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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年1月11日 02:59

NHK紅白歌合戦は、そのマンネリ性を維持するためにプチ変化している

当ブログ2018年1月 4日付にて、今年(2017年12月31日放送)の第66回NHK紅白歌合戦をとりあげました。

視聴率という観点から考えますと、今年の紅白は、歴代ワースト3位【39.4%】という視聴率ながら、その紅白が年間視聴率の1位であったことから、日本人のテレビ離れが進んでいると結論付けられます。

それでは、紅白の内容はどうだったのでしょうか。

紅白の特徴はマンネリ(マンネリズム)です。2年前の第66回NHK紅白歌合戦を語った際(当ブログ2016年1月 9日付)、言及していますが、紅白とはマンネリの中で交わされる「国民的」コミュニケーションなのです。

しかしながら、よく見ますと2年前と今回ではマンネリの「内容」が異なっています。今回、和田アキ子さんの「アッコ!」の掛け声もなく、小林幸子さんの豪華衣装も消えています。物議を醸した森進一さんの「おふくろ」さんもなく、トリを務めたマッチもいないし、何と言っても国民的アイドルSMAPもいないのです。

それでも、マンネリは続きます。

今年も「国民」が「億千万」と叫ぶ!?郷ひろみさんの「2億4千万の瞳」(少子化何とかしないと郷さんがこの歌、歌えなくなってしまう)。いつの間にか出場24回のTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」。水森かおりさんのプチ豪華衣装。郷ひろみさんと同じくらい変わらない松田聖子さん(今もイメージはお姫様)。氷川きよしさんの「きよしのズンドコ節」も、Xジャパンの「紅」も紅白らしく、マンネリの枠組みに入ってきました。そして、黒柳徹子さんも御健在でした。

紅白歌合戦は、プチ変化(進化?)するマンネリズムなのです。

この変化には、北島三郎さんは2013年のトリを最後に「卒業」するような大掛かりなものと、2012年から2015年まで「女々しくて」を歌い続けたゴールデンボンバーのようなプチ系がありますが(個人的には、ゴールデンボンバーに出演し続けて欲しかったです)、ミクロに観ると結構、激しい流動性があるのです。

本来、マンネリと変化は、根源的に相容れないものです。しかし、紅白歌合戦はそれを「無理なく」(時には無理やり感も出ますが)行っているのです。むしろ、それは、(永遠に)マンネリを継続させるための変化のようにも見えます。

そして敢えて言うならば、変化しながら時の流れに身を任せるかのように、「昭和」の面影は徐々に小さくなっています。

今年のトリは、紅組は、石川さゆりさんの昭和の名曲「津軽海峡・冬景色」でした。この曲のお蔭で、津軽海峡は、冬景色しかイメージできない!

白組は、ゆずの、NHKの2004年アテネオリンピックの公式テーマソング「栄光の架橋」でした。ちなみに、この曲以降、あらゆる五輪ソングはこの「架橋」に挑戦しなければならず、そしてまだこの曲に栄光が輝いていることを、2017年の紅白は表しているのでしょう。

2018年は平成の最後の紅白になります。また、大いなるマンネリと、隠れ見える変化を楽しませてくれることでしょう。

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プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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