QuonNet(クオンネット) まなぶ・つながる・はじまる・くおん




グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年4月 1日

2018年4月 1日 22:43

まるで「ルパン三世」: 映画『目撃』が示す泥棒が「正義の味方」になる条件

泥棒が物語において「正義の味方」になるには、泥棒としての厳しいキャラ上の制約があります。

『目撃』(原題Absolute Power)
制作国 米国
制作年 1997年
監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド, ジーン・ハックマン, エド・ハリス

あらすじ
【米国。泥棒を稼業とするルーサー・ホイットニーは、米国大統領アラン・リッチモンドの第一の後援者であるウォルター・サリヴァンの邸宅に忍び込み、財宝を盗み出そうとする。ところが、サリヴァンの妻クリスティとリッチモンド大統領の不倫現場に遭遇してしまい、別室に隠れながら、見守ることになる。すると、リッチモンド大統領がクリスティに暴力を振るい、それにナイフで反撃した彼女を大統領のシークレットサービスが犯罪者と勘違いして射殺してしまう。事件の捜査を担当するセス・フランク刑事は、現場から宝石や現金が盗まれていることから強盗による犯行を疑い、ルーサーを容疑者とするものの、何か納得いかない。そんな中、ルーサーは、大統領が妻を亡くしたサリヴァンと共に事件を非難する会見を観て、憤慨し、事件を暴露することを決意する。しかし、そのことで、ルーサーは大統領のシークレットサービスとの全面的に対立することになる。】

ルーサー・ホイットニーは泥棒なのですが、殺人はしません。富豪を狙うプロフェッショナルな泥棒です。自分の身がシークレットサービスに狙われており、危ないと分かっていても、娘のためなら命を懸けて駆けつけます。盗んだ財宝も、納得がいかなければ全部元に戻します。

漫画のようなキャラなのです。まるで「ルパン三世」のようです。

彼にとって盗みは仕事ですが、仕事以上に守るべきものがあり、それは家族(娘)であり、人としての道なのです。

盗みはいけないことなのですが、その盗みを補ってもルーサーの魅力を削がないために、本作では大統領の犯罪が用いられます。

ルーサーは、大統領の犯罪を「目撃」することで、自分の泥棒稼業を諦め、「正義の味方」に転じるのです。しかし、それは国家天下というよりも、個人的に放置するのが気に入らない(看過できない)というだけの話です。

しかしながら、結果として大怪盗が、シークレットサービスに命を狙われながらも「正義の味方」になっていくところは、非常にドラマチックです。

筋はちょっと大掛かりなのですが、クリント・イーストウッド氏が演じる怪盗ルーサーの姿は、それでも絵になっています。
プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
月別アーカイブ
2018年7月
2018年6月
2018年5月
2018年4月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月
2017年9月
2017年8月
2017年7月
2017年6月
2017年5月
2017年4月
2017年3月
2017年2月
2017年1月
2016年12月
2016年11月
2016年10月
2016年9月
2016年8月
2016年7月
2016年6月
2016年5月
2016年4月
2016年3月
2016年2月
2016年1月
2015年12月
2015年11月
2015年10月
2015年9月
2015年8月
2015年7月
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
2014年8月
2014年7月
2014年6月
2014年5月
2014年4月
2014年3月
2014年2月
2014年1月
2013年12月
2013年11月
2013年10月
2013年9月
2013年8月
2013年7月
2013年6月
2013年5月
2013年4月
2013年3月
2013年2月
2013年1月
2012年12月
2012年11月
2012年10月
2012年9月
2012年8月
2012年7月
2012年6月
2012年5月
2012年4月
2012年3月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
カテゴリーアーカイブ
アジア事情 (15)
カンボジア (27)
スイス (27)
スポーツと社会 (137)
ネパール (26)
国際事情(欧州を除く) (233)
大震災/原発事故と日本 (30)
御挨拶 (14)
日本政治 (125)
日本社会 (298)
映画で観る世界と社会 (331)
欧州事情 (98)
留学生日記 (74)
英国 (100)

ページトップへ

カレンダー
<< 2018年04月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
FIFA:試合中に「魅力的な女性」を接写するのはいけない
「みんなの物語」が運ぶ思い出: 映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の広がり
巷におけるW杯GK論は、高次元のサッカーの国民化に繋がるか?
誇るべき「クリーン・ナショナリズム」とその国際的背景
家族の崩壊によって描く「家族愛」: 映画『万引き家族』の疑似家族性
最新コメント
great рoints altogе...
Posted by Best Folder Lock Encryption Software
武蔵は春田に言います...
Posted by S
はじめまして、書き込...
Posted by たか
あなたもまだお若い。...
Posted by 葵東
青春時代に見て感動し...
Posted by 小林 千三
最新トラックバック
この社会での性的魅力
from 哲学はなぜ間違うのか
ひとつ/長渕剛(Cover)
from 今日の天草