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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年4月 4日

2018年4月 4日 09:40

男女(は別)論はどこまで当てはまるのか? : 映画『恋と愛の測り方』の様々な測り方

心と体は別なのでしょうか。

『恋と愛の測り方』(原題 Last Night)
制作国 米国
制作年 2010年
監督 マッシー・タジェディン
出演 キーラ・ナイトレイ, サム・ワーシントン

あらすじ
【ニューヨーク在住のマイケルとジョアンナは、結婚3年目。マイケルは不動産関係、ジョアンナはファッション誌の記事を書くフリーライターで2人ともキャリア志向。そのような中、夫婦で行ったパーティで、ジョアンナはマイケルが同僚の女性ローラと浮気しているのではないかと疑い始める。直後にマイケルはローラと共に遠方に出張に行くことになり、マイケルとジョアンナは言い争ってしまう。出張中、マイケルは逆にローラを意識するようになり、ジョアンナもマイケルが不在中にフランス人の元彼で作家のアレックスと再会し、意気投合することになる。2人はそれぞれ別のパートナーと1日を過ごし、異なる選択をした後に自宅に帰っていく。】

この作品は、結婚3年のジョアンナとマイケルの「時間」(愛の安定)とジョアンナとフランス人の元彼アレックスと「瞬間」(恋のときめき)が主題になるのでしょうが、付き合って4年目、結婚3年のジョアンナとマイケルの「時間」があまり描けていません。

それに加え、夫マイケルがあまり「良い男」ではないように感じます。

反対に、妻ジョアンナは、一線を越えず、元彼であるアレックスを振ってしまうのですが、どう考えても、フランス人作家のアレックスのほうが夫マイケルよりも男として魅力的なのです。

もし、妻ジョアンナがアレックスを振る理由が、夫マイケルとの共有された「時間」であるならば、まず、その重要性を描かないと説得力がないように考えます。

しかしながら、妻ジョアンナは元カレと「浮気」したという解釈もあります。

あるブログでは、『男は「体」で、女は「心」で浮気する』という説でこの映画を切っていました。そう考えると、妻ジョアンナも夫マイケルも「浮気」したことになり、フランス人作家のアレックスだけが「浮気」していないことになります。

面白い見方ですけれど、非常にアンフェアです。マイケルは「男」なので「浮気」したことになります。しかし、男女平等とし、「心」の規準で考えれば、「浮気」した後、良心の呵責に苦しみ自宅に飛んで帰る夫マイケルは「心」は「浮気」していないことになり、そして、ジョアンナとアレックスは一線を越えていないにもかかわらず、「浮気」したことになります。

もし、本作が「浮気」とは何かを再考することを目的としているとすれば、成功しているのかもしれませんが、簡単に男女論にしていいのでしょうか。
プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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