶるのではないか?と、要らぬ心配を少しだけしていたのですが、彼の生き生きとした様子をみてすごく安心したものです。
あっという間に、温泉ソムリエは普及し、遠間さんの名は全国の温泉マニアの間では知らない人はいないところまで知れ渡ります。人を引き付ける頭の良さ、話し方、キャラクターでTVでもラジオでもプロ顔負けのトークを繰り広げ、温泉ソムリエの間ではカリスマとなりました。
今年も先週、遠間旅館にスキー仲間を引き連れお邪魔しお世話になりました。今年は大雪で毎日何回も雪掻きをしなければならず、彼も大変そうでした。またスキー大会の度に、コース係員や運営に携わなければなりません。フロントでお客様をテキパキさばいたり、様々な雑務をこなす。温泉ソムリエとしての顔ではなく、旅館の経営者として、時にオペレーターとして活躍しています。私はそういう日常の遠間さんの姿も好きです。温泉ソムリエとして東京やソムリエ仲間の間で、華やかな活動をしている彼も好きですが、雪深い老舗旅館の若旦那として、さり気なく仕事をしている彼もまた格好いいのです。
以前、彼と組んで全国の旅館経営のコンサルティングをやってみたいな・・・と思ったこともありました。たぶん、最強のタッグになるかもしれませんね(笑)。通年の集客の仕掛けや、個人リピーター顧客づくり、ファンづくり、オペレーションの活性などなど、おそらく彼の頭の中にはすでに答えがあるのだと思います。そして地域丸ごとの活性化の大きな仕掛けも必要でしょう。温泉ソムリエは、次にどのステージに飛んでいくのか?楽しみにしたいと思います。
その前に、まずは来月、再来月とスキーでお世話になるので、彼のこれからの進化や発展のための何か"お土産"を考え用意しなければ・・・(笑)。
2012年1月 5日 11:56
新年明けましておめでとうございます。皆さん、どんな新年を迎えていらっしゃるのでしょうか。「今年こそいい年に・・・」と思っている方も多いと思います。
私も以前は新しい年を迎えるに当たっては、「昨年までのことは忘れて・・・」とか、「心機一転」などと新年の計を立てていたものでした。まるで、今までのことを"オールクリアボタン"でも押してリセットするかのように・・・
企業経営で言うと、「損益計算書(P/L)」重視の人生設計?(笑)のような発想でした。P/Lは企業の1年間の活動の成績みたいなものですから、1年終われば必然的に結果が出て評価されるわけです。基本的にはそこでいったんAC(オールクリア)ボタンが押されて、リセットされます。
人生60年近く生きてくると、この"AC"発想だけではなかなかうまくいかないことに気づきます。つまり「連続性」の人生、そして経営であることを。だからというわけではないのですが、最近あまり気負って「新年の計」や「今年の目標!」とか言って力まないようにしています。昨年から、いや生れて此の方、人生は非連続ではなくて連続性の中にあるのだと。考えてみれば当たり前なのですが、人はつい過去の嫌なこと、自分の実態を忘れて、今までできなかったことが頑張ればできるのでは?とリセット発想に陥るのです。
そんなことを言うと、なんだか夢も希望もないじゃないか、と気分を悪くする方もいるかもしれません。そうではなくて、人生は連続性の中にあるのですから、自分にどれだけの経験や知識、人脈、そして能力・実力や運がついてきたのか?をしっかりと見据えて、今年1年でその自分の基盤を生かして何をやりたいのか、またその基盤をさらにどう発展させたいのか?を考えてみたらどうでしょうか?
企業経営でいうとバランスシートやキャッシュフローを基に、人生設計を考えるということです。B/SやCFは、過去からその企業が蓄積してきた資産やキャッシュです。それを基に企業は次の経営目標やプランを立てます。
昨年1年間で、自分自身の資産(仕事や生きていく上で必要な元手や資産、武器など)をどれだけ増やせたか?まず、それを冷静に考えてみましょう。そして、その蓄えをうまく活用して、今年の目標を立てさらに蓄えを増やしていく。それが1年の計を立てる際に不可欠です。蓄えや武器も備わっていないのに、高い目標だけ立てるのは、そりゃ威勢はいいかもしれませんが実行の根拠が見えません。
自分が身につけたいこと、足りないものは何?それはどうすれば身につけられるのか?そのためには1年間で何に取り組まなければならないのか?まさに、自分自身の貸借対照表、資産評価をする機会が年明けなのではないでしょうか?
新年だからと言って、気負わず平常心で、過去の延長線上自分の行くべき道や人生の設計をしてみる。そんな静かな年明けを、今年も迎えることができました。来年はいよいよ60回目の年明けになります。