QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年6月17日 23:59

ワールドカップ・ロシア大会: 「同等」から「違い」が見えてくる

6月14日から2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会(W杯)が始まりました。初戦はホスト国ロシアとサウジアラビアが対戦し、5-0でロシアが勝利しました。

しかし、「目が覚めた」という意味では、日本時間の16日の深夜(早朝?)3時から行われたポルトガル対スペイン戦でしょう。私は寝る前にちょっとテレビを覗き込んだところ、ドラマに引き込まれてしまいました。

周知の通り、結果は3対3で引き分けでしたが、4分、44分、88分とクリスチアーノ・ロナウドのシュート(ハットトリック)が炸裂し、本当に寝る暇を与えない凄い試合でした。

W杯の国代表は、実力的にはクラブチームよりも低い(弱い)という見方があります。リアル・マドリードやFCバルセロナ、マンチェスターユナイテット等、世界中からスーパープレーヤーをかき集め、日常的に練習、試合をしている有力クラブチームのほうが、国代表よりもレベルが高いと言われて久しいのです。

でも、ポルトガル対スペインの試合は、国対抗のW杯も十分に面白いと思わせる試合でした。そして、W杯が始まったぞと世界に知らしめる「号砲」になったことでしょう。

大会翌日、日本時間では同日の16日の22:00に始まったアイスランド対アルゼンチンの試合は、何と1-1の引き分けでした。「サッカー王国」のひとつであり、2回の優勝回数を誇るアルゼンチンに、34万8,580人(2017年,アイスランド統計局)の小国のアイスランドが負けなかったのです。

アイスランドは今回、激しい欧州予選を勝ち抜き、W杯初出場を決めました。イタリアやオランダが予選で敗退し、出場するだけでも大変なW杯ですので、その実力がフロックではなかったことを証明しました。

世界の国家は、面積も人口もバラバラで非常にアンフェアなものです。

世界で最も人口が多い中国の人口は約14億、人口が最も少ない国はバチカン市国で809人(2016年,外務省)です。宗教的な背景を鑑みバチカンが特殊であるとするなら、次はニウエの1,500人(2013年,太平洋共同体事務局)となります。

今回のW杯ロシア大会の出場国で最少人口国は、上記の約35万人のアイスランドですが、最多は約2億784万人(2015年, 世界銀行)を数えるブラジルです。

W杯では35万人の代表と、2億人の代表が肩を並べているのです。

これをどう見るかですが、少なくとも、11人で戦うピッチ上のルールが守られる限り、サッカーにおいては公正であり、W杯に出場してきたチームとして実力も「同等」であります。「同等」であるからこそ、国の「違い」を考えるきっかけとなり得るのです。

日本代表の試合も含めて、楽しみです。

この記事へコメントする

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
月別アーカイブ
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
カテゴリーアーカイブ
アジア事情 (15)
カンボジア (27)
スイス (27)
スポーツと社会 (135)
ネパール (26)
国際事情(欧州を除く) (233)
大震災/原発事故と日本 (30)
御挨拶 (14)
日本政治 (125)
日本社会 (298)
映画で観る世界と社会 (330)
欧州事情 (98)
留学生日記 (74)
英国 (100)

ページトップへ

カレンダー
<< 2018年07月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
誇るべき「クリーン・ナショナリズム」とその国際的背景
家族の崩壊によって描く「家族愛」: 映画『万引き家族』の疑似家族性
悪質タックルをしてまで/裏口入学をしてまで、得ようとしたものは何だったのか?
Tea or Coffeeを超える発明か? 文化への挑戦か?
母になること、母を認識すること: 映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』の時間と成長
最新コメント
Evеrything is very ...
Posted by post432648889
Hi there col†eagues...
Posted by Folder Lock Usb Encryption Protect
I got this web page...
Posted by Freeware Software Lock File
武蔵は春田に言います...
Posted by S
はじめまして、書き込...
Posted by たか
最新トラックバック
この社会での性的魅力
from 哲学はなぜ間違うのか
ひとつ/長渕剛(Cover)
from 今日の天草