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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年9月29日 00:00

2018年モンゴル訪問記(7): エレキと民族楽器とファッションショー

神戸ユネスコ協会理事/日本経済大学ユネスコクラブ顧問として、9月2日~9月12日までモンゴルで国際交流とボランティア活動に従事してきました。学生8名、私を含めて神戸ユネスコ協会理事7名の合計15名の団体です。国籍別としては日本(6名)、ネパール(1名)、ベトナム(5名)、中国(2名)、モンゴル(1名)の5カ国に跨る多国籍チームでした。

【5日目】
9月6日の午前、私たちは、当初からの予定通りに、モンゴルのユネスコスクールであるモンゲニ校(Mongeni Complex School)を訪問しました。

ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です(文部科学省HP)。現在、世界180か国以上の国・地域で10,000校以上のユネスコスクールがあり、モンゴルにも、12校が登録されています(UNESCO Associated Schools Network).

モンゲニ校はユネスコスクールの一つであり、小学校から高校までの一貫校です。基本は公立ですが、部活や学科によっては部分的に私立化しており、ユニークな経営方針を採っています。

同校の講堂に招かれると、校長先生の御挨拶の後、学生と先生による民族音楽や民族衣装のセレモニーが続きました。学生たちによる民族音楽は、大変素晴らしく素人とは思えない程でした。民族音楽は途中からロック調となり、ファッションショー風に変わっていきます(後で伺ったところモンゴルの部族別の衣装を紹介して下さったそうです)。そして、同校の先生がエレキギターで登場されました。伝統楽器とエレキギターと民族衣装が、何ともシュールな感じを醸しだし、引き込まれていきました。

monngeni.jpg
学生による民族音楽パフォーマンス

monngeniロック.jpg
エレキギターを弾くのは同校の先生

モンゲニ校では、音楽だけではなく、語学教育にも力を入れており、更に自由研究なども盛んであるとのことでした。宴の後、中国語を勉強している学生が中国語で質問し、私たちの中国人学生が答え、同校で英語を勉強している学生が英語で質問すると私たちのネパール人学生が英語で答えるというQ&Aタイムとなりました。

自由研究.jpg
学生による自由研究の紹介

同校では日本語を学んでいる生徒もいまして、東京外国語大学に留学したという主任の先生の下で皆、頑張っていました。しかしながら、英語はもちろん、中国やロシア語と比較しても履修人数が少ないようでした。

モンゲニ高校.jpg
モンゲニ校の日本語担当の先生方と学生たちとの交流

前述の通り、この学校は、公立か私立か分からないところはあるのですが、89年革命後、部分的に民営化して成功を収めた学校として、前日、表敬訪問したモンゴル・ユネスコ国内委員会から紹介されたのです。同委員会の役人の方も来られていたのですが、「この学校は、モンゴルの普通の学校ではないので、標準として捉えないで欲しい」と御親切に教えてくれました。

確かに、ユネスコスクールは、各国とも優秀な学校が応募し、認定されることが多く、一国の平均的な学校と捉えるのは難しいでしょう。各国にいて学校の格差化は深刻な問題ではあります。

しかし、優秀な学校も、グローバリゼーションが進む中でどのように国際化を図るべきかについては悩んでいるようにも思えます。実際、ユネススクールが「ユネスコの理念を実現する」ために具体的に何をすべきかは曖昧なところもあり、私たちの訪問が、神戸やその他の地域のユネスコスクールとの繋がりへと発展していけばいいと思わずにはいられませんでした。

貧困地域のサポートは必要なのはもちろん、国境を越えたユネスコスクール同士の交流の提案も訴えていく必要があるように感じました。

上記のようなモンゴルの高校先生のエレキと伝統楽器のアンサンブルに合わせて踊る民族衣装のファッションショーを、日本にも届けたいものです。もちろん、踊っているだけでは国際交流とは言えないかもしれませんが、まず、楽しくなくては面白い交流にはならないのではないでしょうか。



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プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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