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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2016年4月25日 23:38

Remember Nepal: 神戸、福島、熊本を忘れないために

神戸にて私が教えている(中国、ネパール、ベトナム、モンゴルからの)留学生が、ゴールデンウィークに熊本に行きたいと言ってきました。熊本の被災者ために何かしたいというのです。

気持ちは理解しますが、何かすると言っても、日本語も完璧ではない留学生です。熊本に行って何ができるのでしょうか。

何か必要なモノを運ぶのはどうかと提案した留学生もいました。しかし、九州出身の日本人学生が、「場所によっては支援物資の食料品が余りすぎて破棄されている所もある」「適材適所に配布できるかも重要だよ」と注文を付けました。

多くの学生が熊本で何かをしたいと思っています(既にボランティアをされている方もおられるでしょう)。しかし、なかなか本当に被災者に必要な支援は見つけられません。自己満足ではかえって現地の被災者に迷惑になってしまいます。そもそも、学生はお金がありません。資金援助にも限界があります。

ここは発想の転換が必要かもしれません。

震災復興は大変長期に渡ります。福島の現状を観るまでもなく、東日本大震災から東北は完全に復興したとは断言できないでしょう。神戸も、阪神・淡路大震災が発生した1995年1月以前に原状回復したと言えるのでしょうか。

阪急電鉄が、阪神・淡路大震災で半壊した神戸三宮の「神戸阪急ビル東館」を再建する計画しており、震災復興を象徴する新たなランドマークと報じられています(神戸新聞、4月25日)、21年前の阪神・淡路大震災でさえ、その復興はまだ「途中」なのかもしれません。

長期的に(留)学生しかできないモノではない支援を考えていくべきなのではないでしょうか。

そのように考えると、他の見方も可能です。

今日(4月25日)は、ネパール地震からちょうど1年目に当たります。ネパールでは、少なくとも80か所で2万6000人余りが今もテントで避難生活を送っています(NHK News Web、4月25日)。まだまだ復興途中なのです。

ネパールで大地震が起こった1年後の今日だから、ネパールのことを忘れてはいけないように思うのです。それは、来年の4月に熊本を忘れていないことにも繋がります。

色々と抱え込んでも大変ですが、無理をせずにゆっくり被災地にコミットし続けながら「共に生きる」ことが「貧乏人」の最大の支援なのではないでしょうか。

何ができるかはこれからですが、神戸からも(神戸だからこそ)経験を踏まえて長期的に福島、ネパール、熊本に対して何かができると信じたいものです。

この記事へのコメント

1. Posted by たか 2016年5月 2日 19:25

はじめまして、書き込み見ました。学生が炊き出しで各国料理としてフォー,餃子,ネパールカレー,羊肉料理等を振るまえばいいのでは?いつも同じ食事では飽きると思うので。

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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