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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年7月21日 00:50

電車が動かないのにどうやって帰るんですか: 大学が大雨でも休講したくない理由

2018年7月6日(金)、関西地域は大雨で大きな被害がでました。

私の勤務する神戸にある大学は、朝から休講となりました。

先日、大きな地震もあり、大学で教務を担当している私は、できれば休講を避けたいと思いました。
休講が多くなると、補講をしなければならないのですが、補講日も上記の理由で補講日も既にギュウギュウだったからです。結果的には一部の職員が出勤できないこともあり、(私ではなく)「上司」の判断で休講となりました。

ただ、JR線、阪神線、阪急線は動いておりましたので、通常通りに開講しても学内規定上は問題がなかったかもしれません(現実的には安全性の問題は生じたと考えます)。

そのような中、「【検証・豪雨被害】大学はなぜ避難勧告の中、休講にしなかったのか」という記事(Business Insider Japan, 7月10日)を読み、大変痛いところを突かれたように思いました。

7月6日、大阪大学では、大雨の中、講義が続けられていたそうです。大阪大学だけではなく、多くの大学では、主要の鉄道が運休しない限り、休講にはなりません。そして、この日、運休が決まった時は、大学に残っている(授業を聞いている)学生たちは鉄道が動かず帰宅できなくなってしまったのです。

同記事では、「運休してから、休講と言われても」、「電車が動かないのにどうやって帰るんですか」とツイッター上などで、学生から休講判断に疑問の声が相次いだとされています。

当然ですが、「主要鉄道の運休=休講」は大学に来る前の段階ではないと意味がないのです。

なぜ、大学が休講をしたくないのかについても、大阪国際大学の谷口真由美・准教授が的確に説明されています。
「大学には休講に関するマニュアルがあるので、それにのっとらないと休講にできない。さらに前期の授業は15回と決められている。地震による休講もあり、休講する授業が増えると、お盆まで補講をしなければいけなくなる」(同上)。

こちらは、まさにおっしゃる通りであり、定期試験後のお盆時期に補講などは避けたいのです。

しかしながら、それでも、何よりも学生の安全第一で考えるべきであり、ルールを杓子定規に捉えることも良いことではないでしょう。15回と補講、そして、鉄道の運休というルール遵守に拘るばかりに、判断を誤ってしまってはいけないのです。

多くのことを反省し、考えさせられる大雨となりました。
プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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