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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2018年1月 5日

2018年1月 5日 23:59

なぜ、日本の女の子は「学者・博士」になることを夢見ないのか?

第一生命保険が、小学6年生までの子ども1100人に「大人になったらなりたいものは?」と尋ねたアンケート結果が発表されました。
(第一生命http://event.dai-ichi-life.co.jp/campaign/minisaku/otona.html)。

数字は順位。かっこ内は前年順位
【男の子】
1(2) 学者・博士
2(4) 野球選手
3(1) サッカー選手
4(3) 警察官・刑事
4(5) お医者さん

【女の子】
1(1) 食べ物屋さん
2(4) 看護師さん
3(2) 保育園・幼稚園の先生
4(4) お医者さん
5(3) 学校の先生(習い事の先生)

男の子1位の「学者・博士」は8.8%で、15年ぶりに1位に返り咲いており、2014年から2016年まで。日本人が3年連続でノーベル賞を受賞したことがそのきっかけとなっているのではないかと分析されています(NHK Web News, 1月5日; 朝日新聞デジタル,2018年1月5日; 日経QUICKニュース, 1月5日)。

ノーベル賞の影響ということですので、イメージとしては理系研究者なのでしょうが、小さい頃から学問を志す人が多いということは、素晴らしいことです。

しかしながら、ちょっと気になることは男の子と女の子の「夢」が大きくことなることです。特に女子は、男の子の「夢」と比べて現実志向です。

「学者・博士」はともかくも、2位のプロ野球選手や3位のサッカー選手等、男の子の「夢」は、かなり難易度の高い一方、女の子の「夢」より身近な職業であるように感じます。男の子は本当の「夢」であり、女の子は「目標」に近いように思えるのです。それが悪いことではないのですが、比較上、ちょっと違和感もあります。

なぜ、日本の女の子は「学者・博士」を「夢」として抱かない(もしくは、抱けない)のでしょうか(ちなみに、「学者・博士」は女の子の「夢」の9位までにも入っていません)。

「学者・博士」の実態を調べると、女性研究者数は、年々増加傾向にあり、2013年時点で研究者全体に占める割合が14.4%となっているのですが、諸外国と比較すると低く、ロシアは41.2%、英国は37.7%、イタリアは34.9%、米国が33.6%となっています(総務省「我が国の科学技術を支える女性研究者」平成 26 年4月 14 日)。

鶏と卵の関係ではありますが、実例が少ないことが、日本の女の子にとって「学者・博士」をイメージし難い職業にしているのかもしれません(ノーベル賞の影響が大きいなら、日本の女性研究者が受賞する必要があるのかもしれませんが)。

当然ですが、学問をする上において男女の能力的な格差はなく、(人口の約半数は女性ですから)日本において女性研究者が少ないのは、そして、子供の頃から女の子が「学問」を身近に捉えていないことは、社会的な損失でもあると考えます。

当ブログ2014年12月14日付で、読売中高生新聞のテレビCMを好意的に紹介したことがあります。

2人の高校生の男女が海岸を歩いています。そして、男子生徒は、女子生徒に告白します。

男子高生「俺、法学部に入って、弁護士になって、選挙に出て、総理大臣になって君をファーストレディにするから付き合ってくれ。」
女子高生「ごめんなさい。私が総理大臣になりたいの。」

政治家だけではなく、研究者、大学教授になりたいという女の子が増えても悪いことではありません。

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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