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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2017年4月15日 23:55

浅田真央選手の引退にただ思う

周知の通り、2017年4月10日、浅田真央選手(以下、敬称略して真央ちゃん)がご自身のブログで引退を発表しました。僅か数日前のニュースにもかかわらず、あっという間に国民に共有されたからか、随分前の出来事のようにも感じられます。

当ブログにおいて私は、何度か真央ちゃんに言及しています。
浅田真央選手に託したもの」(2014年2月22日)

そして、今回の真央ちゃんの引退をどのように文字化すれば良いのか、と悩む日々でした。時代が生んだ○○として浅田真央論を展開するのも陳腐なように思え...。

真央ちゃんの引退については、なぜ今なのか、もっと早く引退できなかったのか、が問われています。

なぜ今かを考えれば、直接的には2016年全日本選手権においてSP8位、フリーも振るわずトータル12位だったことが大きいと、ご本人も述べられています(産経ニュース、2017年4月12日)。

しかしながら、復帰後、成績が伸びなくてもなかなか引退できなかった理由は、浅田選手が引退したら大手広告代理店がフィギュアスケート界から手を引く可能性があったから(Business Journal, 2017年4月13日)、浅田選手の獲得するお金(試合の賞金、アイスショーの報酬、広告出演料、日本スケート連盟の補助金やスポンサーの賞金)の95%を日本スケート連盟やマネジメント事務所等が引き抜いており、彼らが浅田選手を辞めさせなかったという「大人の事情」があったと囁かれています(FOCUS-ASIA.COM, 2014年4月11日)。

いずれにしましても、ソチ五輪終了後、復帰は「ハーフハーフ」という言葉を残して休養していた真央ちゃんは、2015年10月に復帰したのです。

「大人の事情」は好意的に言い換えれば、多くの国民が復帰を求めたということでもあり、真央ちゃんはそれに答えようと本気で復帰を図ったのでしょう。それがお金のためではなかったからこそ、今回の引退が感動を呼ぶのではないでしょうか。

そして、真央ちゃんは引退しました。

元フィギュアスケート日本代表の渡部絵美氏は、「何よりも「浅田真央」というイメージが一度も狂うことなく、長い選手生活を終えたのも本当に素晴らしい」と言い、「普通の女の子なら、高校生や大学生になったら遊びたいとか冒険してみたいという気持ちが出てくるころです」と真央ちゃんが、真央ちゃんを演じきったことを賞賛しています(dot, 2017年4月11日)。

真央ちゃんは、今月12日の引退会見において結婚の予定について聞かれ「結婚のご予定は、ないです。お相手がいれば、その方と一緒に帰られたんですけど」と答えました(日刊スポーツ、4月12日)。

これからも、真央ちゃんの一挙一動が注目され続けてしまうことでしょう。しかし、私たちは、(寂しいけど)真央ちゃんの人生を真央ちゃんに返してあげるべきなのかもしれません。

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プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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