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チェンジ ザ コミュニケーション ~多様性を楽しむコンフリクト・マネジメント

2009年2月

2009年2月27日 09:32

第2回 どこまで法律に頼るの?!

こんにちは、意思の強い鈴木有香です。しかも、時代遅れの私です。なぜなら、私は「喫煙者」なんですよ。今のトレンドじゃありません。


 なぜ、意思が強いかというと、あれは1997年、カリフォルニア州で、レストランやバーでの喫煙が一切不可になったとき、「私はタバコをやめない!」と力強く思ったからです。あ、単なる「アマノジャク」かもしれません。


 確かに、喫煙は吸う人の健康だけでなく、周囲の人の健康も害する毒物です。でも、一律に法律で嗜好品について規制しようというのは、なんだか「禁酒法」みたいで嫌な感じがしました。私自身、自分はタバコは吸うけれど、人のタバコの煙は嫌いというわがままな人間なので、分煙するとか、外で吸うことはけっこう賛成ですし、実践しています。


 そして、2008年の日本の現状は、「路上喫煙前面禁止」のオフレです。千代田区、そりゃー短絡的じゃないでしょうか?人に迷惑をかけないで、どのように吸うかが問題であり、それはマナーの問題で法律や規制のレベルではないと思うのです。しかし、マナーとかエチケットといわれるものは他人に配慮して自分の行動を律することで、自主性や自己判断が求められます。自律性というのは本能でなく、教育を通じてはぐくまれるもので、長期的な問題を含みます。たしかに、法律や規制で罰則を設け、「これはだめ!」というのは即効性のあることですが、自分自身で考える機会を失わせます。


 最近、大阪府をきっかけに文部科学省まで巻き込んで、「小中学生に学校へ携帯を持ってこさせない。」規則を作ろうという話が巷の注目を浴びています。規制が設けられないほど、教師も親も「子どもにとってのベストな方法」を一緒に考え、実践していく力が失われたのでしょうか。そのうち、「子どもの帰宅がいつも午前さまになります。中学生の帰宅時間を決めてください。」「小学生の男児ですが、家でスカートをはこうとします。男子スカート着用禁止令を作ってください。」「子どもが家で父親と話しません。お父さんと語る日を毎月10日に設定してください。」そんな風に、なんでも規制を求めるようになるのでしょうか。


 「路上喫煙禁止」にしても、「子どもの携帯禁止令」にしても、なんだか江戸時代の「町人は絹を着るべからず」のような生活そのものの規制というのに私は違和感を持ちます。


最後に、千代田区対策の裏技を教えましょう。「路上」というのはあくまで区の管轄の範囲なので、所有者のはっきりしている建物の敷地は「路上」にならないそうです。

2009年2月20日 17:51

第1回 けんか両成敗は悪をはびこらせる?!

はじめまして、鈴木有香です。「コンフリクト・マネジメント」、「ミディエーション」などの講座ですでにお会いしたことがある方もいらっしゃるかと思います。

このWebを通じて、私が日々おもっていることを徒然に書きつつ、みなさんと問題をいっしょに考えられたらと思います。とりあえず、私が問題提起という形で自論を展開し、みなさまはそれにボケでも、突っ込みでも、異論でも、反論のコメントでもいただければというような趣旨です。

 

さて、今日は「けんか両成敗」という言葉を考えてみたいと思います。

まあ、日本の古き良き伝統である「性善説」が現実社会であるなら、そういうこともあるとは思います。ただ、私自身の経験からいうと、「けんか両成敗」は組織などでの悪を助長し、結局は正直者、正義感のある人を尊重しない結果になることが多いように感じられます。

たとえば、主任A(正社員)が部下B(パート)に、仕事を覚えるために、勤務外に先輩社員の仕事を観察し、レポートを出すように指示しました。もちろん、無給です。来年度に仕事時間を増やしてもらいたい部下はそれがこの組織の習慣だと思い、週に3時間程度、ほぼ8ヶ月それを続けました。

 ところが、年度末の直前に主任Aは人事部長Cからそうした時間外の拘束はするべきことではないと注意を受けました。すると、主任Aは「私はそんなことは言っていません。」と断言し、「私はいっさい見学をしろとか、レポートを出せとはいっていない。」という一斉メール自分の担当チーム全員にだしました。人事部長が仲介に入って、主任Aと部下Bの話を聴いたところ、双方の主張が対立したままなので、「まあ、今回はお互いのコミュニケーション・ミスということで、誤解をときましょう。」となんとか話を丸く治めようとしました。

主任Aが保身のために意図的に嘘をついているのであれば、「嘘を突き通した者勝ち」で、「正直者は馬鹿をみる」という結果になります。決して「けんか両成敗」にはならないのです。むしろ、組織での不正を助長し、正直なコミュニケーションを抑制します。

 

ここ最近、職場の非正社員化が進み、再びリストラの嵐が吹き荒れています。職場がサバイバル状況になればなるほど、ストレスが高まり、パワハラ、セクハラ、自己保身のための嘘が増えていくことでしょう。そんなとき、安易な「けんか両成敗」は組織を負のスパイラルに巻き込んでいくことでしょう。

プロフィール
ニックネームさん
鈴木有香(ゆかぴー)
早稲田大学紛争交渉研究所客員研究員、桜美林大学・亜細亜大学非常勤講師。コロンビア大学にて修士号取得。米国諸大学講師を経て現職。一部上場企業(外資系含)でリーダーシップ研修等担当。 著書に「交渉とミディエーション」(三修社)など。早稲田総研インターナショナル「コンフリクト・マネジメント」講師。詳細:http://www.quonb.jp/service/management/index.html
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