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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年4月 2日

2018年4月 2日 22:47

早稲田大学オープンカレッジを修了されたSさんへ

先日、10年ほど前に早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校で教えた受講生(男性)のSさんから、この春、「早稲田大学オープンカレッジ」の修了生となったという嬉しい報告が届きました。

私は2005年から現在まで、この早稲田大学エクステンションセンターの講師を続けています。

早稲田大学はエクステンションセンターの3つのキャンパス(早稲田校、八丁堀校、早稲田校)において、「オープンカレッジ」を運営しており、教養・ビジネス・語学・スポーツ等、昼夜合わせて、年間約1800講座を提供しています(早稲田大学エクステンションセンターHPから)。

受講者は様々です。40代、50代、60代の主婦の方、会社をリタイヤされた方、サラリーマン(土曜や平日の遅くの時間は受講可能です)、学生、文字通り、老若男女なのです。

2012年2月18日付の当ブログでも言及致しましたが、「オープンカレッジ」にはフルタイムの学生は殆どいません。主婦をしながら、仕事をしながら、定年後セミリタイヤしながら学び続けているのです。

同オープンカレッジは単位制を採用しており、90分授業×5回(7.5時間)で1単位であり、76単位以上取得した段階で「修了生」となります。単位を得ることを目標としている人も少なくありません。

受講生は、大変真面目で欠席する人は殆どいません。休む時に電話をされて、メッセージを講師に残される人さえいます。本当に学びたいという意思がひしひしと伝わってきます。必然的に、こちらも講義の準備に十分に時間を割くようになっていきます。

冒頭の30代のSさんもその一人でした。彼は自主映画を製作しながら福祉関係の仕事をされ、「オープンカレッジ」に参加してきました。

その時の私はヨーロッパ論を担当しておりましたが、受講生は、本当に勉強熱心で講義の後、勉強会をしようということになりました。Sさんも当然加わり、毎週、講義後に空いている教室をお借りして、1時間程のゼミ式でヨーロッパに関連することを1人が発表し、皆でその内容に討論するような形にしました。

その後は、食事や飲みに行くのですが、今度は私よりも年配の方々が「先生」となり、私に人生訓を語ってくれました。今振り返りますと、自分の両親よりも年上の方々と喧々諤々と議論できたことは、かけがえのない体験であったと思います。

Sさんは私より年下でしたが、数回、映画論を絡めて発表してくれました。副業の仕事も大変だったようで、飲み会では。何度か相談に乗ったり、逆に私が相談したりするようなこともありました。年代的には私に近く、友達感覚もあったかもしれません。

私が、神戸にある大学に専任教員として着任してからは勉強会もできなくなり、Sさんとお会いする機会も減りました。私が、日々の生活に追われ、余裕がなくなっていたのも確かです。

今回、そのようなSさんから「オープンカレッジ」を修了することを知らされて、自分の大学教員としての原点を思い出したような感覚です。

Sさん、大変だったと思います。本当におめでとう。そして、有難う。
プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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