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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年3月 1日

2018年3月 1日 03:51

エキシビションから「フィギアスケートは芸術なのかスポーツなのか」を考える

「フィギアスケートは芸術なのか、スポーツなのか」という議論があります(日刊スポーツ, 2017年10月25日)。

2月25日、平昌五輪のフィギアスケートのエキシビションが行われ、冬季五輪の最後に華を添えました。エキシビションに出てくる選手たちは皆、「美しい」のですが、エキシビションの「美しさ」が逆に、ショートとフリーの「スポーツ性」を証明しているようにさえ思えます。

先日、羽生選手が優勝した際、同僚のスポーツ(陸上競技)を専攻する教授と話をしていて、フィギアスケートにジャンプがなかったらスポーツとして成立するのかという話題になりました。

そして、成立しないことはないだろうけど、「技術点」と「演技構成点」の割合が逆転するのではないかという結論に至りました。

フィギアスケートは、「技術点」と「演技構成点」で総合点数が出ますが、今回、優勝しました羽生選手のフリーの点数は、技術点が109.55、演技構成点が96.92で、2位の宇野選手は、技術点が111.01で、演技構成点は92.72です。3位のフェルナンディス選手は、技術点が101.52で、演技構成点は96.14となっています。

女子はといえば、優勝したザギトワ選手のフリーの技術点は81.62、演技構成点は75.03です。2位のメドベージェワ選手の技術点は79.18、演技構成点77.47となっています。3位のオズモンド選手の技術点が76.5、演技構成点が75.65でした。

もちろん、単純に技術点がジャンプの点数で、演技構成点が美しさを競うとは言えないでしょう。

しかしながら、男子フリーで4回転ジャンプを5回成功させたネイサン・チェン選手が、技術点127.64、演技構成点87.44でフリー1位になっている通り(ショートの失敗があり、総合は5位)、ジャンプの成功がものを言う「スポーツ」に変化していっているように見えます。

もっとも、ジャンプと芸術性は矛盾しないという考え方もあります。

かつて、羽生選手は外国特派員協会と日本記者クラブの会見において「僕は難しいジャンプがあるからこそ芸術が成り立っているんだなと思う。そういうジャンプをしていきたい」と語っています(スポーツ報知, 2018年2月27日)。

その通りですが、それはあらゆる激しいスポーツの「美しさ」に繋がっていく考え方でもあると思えます。

やはり、冬季五輪において、なぜフィギアスケートだけにエキシビションがあるのかを考えてみると原点が見えてくるような気もします。

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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