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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2016年4月20日 00:10

熊本地震現地報告(3)

【第3回】熊本出身で帰省中に熊本地震を体験された映像作家の堺浩一氏に、4月17日夜、Lineで現地の状況を伺いました。

安井:これは最初にご質問すべきだったかもしれませんが、現在、熊本で被災している人にとって、何が一番に不足している、何が一番に必要だと思われますか。

堺:まずは水、食料ですね。

安井:確かに報道でもそのような指摘がありました。

堺:あとは交通機能でしょうか。街中の状況で目立っていることの一つとして交通混雑があります。避難や必需品の買い出しなどで車の数が半端なく、渋滞が頻発しています。この点は、帰宅難民等を生む都市型震災と地方震災の違いかもしれません。

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夜中の渋滞 熊本市南区 4月20日(堺氏撮影)

安井:それは貴重な御指摘ですね。確かに、地震の後の車が引き起こす交通渋滞は地方震災の課題なのかもしれません。他に、熊本地震でお気づきになられたことが何かありましたら、是非、教えて下さい。

堺:被害状況には「格差」があるというのも大事な点で、凄惨、困窮、困難を極める人々がいる一方で衣食住に余裕があり、普段に近い生活が出来ている人々もいます。現地は必ずしもメディアが切り取る世界観だけではないことも留意すべき点です。

安井:確かにそれは重要な視点ですね。メディアは特に被害が大きかった地域を中心に報じますが、熊本市内の被災者に「格差」があることはあまり採り上げません。もちろん、余裕がある人も「比較的」というだけで、被災者ということでは変わりないことも事実ですが。

堺:そうですね。

安井:私が住む神戸でも、熊本地震の映像をニュースで見ると21年前の阪神・淡路大震災を思い出して、眠れないという人がおり、「被災者(熊本)」‐「非被災者(非熊本)」と単純化はできないのかもしれません。

安井:最後になりますが、熊本出身で東京に住む堺さんは、この地震をどのように感じますか。

堺:4月15日に偶然帰省予定だったのですが、予定を変更せずに熊本へ向かったのは、熊本人としてこの状況を熊本の人々と共有しなければという思いからです。その通り、この状況を現在ここの土地の人々と共有できています。ただ、時期がくるとここを離れていかなければならないという現実を考えますと、複雑な思いです。しかし、このような自分しかできないことを今後、考えていきたいです。

安井:堺さんは、もうしばらく御滞在とのこと、どうかくれぐれもお気を付けください。大変な時に、長時間、お付き合い有難うございました。

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熊本県宇土市市役所 4月20日(堺氏撮影)

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殆ど何もないスーパー 熊本県宇土市 4月20日(堺氏撮影)

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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