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グローバル化は足元からやってくる ~国際学で切り取る世界と社会~

2014年11月26日 01:00

やっと見えてきた香港デモにおける「大人の顔」

当ブログ2014年11月 8日付の「人は真の「自由」を得るために、学び続けなければならない」で記しました通り、香港の民主化デモには違和感を覚えていました。

私自身は香港が制度のみならず、本質的に民主化されることを望んでいます。

しかしながら、十代の大学学部生が政治の舞台の最前線に立たされていることを観ると、香港の大人は何をしているのだろうと思わずにはいられなかったのです。

アジアの大学進学率が急速に伸びている今日、今の大学生は、20年前の高校生程の競争力しかありません。

香港の大学進学率は中国本土よりも低く、2012年において約20%ですので、比較的エリート性を担保しているかもしれませんが( "Distribution of Educational Attainment of Population Aged 15 and Over", the Education Bureau, the Government of Hong Kong Special Administrative Region)、OECD平均は約60%となっています(OECD "Education at a Glance 2014")。激しい競争の中、先進国の大学生は、(それぞれの国の昔の大学生よりも遥かに)多くを学ばなくてはならないのです。

デモを伝えるマスコミ側としては、おそらく、若さは「見栄え」するのでしょうが、やはり、彼らは大学の教室に帰るべきです。もっと勉強してから、もっと知識を得てから、社会に出て、物申すべきです。

事実は分かりませんが、彼らの行動は、何か「動かされている」ように感じていました。ある意味で香港政府と同じように思えたのです。むしろ、「大人の理由」で動く、香港政府とは異なり、青年たちはストレートに見える分だけ「痛さ」がありました。

香港の新聞であります「蘋果日報」(電子版)によりますと、2014年11月23日、香港のデモを呼びかけた香港大法学部准教授の戴耀廷氏ら発起人3人が、法治尊重の姿勢を示すため、2014年12月5日に警察に「自首」し、民主派の学生団体と協議を進め、街頭占拠デモの早期収束をめざす意向であるということです(産経新聞、2014年12月23日)。

少し遅かったかもしれませんが、やっと「大人」が全面に出てきて良かったように思えます。

9月下旬から香港の中心街で始まったデモは、11月下旬となり、早くも2ヶ月過ぎました。

福沢諭吉ではありませんが、「ペンは剣よりも強し」です。市民社会におけるダイレクトアクションを全面否定するつもりもありません。ただ、長い目で見れば、香港のような先進社会では、やはり、ペンのほうが「強い」のではないでしょうか。

学生は十分です。彼らは、「学び」を基本としたペンの日常に戻るべきです。

今度は、香港の大人たちの「成熟した政治」を観てみたいものです

この記事へのコメント

1. Posted by 葵東 2014年11月28日 22:29

あなたもまだお若い。
ペンで剣に勝てた事例をいくつ並べられます?
特に言論が弾圧される社会において。
安全な学問の場では通じる正論も、独裁体制では夢物語でしかありません。

プロフィール
安井裕司
安井裕司
エジンバラ大学、バーミンガム大学博士課程に学ぶ。その間、ルーマニア・アカデミー歴史学研究所研究生。国際政治学博士(PhD)。国連大学国際紛争研究所インターン、夏期講習クラスコーディネーター、法政大学国際日本学研究所客員研究員等を経て、現在、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本経済大学神戸三宮キャンパス教授。
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