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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年6月 1日 11:47

プライベートガーデンに活きる恋愛物語: 映画『ノッティングヒルの恋人』のリアリティ

映画のような恋をするのは難しいのかも知れません。

 『ノッティングヒルの恋人』(原題 Notting Hill)
制作国 英国 
制作年 1999年 
監督 ロジャー・ミッシェル 
出演 ジュリア・ロバーツ, ヒュー・グラント 

あらすじ
 【ロンドン。ウィリアムは、妻に逃げられ儲からない旅行専門の書店をロンドン・ノッティングヒルで経営している。ある日、彼の店にハリウッド女優のアナ・スコットが立ち寄る。ウィリアムはアナに間違ってジュースをかけてしまう。ウィリアムは近くに友人とフラットシェアしており、アナはそこで着替えることになる。帰り際に、2人はキスを交わし、再会を願う。大スターのアナはホテルリッツに宿泊しており、ウィリアムが訪れると映画の取材で多くマスコミ関係者が来ていた。「馬と猟犬」という雑誌記者になりすまし、アナとのインヴューに臨み、その夜、ウィリアムの妹の誕生日にアナも参加することになる。アナの宿泊先のホテルリッツに見送ると、アナの米国人の彼が部屋で彼女を待っていた。】

 ジュリア・ロバーツ演じる米国ハリウッドの大女優と、ヒュー・グラントが演じる英国ロンドンで儲からない旅行専門の本屋を営む男性の恋愛物語です。しかしながら、実際は、ジュリア・ロバーツ同様、ヒュー・グラントも英国を代表する俳優の1人ですので、そういう役柄を演じているだけです。  

そして、この映画の成功はヒュー・グラントが、(この時期、この手の2枚目半の役柄が多かったのですが)ちょっと情けない良い男を演じきったことにあるのでしょう。 ただ、少し演じている感覚が滲みでてしまっているようなところもあります。言い換えれば、最初から「お芝居」であることを隠そうとしない演出であり、演技なのです。 

それでも、本作はヒットし、ロンドンを舞台とした代表的なラブコメ映画の一つとして今でも認識されているのです。  

作品の中で、2人が夜中にプライベートガーデンに忍び込んで、デートをするシーンがあります。

そのプライベートガーデンには、ベンチがあり、「To June who loved this garden from Joseph who always sat beside her」と夫から亡き妻への思いが(添い遂げた2人の夫婦の人生が)文字として刻まれています。

英国には公共の公園以外に、このようなプライベートガーデンが沢山あります。プライベートと言っても1人(一家)が所有しているのではなく、何十人かのマンションの住民が共有していることが多いのですが、門には鍵がかかっており、一般の人は入ることができません。

この「普通の人」が入れないプライベートな領域(ガーデン)という囲いの中に限定することで、ちょっとあり得ない(スター同士の)純粋で芝居掛かった恋愛物語が、リアリティを持つのかもしれません。 

上記のベンチは映画で有名になった後、ある男性に購入され、当時付き合っていた彼女にプレゼントされたようですが、後に2人の関係は上手くいかなくなってしまったそうです。破局、ベンチだけが残されてしまいます。

紆余曲折あったようですが、そのベンチは、なぜか現在、ロンドンを離れ海を渡り、オーストラリアのパースのクイーンズ・ガーデンにあるそうです。
プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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