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チェンジ ザ コミュニケーション ~多様性を楽しむコンフリクト・マネジメント

2009年12月

2009年12月26日 02:03

第44回 ゆかぴーのパーソナル総括

今年は米国発の非白人大統領の就任演説から、日本の政権変動、経済も激動、マイケル・ジャクソンの死など、大きな変化が押し寄せた年でした。でも、マクロよりミクロな個人レベルで振り返ると、「スピリチャル系の女性とB型男性との交流が広がった」と総括してしまう鈴木有香です。

こういう人物区分は全くアカデミックではないのですが、自分を支えてくれたり、新しい視点を提供してくれたり、自分自身の未知なる部分に気づかせてもらったりと本当に今までなかった感覚を体験させてもらいました。

スピリチャル系の女性たちは、仕事に追われ、仕事だけの顔しか持てなくなっていたような私に論理でない感性の潤いをやさしい笑顔で無償で与えてくれました。

たとえば、マダム久美子のボイス・トレーニングでは閉じ込めていた私の感情を引き出し、声にのせて歌い、自分自身の感情と向かいあう機会を作ってくれました。自己成長や人間関係に悩むと、マダム貞子が「今、こんなことが浮かんだの。」と言ってポジティブなアドバイスをくださるのです。

また、私の表情や身体の動かし方、微妙な声のトーンなどを聞き分けるお千代は、私が一番快適にその瞬間を行動できるように公私ともに的確なサポートをしてくれました。人の重心の位置と感覚が読めるChokoさんには、研修の受講者に適した活動を提供することを教えてもらったり、効果的なロールプレイの方法のヒントをいただきました。

彼女らのポジティブな不思議なエネルギーのおかげで、落ち込む回数が減り、人に少しだけ優しくなれるような感覚がでてきたように思います。

「B型男性」の件ですか?? これはなんだか、お仕事やワークショップ関連で出会って、「面白いな!」と思う方々がほとんどB型だったという偶然の重なりでした。日本の人口における血液型分布とは明らかに異なっていたのです。お仕事と関係ない付き合いでこんなに普通に男性と話せるようになった自分にも実は驚いているのですけど・・・(といって、研修でしか、私に会っていない方々は想像しづらいかもしれませんが・・・)

小学生の頃から男子はどういうわけか、私に「決闘の挑戦状」を持ってきたり、何かとライバル的な存在でした。しかし、今年は癒してくれる男子、知らない知識を教えてくれる男子、わけのわからない経験をさせてくれた男子、親子ゴッコをしてくれた男子、心霊写真もどき写真作成に協力してくれた男子と私の生活の多方面で男子が登場してきたので、びっくりしています。

そうした私を支えてくれる人間関係というものに感謝と気づきが深まったというのが今年の総括です。武田鉄也さんではありませんが、「『人』という字は支え合っている。」そんな普通のことを実感したのがアメリカから帰国して12年目の今年でした。遅すぎますね!!

それでは、皆さま、よいお年をお迎えください!!!

2009年12月19日 23:02

第43回 どんだんず~!

12月の秋田場所、福岡場所で、今年の全国巡業が終わった関取の体重にはやや足りない鈴木有香です。その土地、その土地の味とお酒を堪能しつつ、地元の方々の会話の間合いや呼吸に興味を覚えています。

東京下町育ちの私は基本的に早口で声が大きく、言いたいことは腹にためずにいってしまう傾向があります。このテンポは関西の方々には受け入れられているようです。しかしながら、秋田の場合の会話のペースはゆっくりで、何か言葉にならない空気を共有する時間があるように思います。そして、私には正しく発声ができない鼻濁音が響きます。この深い鼻濁音はフランス語に通じるセクシーな余韻があるように思われます。

雪の舞う夜、囲炉裏端で熱燗を傾けながら、様々な話をしていたとき、ゆっくり「ん、だす。」と、しみじみとうなづく音声が私の耳から背骨へと響いていきます。

そんな秋田の様子を東京の大学の授業で話したら、なんと、そのクラスには東北出身者が4名いました。津軽、山形、気仙沼、仙台の出身者たちでした。この学生たちは通常のクラスの授業では、出身がわからないほど、軽妙に東京アクセントで、話しています。
しかし、その日の私の秋田の話を聞いたあと、津軽出身の八戸君(仮称)が即興で津軽弁講座を開いてくれたのです。

彼は早速、教室のパソコンで下記のWebページを開き、ネイティブの発音で読み上げました。http://www.interq.or.jp/www-user/miu7777/
そのユニークな音声に魅了された私たちは彼について、リピートしていました。

「わい~どんだんず~なんもはってね~なんぼが貸してけね?」

そして、八戸君の用語と文法の解説が入ります。
クラスの学生のお気に入りは「どんたんず~(なんてことだ!)」と「かちゃくちゃね(ごちゃごちゃ)」

そして、会話集をもとに、津軽弁+気仙沼弁+山形弁の三人衆でモデル会話が行われました。学生全員が日本語の音の豊かさとビビッドな語彙に興味シンシンです。そして、尊敬の眼差しで級友を見ているのです。そう、東北出身者は軽々と東京方言をベースにした会話を自分の国の言葉に翻訳しているバイリンガルなんですから。

「わー、私もそういう言葉がほしい!」と言ったのが八王子の出身者。
「多摩弁というのもあるから、調べてみれば?」と私。

来週は沖縄出身者と八王子出身者のお国自慢大会が見られることでしょう。

言語の豊かさはその多様性にあります。「美しい日本語」、「美しい敬語」などとよく言われますが、言葉の美しさというのは、やはり自分の魂のこもったそれぞれの故郷の言葉ではないでしょうか。それに誇りを持ち、また人々がそれぞれの敬意を持てる雰囲気が今週のクラスにありました。

これも、なんだか秋田の人々が私に与えた感動が東京の教室につながり、東京で大学に通う東北出身者を力づけ、そして他の学生たちが日本文化の多様性に触れていた不思議な親切の循環のように思えました。

2009年12月12日 00:34

第42回 反クイズ番組論

制作費も安くヒナ壇に並ぶ芸能人が適当なおしゃべりをしているようなクイズ番組に腹を立てている鈴木有香です。脳の活性化、知識欲、それはそれでいいのですが、そんなに知識量を詰め込んで何になるのでしょうか。私は持っている知識をどのように現実に使うかのほうが興味があります。

「『テン』と読む漢字を1分以内に何個書けますか。」というような問題があって、それに参加している芸能人がワーワー言いながら答えているその表情や反応を視聴者は面白くて見ているのかもしれません。でも、その漢字をたくさん知っていることが果たして「頭のいい」ことなのだろうかと思ってしまいます。厳密にそのようなテストで、その人ができたことは「限られた時間内に正確に知っているものを表出する。」という能力です。記憶と再生力でしかありません。そこに芸能人の出身校とか紹介されていると、社会の中での大学の権威の低下が示されているようにも思います。

たしかに、パソコンもコピー機もなく、本ですら庶民の手に届く値段でなかった時代に知識を記憶するというのは一定の価値があったかも知れませんが、今や電子辞書もある時代に1つの漢字がわからなくても、2,3秒もあれば調べられるレベルの問題です。なぜ、「知っている」と「知らない」だけに分けて、「知らない」ことを馬鹿にするかのようなテレビ番組に人気がでるのかわかりません。

むしろ、「知らない」ことを自覚して、「知らない」ことについて探っていこうとする行動を養ったり、得た知識を自分流にどのように、自分の日常生活に結びつけるかということを考えたほうが自分の生活が豊かになるように思います。

正直言って、記憶力主体の大学受験は苦労した私です。でも、「必殺仕掛け人」を見て、「吉原」に興味を持った小学生有香Pは祖父の「吉原経験談」及び、書籍からある種日本の性風俗についての基本知識を学びました。結果、欧米人がやや偏った日本について語り出せば、平安時代のお稚児さん、戦国時代の小姓の例まで取って説明し、西洋以外の視点があることを伝えることができるようになりました。

そういえば、「ベルサイユのばら」に触発され、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」と「君が代」の歌詞の比較にはまっていたのも小学生の頃でしたが、これも後で、ヨーロッパの人々との話題に困ったときは助かりました。当時、他に嵌っていたのは、家族旅行で会津に行ったときの「白虎隊の話」、北海道での「アイヌの文化」でした。

結局、日本の受験において全く役に立たない知識なのですが、社会人になって、歴史認識だの価値観の異なりなど様々な事例を分析したり、人々と議論するとき、小学校時代から溜め込んだ妙な雑学ネタが私のアカデミック・ライフ及び社交を助けてくれるので、人生、何が得なのか初めから決め付けられないなと思います。

それから、公共の電波はやはり尊い社会的なものなので、テレビの製作者はサンプル数の少ない統計的価値の高くない視聴率とか一時的な収益という指標だけでなく、大人の責任としての番組作りというのをもう一度考えていただきたいと思うのです。

2009年12月 5日 23:37

第41回 開き直れない世代

去年くらいから若手の劇団員のイケ面青年をアシスタントに研修をしたりしている鈴木有香です。その一人にミッキーがいます。劇団出身者というのは、体育会もびっくりする上下関係で鍛えられているので、礼儀、挨拶などには抜かりがありません。しかも、大工仕事から録音までの様々な仕事ができます。ミッキーは昭和の最後のほうに生まれ、途中、「ゆとり教育」に切り替わった世代なのですが、彼は若手中心の企業研修にいくと、その世代の特徴を私に解説してくれるので、助かります。

このところ、入社2-3年目の対象の研修をいくつかやっていました。去年くらいからこの世代の研修については企業に関係なく、「危機感」を感じています。基本的に素直で指示したことはやります。知的レベルも高い(偏差値の高い大学、院卒)という感じです。しかし、エネルギーがないのです。反応がないのです。

 同世代、あるいは同期の参加者20名程度に私が発問しても、返事がない。ときどき、うなづく人はいるのですが、それも少数、ほとんど全体に反応がない。同じプログラムで平均年齢が35歳くらいになると、身体反応はあるし、研修開始1時間もたてば、3人くらい全体に発言する人が出てきて、その刺激を得て、全体の気の循環が始まり、グループ、全体のディスカッションが広がるのですが、そうした気の循環がないのが、20代前半の参加者です。

 「何か自分からやってしまうと、それについて他からどう思われるのかが心配なんですよ。それに、やったら、それについて責任をとらなきゃいけないでしょ。そう思うから、動けないんですよ。」と、ミッキーが同世代について解説してくれました。

「でもさ、やらないことのリスクって考えないの?」と私。
「それもあるけど、やはり責任は取りたくないからと思うのですよ。」とミッキー。
「でもさ、同世代じゃない? 研修ごときで押し付け合うような責任ってあるの?」
「うーん、そういうのではなくて、何ていうか・・・・。多分、深い意味でお互いが信頼がないのかもしれません。」

 合コン、パーティーなど軽妙な会話はできるけど、それ以上の部分には触れられるのが怖い。相手と異なった意見は全て「自分を否定するもの」と思いがち。一度崩れた人間関係の修復よりは、それを無視してしまうほうが楽だと考えるようです。

 「なんていうか、陰湿ないじめみたいなものが普通にクラスにあるから、次は自分の番にならないようにってしてたりしましたね。それから、途中から、「ゆとり教育」になったものだから、最初から「ゆとり教育」で平成生まれみたいに『僕たち、馬鹿だから・・・』とも開き直れないのですよ。」とミッキーは語る。

でも、こういう世代を作ったのはその前の先輩や親の世代の責任だとは思います。普通に人が人を信頼できる社会はどこにいったのでしょうか?

 それでもミッキーは演劇学校、劇団の生活で生身の人間がぶつかり合う活動や、先輩から問答無用の命令などを受けて、変に熱い昭和世代のコミュニケーションの感覚があるので、私なんかとも付き合ってくれているんだろうなと思います。

プロフィール
ニックネームさん
鈴木有香(ゆかぴー)
早稲田大学紛争交渉研究所客員研究員、桜美林大学・亜細亜大学非常勤講師。コロンビア大学にて修士号取得。米国諸大学講師を経て現職。一部上場企業(外資系含)でリーダーシップ研修等担当。 著書に「交渉とミディエーション」(三修社)など。早稲田総研インターナショナル「コンフリクト・マネジメント」講師。詳細:http://www.quonb.jp/service/management/index.html
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