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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年1月 7日 16:50

星野監督を失って:「闘将」の意味を考える

中日、阪神、楽天で監督を務めた星野仙一氏(楽天取締役副会長)が4日、膵臓がんで亡くなりました。

その存在感の大きさは、亡くなられた後の報道の大きさが反映しています。それぞれの関係者が、それぞれの立場で星野氏との思い出を語り、追悼の声としています。

直接的に関係があった人ばかりではなく、中日ファン、阪神ファン、楽天ファンも感謝の言葉を捧げています。

現役、監督時代を通じて中日のユニフォームを着ている時は中日のために、阪神の監督に就任すれば阪神のために、楽天の監督になれば楽天のために、全てを賭けて闘っているにもかかわらず、(おそらく、全てをチームのために賭けて闘っているからこそ)星野氏は球界を代表する存在になられていきました。

「敵」をも包み込むような器の大きな人物だったと言えば、それまでですが、星野氏の最大の魅力は何だったのでしょうか。

個人的には、私はタイガースファンですので、2002年、2003年の阪神の監督時代が忘れられません。

この2年間、私は欧州の西北のスコットランド(エジンバラ)と北アイルランド(デリー)の間を行き来していましたが、研究には行き詰まり、地球の反対側で、毎日のように、逃避的に阪神の主催試合(ほぼ全試合)を、ネット中継で観ていました。

2003年、阪神タイガースは「87勝51敗2分」で優勝。

試合数が年によって異なり、単純には言えないのですが、「87勝」という数字は、阪神タイガース監督としては単年度で歴代1位の勝ち数であり、一番、「気持ちよい1年」をくれた監督であったことは確かです(2005年の岡田監督も87勝ですが、負け数は54敗で2003年の星野監督よりも多くなっています)。

星野監督は「闘将」と称され続けました。人生、闘わなくてはいけないし、闘う限り、勝つことを目標にしなければいけない、万年Bクラスの阪神に、そしてファンにも、そう教えてくれるようでした。

勝つことを説きながら、同時に、星野氏は、多くの関係者が語るように気配りに長け、(敵味方を問わず)「負けた人」にもフォローを欠かさない方だったようです。

優しさに満ちた「闘将」であったからこそ、どれほど厳しく、激しく闘っても、人々から愛されたのでしょう。

人生、常に闘い続けなければいけないけど、負け続けてもダメだし、勝つだけでもダメなんでしょうね。

文字通り、逃避的に阪神戦を見続けた2002年(阪神は4位)、2003年(優勝)のシーズンから、私も多くを学ばせて頂いたように感じています。

感謝と共に、ご冥福をお祈り致します。

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プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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